THE YELLOW MONKEY「9999」 PR

THE YELLOW MONKEY|4人が語る2019年のTHE YELLOW MONKEY

THE YELLOW MONKEYが19年ぶりのオリジナルアルバム「9999」を4月17日にリリースすることを記念し、音楽ナタリーでは2回にわたる特集を展開中(参照:THE YELLOW MONKEY「9999」特集|5つのキーワードから見る2019年のTHE YELLOW MONKEY)。2回目となる本記事ではアメリカ・ロサンゼルスでのレコーディングを経てアルバムを完成させた、メンバー4人へのインタビューを掲載する。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 後藤倫人

THE YELLOW MONKEY

「同じパンツを交換し合う関係」!?

──19年ぶりのニューアルバム「9999」、素晴らしいです。THE YELLOW MONKEYの新しい傑作であることはもちろん、2010年代を代表するロックの名盤だなと。まずはメンバーの皆さんの手応えを聞かせてもらえますか?

廣瀬洋一(B・以下、ヒーセ) 手応えはありますよ、すごく。再集結からの3年間をすべて詰め込むことができたし、変な言い方ですけど、一生懸命やってきてよかったなと(笑)。

菊地英二(Dr・以下、アニー) ハハハハ(笑)。

ヒーセ でも、ホントにそうなんですよ。毎回毎回、目の前にあるミッションに取り組んで、その都度ベストを尽くしてきたからこそ、このアルバムができたと思うので。

アニー それくらいの手応えがないと、アルバムは出しちゃいけないと思ってましたからね。再集結したからといって、おいそれと新しいアルバムは出せなかったし、だからこそここまで長引いたので。集まってすぐに「じゃあ、出しちゃおうか」というわけにはいかないじゃないですか。

吉井和哉(Vo, G・以下、吉井) なんだよ、その言い方(笑)。

菊地英二(Dr)

アニー (笑)。納得できるまでじっくり作りたかったというのかな。再集結した最初の頃は、自分たちがどういう音を出せるのか把握できてなかったし、どんな音を求められているかもわかってなくて。ツアーをやりながら自分たちのグルーヴを確認し合って、少しずつ制作を進めて。「これが今のTHE YELLOW MONKEYの音だ」と確信できるまではアルバムは出せなかったんですよね、やっぱり。1年前だと違っていただろうし、これが今の自分たちの音なので。

吉井 試行錯誤の3年間でしたからね。今アニーが言ったように、再集結した直後はけっこう大変だったし、サウンドも固まってなくて。でも、THE YELLOW MONKEYのサウンドの中にある独特の匂いはずっとあったし、それはアレンジの形態や表現方法が変わっても、生き続けていたんですよね。その最新版が今回のアルバムだし、自分たちにとってもすごい財産だなと。大成功ですね。

──“THE YELLOW MONKEYの独特の匂いをアップデートした作品として提示する”ということは明確だったんですか?

吉井 そういう意識はあったというか、頭では理解していたつもりだったんだけど、アルバムができあがって、やっぱりそうだったんだなと。もう1つは、この4人の関係性がすべてということかな。メンバー同士が愛し合ってることに変わりはなかった……って、ヘンな関係じゃないですよ? そうじゃなくて、同じパンツを交換し合う関係というか。

ヒーセ “同じ釜の飯を食う”だね(笑)。

吉井 (笑)。とにかく4人の関係性が健全であれば、何をやってもうまくいくんですよね。奇跡のバンド、THE YELLOW MONKEY。ありがとう! グッナイ!

アニー 終わっちゃった(笑)。

菊地英昭(G・以下、エマ) (笑)。「9999」は再デビューアルバムみたいなものだし、最新のTHE YELLOW MONKEYが凝縮されてますよね。これまでにリリースされた楽曲はもちろん、新録した曲もあって、過去も未来も感じられる素晴らしいアルバムだなと思います。

LAでのレコーディング

──サウンドメイクも素晴らしいですね。色気と鋭さが両方あって、本当にカッコいい音だなと。

吉井 うん、いいですよね。LAに行った甲斐がありました。

アニー LAじゃなかったら、違う音になってたからね。

吉井 ケニー・タカハシという、The Black Keysとか有名なアーティストをたくさん手がけているエンジニアと一緒にやったんですよ。ガレージとグラムが混ざっていて、しかもサイケデリックで。そういう音で録ったことはなかったし、今のTHE YELLOW MOKEYのバンド感を表現できるんじゃないかなと。例えばThe Beatlesの音って、汚い美しさ、歪んだ美しさがあるでしょ? 原点回帰じゃないけど、そういう音を求めていたところもありますね。

──ボーカルも歪んでますよね。

吉井和哉(Vo, G)

吉井 うん。今の日本にはない音かもしれないけど、THE YELLOW MONKEYのルーツにあるサウンドだと思うしね。LAで録ることは最初から決めていたわけではないんですよ、実は。去年の夏、「この恋のかけら」を土屋昌巳さんのプロデュースでレコーディングしていたときに、メンバーと話して「アメリカで録らない?」ということになって。急遽、ケニーにオファーしたんです。彼のスケジュールが取れて、たまたまスタジオも空いてたんだけど、それがラッキーでしたね。だって、そんなギリギリでアポを取るバンドなんていないだろうから(笑)。連絡したのはレコーディングの前々月くらいだからね。行き当たりばったりではないけど、引きが強いんだと思います。いい環境で4人の音を録りたいという気持ちも強かったし……特にドラムの音がいいよね。

アニー LAに行かなければ録れなかった音だと思います。良し悪しではないんだけど、日本でレコーディングするとどうしても緻密になるんですよ。LAは解放的だし、スタジオの音自体も乾いていて、残響音も有機的なんです。とにかく音がいいから、細かいことを考えすぎず、アンサンブルに任せられるというか。大きくものを捉えられるし、木を見るんじゃなくて、森を見ながら演奏できるんですよね。この音ありきのアンサンブルであり、グルーヴだなと。

吉井 空港の外に出た瞬間からうるさいんですよ、LAは。人の声もそうだし、車の騒音とか、とにかく物音がデカい。こっちもだんだん麻痺してきて、細かい音が聴けなくなってくるんですよ。以前、日本で作ったデモ音源をアメリカでかけたことがあるんだけど、「ドラムが入ってない」と思っちゃって(笑)。

エマ ハハハハハ(笑)。

吉井 そういう環境の変化は演奏にも出ますよね。