ナタリー PowerPush - TOMORO

“ネオヒップホップ”で日本の若者を元気にする

建築じゃなくてやっぱ音楽

──大学で建築の勉強をしつつ音楽のほうも並行して続けてたんでしょうか?

TOMORO

とにかく服がまったく売れなくなっちゃったので大学に通いつつ2年くらいは大学のキャンパスのあった埼玉に隠居してました(笑)。今までの羽振りのいい生活から一変して節制の日々で、一番安い牛丼も恋しいくらいお金がありませんでした。

──では音楽活動どころじゃないですよね。

そうですね。その間は大学で覚えたパソコンを使ってイベントのフライヤーとか作ってました。知り合いの先輩が会社を立ち上げてフリーペーパーを始めたので、そのページデザインとかもやって月に15万くらいは稼がせてもらって。でもお金が入るとバイクで全国のクラブに行っちゃうんですよ。そんな中、福岡に行ったときにプロデューサーのZETTONさんと知り合ったんですけど、彼にすごくよくしていただいたんです。で、ZETTONさんのスタジオで10代のときに作った曲を集めたアルバムを制作し、リリースしました。手売りですけど1500枚作って半年の間だけで1000枚捌けましたね。

──それがアーティストとしては初の作品ということですね。

はい、そういうものも出して音楽活動を続けていたんですけど大学はちゃんと通ってましたよ。でも20歳になったときに建築じゃなくてやっぱり音楽でやっていきたいなって思っちゃったんですよね。だって同世代で僕ほど行動してるラッパーは当時いなかったですから、リアルにね。この勢いがあれば絶対に天下獲れるだろうと思って。で、ライブ活動も年間150本くらいしながら資金的なことも考えて動画の編集作業を請け負う映像制作会社を設立しました。これが初めての起業で22歳のときですね。今はそれらに加えてPR会社やマネジメント事務所、アパレルや飲食店など、これまで10店舗立ち上げました。ロサンゼルスにも会社があります。

社員が僕のスピード感についてこれない

──かなり波乱万丈な人生ですよね。

順風満帆ではなかったですね。3回くらい大きな失敗もしてますし。その1つが今年の夏で、去年の秋くらいから今年の夏まで本当に毎日毎晩遊んで暮らしてたんですけど、そんなだから昼の打ち合わせなんて出られないし、社員ともまともに仕事の話もできずでもう本当にひどかった。

──それは社員の方々も大変なのでは……。

TOMOROお気に入りのウミガメのはく製

ですね(笑)。それに僕も飲みの席とかで儲け話されたりして事業の話とかその場で決めちゃうから、もう社員が僕のスピード感についてこれなくなっちゃって。今社員は30人くらいいるんですけど、今年の夏はもう本当に社員が参っちゃってやばい状態でした。

──やばい状態というと?

僕がもうどんどん商談を決めてポンポン金を払っちゃうもんだから、気付いたらほとんど資金がなくなってしまって。誰も把握できてないし、これはまずいということで会社の見直しに全力で取り掛かりました(笑)。そんな状態でピンチだったんですけど、グループ会社を一社も倒産させてないです。むしろ以前より急成長で、業績は右肩上がりですよ。僕らの実力だけじゃなく本当に日頃から僕らを支えてくださる皆さんのお陰ですね。

──TOMOROさんは落ち着いていられないんでしょうね(笑)。

ですね。常に攻めていたい気持ちです。付いてきてくれる社員たちに感謝ですよ。ありがたいですね。

アーティストコラボはいいスパイスになる

──現在、毎週新曲の連続リリースという記録に挑戦しています。これはどういった意図から始めようと?

まあ人がやらないことをやるのが大好きなので。何か面白い試みはないかなと考えていたところ、ギネスで新曲の連続リリース記録はどうだろうかという案を思いついて。で、ギネスの日本支社に問い合わせてみたところ、そういうのはまだ記録としてないって言われたんです。だったら僕が樹立しますよということで始めました。もう現時点で15週目くらい続けて出してますし、このまま30週くらいは目標としてますね。

──毎週曲を出していくのも大変かと思いますが。

とはいえスタジオは自前でありますし、スタッフもすぐに収録や編集できるような布陣を整えているので、曲さえできればそれほど大変ではないですよ。

──ものすごい組織力ですね……。

TOMORO

いや、このために六本木、渋谷に部屋を借りてあげてみんなを住まわせてますから。だから僕が「今日やるよ」って言ったらすぐにみんな集まれる環境を整えたんですよ。やっぱりスピード感は大事ですから。

──すでにリリースされている曲の中にはアーティストとのコラボ楽曲も何曲かありますね。特にMay J.さんを迎えた楽曲「PARTY OUT feat. May J.」には驚きました。

タイミングがよかったこともありますけど、May J.ちゃんの歌唱力はやっぱり素晴らしいので、その才能を一緒に形にしたかった。それにMay J.ちゃんやHI-Dさんとのコラボはやっぱり連続リリースという企画の中でいいスパイスになるんじゃないかと。だから今回の企画を進めるにあたってコラボ作品を提案した感じです。

──最新作「二人愛 feat. SAYALA」ではTOMOROさんがプロデュースを担当したSAYALAさんとのコラボ楽曲をリリースされてますね。

連続リリースの中ではそういう試みもしてみたくて、今回はSAYALAと曲を作ってみました。そうやって僕1人だけじゃなくていろんなアーティストと一緒に作品を作っていくことで連続リリースにも幅の広さが出ますし、僕の曲を知ってくれる人が少しでも多くなってくれればなと。もちろんこのあとにリリースする楽曲も大物のアーティストとやることが決定してます。

配信限定シングル「二人愛 feat.SAYALA」 / 2013年12月18日発売 / 250円 / Universal Music LLC
配信限定シングル「二人愛 feat.SAYALA」
収録曲
  1. 二人愛 feat. SAYALA
下記サイトにて好評配信中!
  • レコチョク
  • iTunes Store
  • music.jp
  • Amazon.co.jp
  • mora
配信限定シングル「PARTY MAKER feat.HI-D」 / 2013年9月11日発売 / 250円 / Universal Music LLC
配信限定シングル「PARTY MAKER feat.HI-D」
収録曲
  1. PARTY MAKER feat.HI-D
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  • レコチョク
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配信限定シングル「PARTY OUT feat. May J.」 / 2013年11月13日発売 / 250円 / Universal Music LLC
配信限定シングル「PARTY OUT feat. May J.」
収録曲
  1. PARTY OUT feat. May J.
下記サイトにて好評配信中!
  • レコチョク
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TOMORO(ともろう)

TOMORO

六本木や横浜を中心に活躍するヒップホップアーティスト兼プロデューサー。青年実業家としての顔も持ち、映像制作会社や広告代理店、飲食店の経営なども行っている。2012年に「LOVEドッきゅん♥2♥feat.CLUB PRINCE~六本木 PARTY★SONG~」でメジャーデビューし、2013年9月にはHI-Dを客演に迎えた「PARTY MAKER feat.HI-D」を皮切りに毎週新曲リリースでギネス世界記録に挑戦中。同年11月にはMay J.とのコラボ曲「PARTY OUT feat. May J.」をリリース。12月には自身がプロデュースを担当したシンガー・SAYALAと「二人愛 feat. SAYALA」をリリースした。