ナタリー PowerPush - つばき
バンド結成10周年! 新作「夜更けの太陽」堂々完成
気がつけばバンド結成10周年。つばきがニューアルバム「夜更けの太陽」を8月4日にリリースする。激しく移り変わる音楽シーンを横目に着実な活動を続け、今もなお多くのファンを虜にし続けている彼らは、ここからどこへ向かおうとしているのか。一色徳保(Vo, G)、小川博永(B)、岡本奈穂子(Dr)の3名に話を訊いた。
取材・文/高橋美穂 インタビュー撮影/中西求
周りの状況は変わったけどバンド自身は変わってない
──今年、結成10周年を迎えたつばきですけど、改めてどんな10年間でしたか?
一色徳保(Vo,G) そうですね……10周年だからっていうのはないんですけど、でも振り返って思うのは、バンドを取り巻く状況は変わったけど、バンド自身は変わってなくて、そこはいいと思いますね。
──メンバー抜けたりもしてないですもんね、ずっと。
一色 そうですね。本当に初期に入れ替わっただけで、このメンバーで9年なので、だからいいと思うんですけど。
──メモリアルな感慨ってあります?
岡本奈穂子(Dr) 最初の頃は全然なかったんですけど、今年、毎月10日にイベントをやってて、それで最近は実感してきましたね。友達のバンドとかが出てくれて。
一色 そういう意味では、10年やってきたんだなあと思います。知り合いも増えたし、ずっと来てくれるお客さんもいるし、長い間やってるんだなあと思いますね。
──長かったと思う?
一色 いやあ、ぶっちゃけ、諸先輩方がいますから。比べちゃうと全然長い気はしないですけどね。あっという間だったし。
小川博永(B) まあ、あっという間といえばあっという間だけど、いろんなことはあったし、最近思うのは対バンに若いバンドが増えてきて、完全に最年長っていうライブが多いんで、それは10年やってれば年もとるかって……。
ライブがたくさんあるからバンドを続けていける
──そんな中で、皆さんをつばきでの活動に駆り立てているモチベーションっていうのは、どういうものなんでしょうか。
一色 すごく単純なんだけど、バンドが好きだっていうのと、ここにいるメンバーみんな、自分の好きなことをやって生きていきたいんですよね(笑)。楽に、好きなことやって。
小川 楽じゃないよ(笑)。好きなことはやりたいけど。
一色 いや、楽だと思うよ。一番嫌なことが苦になるわけで、どんなに辛くても、好きなことなら楽にできるし。
──岡本さんのモチベーションは?
岡本 私は単純なんで、ライブが好きでドラムを叩ければいいじゃないですけど、そういうのが根本にあって。ライブのときとかも、すごい気持ちいい瞬間がいっぱいあって、それが忘れられないんですよね。今振り返ってみると、モチベーションも下がったりはしてなくて、音を出すのがずっと楽しいんです。だから、私は入って8年ですけど、変わらずやってこれたのかな。
──シンプルですね、考え方が。バンドをやるにあたって、すごく大事なことだと思います。
岡本 そうですね。私、難しいこと考えないんで(笑)。
一色 そんな自分のことをおバカっぽく(苦笑)。
岡本 でも、ほんとそうですよ(笑)。つばきってライブがたくさんあるんでやれてるんだと思います。これが年に1回とか2回のバンドだと、うわーってなって辞めてると思います(笑)。
小川 うん、根本にある考えはシンプルで、単純に音楽やってて楽しいっていう、それだけですね。たぶんどんな形であれ、ずっと音楽をやっていきたいし、そうやって生きていきたいっていう(笑)。
一色 最後の言葉だけやたらスケール感が(笑)。
──確かに(笑)。意地悪なことを訊きますが、キツくて辞めたくなったことはなかったんですか?
一色 いや、状況がキツいなってときはありましたけどね。それは自分の手で変えていけばいいし、単純ですよ。
小川 つばきってバンドを続けることが大前提なんで、バンドを辞めるって思ったことは、ここ何年もないですね。
──自分の手で変えればいいっていう言葉は、他のバンドマンにも読んでほしいですね。
一色 そんな大それたことじゃないですよ(苦笑)。
つばき
一色徳保(Vo,G)、小川博永(B)、岡本奈穂子(Dr)の3名からなるロックバンド。2000年のバンド結成以降インディーズで多くの作品を発表し、2005年2月にシングル「昨日の風」でメジャーデビュー。内省的な歌詞とストレートなロックサウンドが高い評価を受ける。メジャー契約終了後も精力的なライブ活動を続け、コンスタントにアルバムを発表。2010年は結成10周年を記念し、毎月10日に「つばき10th Anniversary "正夢になった夜"」を開催中。2010年8月には通算6枚目となるオリジナルフルアルバム「夜更けの太陽」をリリース。