感情があふれ出すのは苦しい恋愛のほう

──自分の書いたラブソングに救われたり、それを書いたことで恋愛が変わった経験ってありますか？

Tiara　20歳くらいの頃付き合ってた人から、別れてもずっと謎のメールが来てたんです。それで「面倒くさいなあ。なんで男の人ってそういうことしてくるの？」って他の男性アーティストの方に相談したら「それを曲にしちゃおう！」ってなって。結果できたのが「ありがとう。愛してた人 feat.Spontania」という曲なんですが、リリース以降、メールが来なくなりました！

傳田　へえ、すごいね。伝わったのかな!?

Tiara　わかんないけど、もしかしたら曲を聴いてくれたのかなって（笑）。「今さら優しくなんてしないで！」とか「都合のいい存在にはなりたくない」って歌ってる曲だから、それでメールが来なくなったってことは……。

──きっとメッセージが届いたんでしょうね（笑）。傳田さんは？

傳田　私も実は近い経験があってそれを歌にしてるんですけど、Tiaraちゃんとは表現の仕方が全然違ってて。Tiaraちゃんが「もう優しくなんてしないで」っていう女子だとしたら、私は「飲んだ帰りしか電話してこないじゃん！」って（笑）。

Tiara　あ、それ「じゃあね。」って曲？

傳田　あ、ピンと来ちゃった？

──本当にアプローチが好対照ですね。

Tiara　そうなんです。キャラで分けるなら、私が草食系で真央ちゃんは肉食系？

傳田　あははは（笑）。そうなるのかなー。

──ちなみに幸せな恋愛と苦しい恋愛では、どっちが書いててノリますか？　

Tiara　それは苦しい恋愛ですよ。感情がすごくあふれ出るのは断然そっち。

傳田　私も。どっちかというと楽しいことより嫌なこと、幸せなことより痛みのほうが人って感じやすいから、そういうもののほうがインスピレーションもいっぱい湧いてくるんですよね。失恋後や男にひどい仕打ちを受けたときのほうが、怒りや悲しさ、「でも好きだし！」っていう、いろんな何かが込み上げてくる（笑）。

Tiara　うん、わかるなあ。

「シングルベル」は去年の実体験

──改めて、お互いの楽曲の魅力やアーティストとして好きな部分も教えてください。

Tiara　真央ちゃんはもう神ですよ。私にとって恋愛の教祖というか、恋のバイブル的な感じでいつも聴かせていただいてます。1曲1曲、どれも本当に学ぶことが多くて。

傳田　いやいや。私は自分が割とダメな恋の歌を描くことが多いから、Tiaraちゃんの曲は「これぞ愛すべき女子の姿だな」って。歌詞や歌声も含めて本当に心洗われるような純粋な女の子像をまっすぐ表現しているから、私は自分の考えが凝り固まったり、「ダメだ、最近かわいくない女子だ」って思ったときにTiaraちゃんの曲を聴きたくなる。

Tiara　本当？ それ、うれしいな。

──Tiaraさんのニューアルバム「Emotion」にも、さまざまな恋の物語が詰まっていて。これらは、ご自身を含む12人の女性シンガーソングライターの書き下ろしなんですよね。

Tiara　はい。大先輩の方々の歌詞を読むと「なるほど」って思わせられるフレーズがいっぱいあって、レコーディングしてるときも「なんて贅沢なんだろう！」って思ってました。

──一方の傳田さんも11月28日に配信シングル「シングルベル」を発表します。

Tiara　……えっ？ 「シングルベル」？（笑）

傳田　あ、気付いちゃった？ ついにそういうところまで来てしまいました（笑）。この曲は去年の私の実体験が元になった、かなり切ないナンバーになってますね。

Tiara　（歌詞を見ながら）いやあ、泣けるね。でもこれ、同じような思いをしてるもきっといっぱいいるんだろうな。

傳田　うん。だからそういう人にぜひ共感してもらえたらなって。

「男子の皆さん、女子へのクリスマスの準備はお早めに！」

──では最後に、お2人から世の恋する男女に向けてメッセージをお願いします。

Tiara　私たちも一般の方々と同じように普通に恋愛をしてるし、曲も日々いろんなことを感じたり悩んだりしてる中から生まれたものがほとんどなんです。そうやってひとりの女性として普通に感じたことをこれからも曲にしていきたいし、そこに共鳴してもらえたらうれしいなと思います。特に私は本当に恋愛がダメダメなので（笑）、女性の皆さんには「みんな一緒だよ」って思いで作ってたりもします。

傳田　じゃあ私は男性へのメッセージを。めちゃめちゃ現実的な話になるんですけど、そろそろクリスマスに向けて女子をどう接待するか予定を考え始めてください！ レストランとかホテルを予約するなら1週間前じゃ遅いんです！

Tiara　あはははは！（笑） でもそれ、意外とやっちゃいがちなミスだから大事だよね。

傳田　そう。世の中の彼女がいる男性の皆さん、そのへんの準備は早めが基本ですよ（笑）。