音楽ナタリー Power Push - トミタ栞×真野恵里菜対談

17歳の君に贈る歌

17歳の私

──「17歳の歌」というタイトルにちなんで、今日はお2人が17歳だったときのお話も聞きたいなと。2人の17歳はどんな年でした?

真野 7年前……。デビューの年でした。

トミタ おおー。

真野恵里菜

真野 私は17歳の終わりにデビューしたんですよ。その前にインディーズでCDを3枚出させて頂いたので、17歳のときは全国キャンペーンをしていましたね。ショッピングセンターの広場で歌って、CDを買ってくださった方と握手して……。それまで、ハロー!プロジェクトでそういう活動をされた方っていなかったんです。だから、先が見えない思いがあったのをよく覚えています。ソロ活動をするって決まったけど、「あれ、本当にメジャーデビューできるのかな?」って。フリーライブって、お客さんの数があからさまにわかるから「まだまだだこんなんじゃデビューできないな」ってすごく痛感したこともあったし……。自分がみじめになっていく気持ちと、夢を追いたい気持ちとですごい葛藤してたけど、とにかく必死にやっていましたね。

──真野さんのこれまでの歩みの中で、大きなポイントになる年だったんですね。

真野 そうですね。ターニングポイントだったと思います。デビューするために都内の高校も転校して。もうあっという間に、風のように過ぎ去っていった1年でした。

トミタ 私はオーディションをひたすら受けていた時期で、事務所にもまだ入っていなかったです。

真野 東京にはもう出てきてた?

トミタ 出てきてないです。私、東京に来たのは高校を卒業してからなんです。だから田舎の高校で高校生やってました。地元は冬本当に寒いんで、学校に毛布を持っていって。みんなはブランケットをひざにかけてたんですけど、私は毛布を頭からかぶってました。

真野 あれ? なんかるみちゃんっぽい(笑)。

トミタ それで、お昼は毎日購買にコロネを買いに行って。で、私の前で売り切れちゃうと、最後に買っていった人をめっちゃにらんでました(笑)。

真野 かわいい(笑)。完全にるみちゃんだ。

トミタ もう本当に平凡でした。でも夢は追いかけていて、オーディションはたくさん受けてたんですけど……落ちまくってましたね。だから「この先どうしよう」って本当に悩んでいた時期でもあります。同じ17歳でも、真野さんと全然違いますね。

真野 でもだからこそ、今こうやって出会えていることがすごいね。

──トミタさん、17歳当時から今までの4年間を振り返ってみていかがですか?

トミタ栞

トミタ 高校を卒業して東京へ出てきてまずテレビ番組のMCをやって、2年目からは歌を始めて、そして今は演技に初挑戦して……すごく濃厚な日々ですよね。初めての経験がこんなに一気に重なることってなかなかないと思うし。振り返ってみると、なんだか自分自身のことを知る機会が増えたなって思います。「自分ってどんな人なんだろう?」なんて、今まで考えたこともなかったんですけど……。例えば演技に挑戦するってなったときに「笑うとき自分はどんな顔をするんだろう?」とか、「テンションが上がるときってどんなときなんだろう?」とか、るみちゃんを演じる上で必要な“素材”を、自分を振り返ることで手に入れようとするから。

真野 私も今は、自分を振り返る作業ってけっこうしますね。逆に、ハロー!プロジェクトで活動していたときはあまり振り返らなかったんですよ。自分のMVとかも、恥ずかしくて観れなくて。

トミタ へえー。

真野 もともとハロプロは好きだったんですけど、自分がハロプロに所属しているっていう自覚がなかったんですよね。よく事務所の方に「寝癖を付けたまま現場に来ないでください」とか「もうちょっと私服に気を配りなさい、どこで誰が見ているかわかんないよ」って言われてたくらいで(笑)。そういうことを言われて「自分はハロプロなんだな」って思うんですけど、やっぱりどこか恥ずかしい思いがあって。フリフリの可愛い衣装を着ている自分の映像とか、本当に観れなかったです。でも最近になってやっと……卒業ライブのDVDとかを観返すと、ああやっぱり自分はハロプロが好きだし、ハロプロの一員としていられたんだなって思えるんですよね。

トミタ そういうキャラだったんですね……寝癖付いてるのとか想像できない。

真野 なんて言えばいいのか……“干物女”的な(笑)。スウェットのジャージで舞台の稽古場に行って、怒られたりだとか。

トミタ それ何歳くらいのときですか?

真野 18歳くらいかな(笑)。「ジャージで電車には乗らないでください」って怒られてました。

トミタ ほんとに意外。スキがなさそうだもん。

真野 全然。部屋だって汚いです。

トミタ え! 親近感!(笑)

17歳の君へ

──今17歳の人たちにお2人がメッセージを送るとしたら、どんなことを伝えたいですか?

トミタ 私は、これ「るみちゃんの事象」を観てすごく思ったことなんですけど……高校生当時、もっと自分が個性的だったら面白かったかなって。個性的だったら、大人になってから話せるエピソードが増えるじゃないですか。

真野 武勇伝みたいな。

トミタ そう! だからもっと個性を出していけばよかったって。私も出したつもりではあったけど、もっともっと行けたなと思って(笑)。だから自分の個性だと思うところはいっぱい出したほうがいいと思うし、それで例え先生や親に怒られたとしても、いつか笑い話になると思うから。大人になってから笑って話せるようなエピソードを増やしていってほしいなって思いますね。

真野 私は学生のうちは行事ごとを楽しむのが勝ちだよなって思います。高校生のときって、体育祭や文化祭に向けてがんばればがんばるほど、ちょっと恥ずかしいっていうような風潮があるじゃないですか。「何、気合入っちゃって」みたいな。私も高校1年生のときは文化祭があって、クラスでたこ焼き屋さんをやったんですけど、ちょっと粋がって先輩のクラスの展示を観に行っちゃったりしたんですよ(笑)。でも、大人になって体育祭や文化祭みたいなことをしたいなって思っても絶対できないし、学生時代に行事ごとをがんばることがいかに大事なんだろうって思うんです。「一生懸命やればよかったな」って、今になって思いますから。

──ありがとうございます。では最後に、せっかくなのでお互い知りたいことなどあれば。

トミタ 真野ちゃんのことで今一番知りたいのは、私たちの飲み会がいつ開催されるんだろうっていうことです(笑)。

真野 まだ飲みに行けてないんですよ。

──約束をされているんですか?

真野 約束というか、お互いにごはんを食べに行く行動エリアが近いので、その辺りに行ったら連絡し合おうか、って話してるんです。

トミタ なかなかスケジュールが合わなくて、約束ができないんですよ。

真野 定期的な休みも決まっていないし。

トミタ 仕事の終わり時間も読めないですしね。

真野 だから結局は「今飲んでるんだけど、どう?」みたいな連絡の仕方になってくるっていう。

トミタ それが一番いいですよね。もう、そこらへんの感覚が同じだって時点で近いうちに実現できる気はするんですが(笑)。

──会場は居酒屋さん?

トミタ もちろんです。バーとかじゃないですよ。

真野 居酒屋さんだよね。サメ軟骨の梅和えが食べたい。大好きなんです。あと厚揚げ。

トミタ そんなメニュー言われても、真野ちゃんが居酒屋さんにいる姿なんて想像できないですよね!? 私は真野ちゃんが実際に飲んでる様子を見ないと信じないです(笑)。

左からトミタ栞、真野恵里菜。
るみちゃん★○トミタ栞 ニューシングル「17歳の歌」 / 2015年9月2日発売 / EPICレコードジャパン
初回限定盤 [CD+DVD] / 1500円 / ESCL-4521~2
通常盤 [CD] / 1000円 / ESCL-4523
CD収録曲
  1. 17歳の歌
  2. 17歳の歌 -happy machine Remix-
  3. 17歳の歌 -Yoshino Yoshikawa Remix-
  4. 17歳の歌 -TV Version-
  5. 17歳の歌 -Instrumental-
初回限定盤付属DVD
  1. 17歳の歌 -ミュージックビデオ-
  2. 17歳の歌 -メイキング映像-
  3. 17歳の歌 -TV SPOT-
MBS・TBS「となりの関くんとるみちゃんの事象」

毎週日曜日24:50~ ※MBS
毎週火曜日25:11~ ※TBS

トミタ栞「もしも WORLD TOUR 2015 in JAPAN」
2015年9月27日(日)
東京都 渋谷duo MUSIC EXCHANGE
るみちゃん★○トミタ栞 ニューシングル「17歳の歌」発売記念イベント
2015年9月2日(水)
神奈川県 タワーレコード横浜ビブレ店
<内容> るみちゃんの殴り書きサイン会&握手会
2015年9月3日(木)
東京都 タワーレコード渋谷店B1F CUTUP STUDIO
<内容> トークショー&ポストカードお渡し会
2015年9月4日(金)
東京都 SHIBUYA TSUTAYA
<内容> るみちゃんの殴り書きサイン会&握手会
2015年9月5日(土)
神奈川県 ラゾーナ川崎プラザ ルーファ広場 グランドステージ
<内容> トークショー&ポストカードお渡し会
2015年9月6日(日)
神奈川県 ビナウォーク
<内容> トークショー&ポストカードお渡し会
2015年9月10日(木)
大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店
<内容> るみちゃんの殴り書きサイン会&握手会
トミタ栞(トミタシオリ)

トミタ栞

1994年生まれ、岐阜県出身。テレビ神奈川の人気バラエティ番組「saku saku」5代目MCに抜擢され、その天真爛漫なキャラクターで人気を博す。2013年6月にミニアルバム「トミタ栞」でEPICレコードジャパンよりメジャーデビュー。リード曲の「あたらしい朝のうた」がtvk「高校野球中継オープニング・エンディング曲」に採用される。2014年12月リリースのシングル「だめだめだ」は表題曲がTVアニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」のエンディングテーマに。2015年2月、自身初の書き下ろし曲を収録したフルアルバム「もしもワールド」をリリース。9月に自身が初の主演を務めるドラマ「るみちゃんの事象」の主題歌を収めたシングル「17歳の歌」をるみちゃん★○トミタ栞として発表する。

真野恵里菜(マノエリナ)

真野恵里菜

1991年生まれ、神奈川県出身。2008年にハロー!プロジェクトよりソロ歌手としてデビューし、2009年3月にシングル「乙女の祈り」でメジャーデビュー。2013年に同プロジェクトを卒業。卒業後は女優としてテレビドラマ「SPEC(スペック) ~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿」や映画「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」など多くの映画、ドラマに出演する。近年は園子温監督作へ立て続けに参加し、9月4日には彼女がマドンナ役を務める園監督の最新作「みんな!エスパーだよ!」が劇場公開される。なお、9月19日には写真集「Escalation」が発売。10月にはTBS系連続ドラマ「結婚式の前日に」に出演する。