THE BEAT GARDEN×鈴木伸之が初対面!「自転車屋さんの高橋くん」OP&EDテーマの魅力語る (3/3)

鈴木伸之の恋愛観を本気でぶつけた1曲

──THE BEAT GARDENが曲を作って、鈴木さんが歌と歌詞を担う曲も聴いてみたいです。

鈴木 それは恐れ多いですよ!

MASATO 僕らはいつでもやりたいです(笑)。

U 鈴木さんが言いたいことをつづった歌を書いてみてほしい。鈴木さんなら、思ったことを細工せずに書いたら、思いが伝わる歌詞になると思います。あと鈴木さんの恋愛観を本気でぶつけた1曲を聴いてみたいです。鈴木さんがつらつらと箇条書きで書いたものに一緒にメロディを付けるのも面白いと思うし。

──今日はすごく貴重な、プロフェッショナル同士の会話を伺えたと思っています。

U いやいや、鈴木さんはともかく、僕らはただの兄ちゃんたちなので(笑)。本当にただの友達同士ですから。

MASATO 僕、実は鈴木さんと同じボーカルオーディション(「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 ~夢を持った若者達へ~」)を受けていて。

鈴木 そうなんですか! どちらの会場でした?

MASATO 大阪です。2次で落ちました。

鈴木 一緒です。僕も2次で落ちて、そこから俳優の方向にいったんです。当時、焼き肉屋でバイトをしていたんですけど、見たことのない番号から電話がかかってきて、「EXPGという養成学校に通ってみませんか?」というお話をもらって。そこで、俳優のオーディションを受けて合格したんです。

MASATO じゃあ、俳優オーディションを受けられたときは、演技は未経験だったんですね。

鈴木 そうなんです。未経験だったし、興味もなかったんです、実は。やっぱり、当時は17歳なりに「歌を歌いたい」と思っていたし、でも、2次試験で落ちた以上、「歌の才能はないんだ」と言われたような気分でいたし……そんな中で声をかけていただいたんです。オーディションを受ける前は「ここで合格して、俺はすごいことになるんじゃないか?」みたいな想像をするものじゃないですか。

MASATO わかります。

MASATO

MASATO

鈴木 でも落ちたことで歌の道は閉ざされてしまって、「ああ、何もない、いつもの日常に戻るのか」と思っていて。そんなときに話をもらったので、「わからないけど、飛び込んでみよう!」という感じでした。最初の仕事は舞台だったんですけど、ずっと怒られていたし、僕自身「俳優は別にやりたくないのにな」と思いながら怒られているような状況で。

MASATO めちゃくちゃキツいですね……。

鈴木 でも、舞台の千秋楽で、大の大人たちがそれぞれの得意なものを持ち寄って1つのものを作り上げる姿を目の当たりにして、「エンタメって素敵なものなんだな」と思ったんです。そこから「いい作品を作れるように」とか、「自分が参加した作品に少しでもいい影響を与えられる人になりたい」と思うようになって、今まで続いています。

NAOTOとTAKAHIROにデモを渡して

U 僕らは大阪でグループを結成して、上京する時点で今の事務所に所属したいという思いはあったんですよ。でも、MASATOが「どうしてもLDHさんに行かないと納得できない!」と言うもんで、中目黒のLDHさんの事務所に3人で行ったんです。で、ちゃんと警備員さんに止められて(笑)。

鈴木 (笑)。

U でも、外に出たらNAOTOさんとTAKAHIROさんにバッタリお会いできて、僕らのデモテープを渡したんです。そうしたらTAKAHIROさんが粋で、車で僕らのCDを流しながら帰っていったんですよ。

鈴木 すごい話ですね! でも、そこでCDを渡すくらい、本気だったということですよね。……やっぱり、あきらめないことって大事ですね。

MASATO うん、本当にそう思います。

鈴木 続けることって本当に大事だなと思う。

──では最後に、お互いに何かメッセージがあればお願いします。

鈴木 僕は今年30歳になったんですけど、今までは人との出会いや縁を、そこまで意識してこなかったんです。でも、歳を重ねるにつれて1つひとつの作品や人との縁を大切にしなきゃいけないんだなと、どんどん気付いて。ここまでお互いにまったく違う人生を歩んできましたけど、こうして出会えたので、この先もっともっといい形で、お互い切磋琢磨していきたいです。「あのとき出会えてよかったな」と思える何かに結び付けていけたら最高だなと思います。

U ありがとうございます。僕はこれまで作品を通して鈴木さんを見てきて、「カッコいいし、最高だな」と思ってきましたけど、やっぱり、素敵な人は直接会うともっと素敵だなと今日思いました。「フタリノリ」を聴いたときに感じた鈴木さんの人柄と重なりました。もっとしゃべりたいですし、内側を見れば見るほど、素敵な方なんだろうなと思います。僕らは常勝軍団じゃないですけど、だからこそ、あきらめないことやまっすぐ生きることを、鈴木さんと同じように大事にしていきたいです。

REI 僕らの初めての作品は、鈴木さんの「フタリノリ」のようにクオリティの高いものではなかったし、ここまで説得力のある歌を歌えていなかったんです。デビュー曲にして「フタリノリ」という曲を歌えるのはすごいことだなと。さっき続けることの大切さの話がありましたけど、この先、また一緒に音楽で何かできたら最高だなと思いますね。

REI

REI

MASATO 今日お話させてもらって、俳優という角度から見たときのアーティストのあり方について気付かされることがたくさんあって。この先に生かすことができる学びがたくさんありました。そのことにものすごく感謝しています。それと今日こうやってご本人にお会いできて、お話もたくさん聞けたので、残りの「高橋くん」を見るのがすごく楽しみになりましたね。

THE BEAT GARDENと鈴木伸之。

THE BEAT GARDENと鈴木伸之。

※記事初出時、本文に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

プロフィール

THE BEAT GARDEN(ビートガーデン)

大阪の専門学校で知り合ったU、MASATO、REIからなる3人組ボーカルユニット。EDR(エレクトリックダンスロック)という音楽スタイルを掲げ、東京を中心に活動している。2015年に1stフルアルバム「WILL」をリリースし、2016年7月にユニバーサルシグマよりシングル「Never End」でメジャーデビュー。その後もコンスタントにリリースを重ね、2017年8月に「I'm」、2019年3月に「メッセージ」とアルバムを発表。2020年1月に東京・新木場STUDIO COASTでのワンマンライブを成功させた。結成10周年を迎えた2022年の8月4日にドラマ「六本木クラス」の挿入歌「Start Over」、11月にドラマ「自転車屋さんの高橋くん」のオープニングテーマ「初めて恋をするように」を配信リリースした。

鈴木伸之(スズキノブユキ)

1992年10月14日生まれ、神奈川県出身。2010年に「第3回劇団EXILEオーディション」に合格し、俳優としての活動を始める。主な出演作は映画「桐島、部活やめるってよ」「東京喰種 トーキョーグール」「劇場版ラジエーションハウス 」や、ドラマ「ファーストペンギン!」「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~ 」「ケイ×ヤクーあぶない相棒ー」「今日から俺は!!」など。2022年秋放送のテレビ東京系のドラマ「自転車屋さんの高橋くん」では主演を務めた。同年10月にこのドラマのエンディングテーマ「フタリノリ」を配信リリースし、歌手デビューを果たした。

2023年1月6日更新