「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」世界&佐藤大樹(EXILE、FANTASTICS)がファンと初心者それぞれの視点で魅力語る (2/2)

「世界さんって、実は悪い人なのかな?」と思わせてみたい

──さて、世界さんは今回「劇場版 転スラ」で、声優に初挑戦されています(参照:EXILE・世界、劇場版「転スラ」で声優初挑戦「飛び込む気持ちで臨みました」)。改めてこのお話が決まったときの心境を教えてください。

世界 いやあ……もう「ビッグチャーンス!」と思いました。

佐藤 あははは。

世界 素直に感謝の気持ちと、「あの世界の中でリムルたちと関われるんだ」というファンとしての喜びと、「失礼のないようにしないとな」という身の引き締まる思いと……声優はこれが初挑戦になるので、デビュー作が「転スラ」になるというのはすごく光栄なことですし、10年後くらいに「世界の声優デビュー作はあれだったんだよ」と観てくださった方の間で語り草になってくれたらいいなというふうにも思いましたね。

世界

世界

──アフレコはスムーズに進みました?

世界 そうですね。アフレコ自体はスムーズと言えばスムーズに進みはしたんですが、やっぱりまだ全然慣れないので、録ったものをオフラインで観たときはめちゃめちゃ「やり直したい!」と思いました。

佐藤 それ、すごくわかります!

世界 あるでしょ? 周りの声優さんからも「それはあるあるだよ」と言われました。

佐藤 僕も声優をやらせていただいたことがあるので、すごくわかりますね。「録り直したいな」って落ち込むことのほうが多いです。

世界 似たようなことはミュージックビデオの撮影でもあるし、常にありますね。

佐藤 ただ、意外と気にしているのは本人だけだったりもするんですけどね。観る人は誰も気にしてない(笑)。

世界 それも含めてあるあるですね。

──世界さんの声優挑戦を知ったとき、大樹さんはどんなふうに思いました?

佐藤 それはもう、「めちゃくちゃおめでとうございます!」って気持ちでした。世界さんがずっとやりたがっていたことなのは知っていましたし、自分も世界さんの声の引き出しの多さ、表現力の高さをよく知っていたので、「ついに決まったか!」と。

──実際に映画で世界さんの声のお芝居を観た感想もぜひ教えてください。

佐藤 映画の中で最初に声を聞いたとき、僕は世界さんだとわからなかったんですよ。アニメの世界に自然に溶け込んでいたから、「これはもう声優さんだな」と思いました。

世界 やめてよ、ハードル上げるの。怖いなあ。

佐藤 あははは。

──今後、声優としてやってみたい役柄などはありますか?

世界 そうですね……僕はけっこうアニメでもドラマでも悪役に惹かれるところがあるので、悪役はぜひやってみたいなと思いますね。それも、めちゃめちゃ悪い人を演じてみたいです。やっぱり普段がいい人なんで……。

佐藤 それ、自分で言わないほうが(笑)。

世界 悪役を演じることで、観た人に「世界さんって、実は悪い人なのかな?」と思わせてみたい気持ちはありますね。普段の僕は完璧すぎるんで。

佐藤 それも自分で言わないほうがいいですね(笑)。でも、確かに悪役は似合うと思います。戦隊モノで言えばブラックとかシルバーみたいな、敵なのか味方なのかよくわからないような役だったりとか。

佐藤大樹

佐藤大樹

世界 ああ、追加戦士の話? なるほどね。でも、特撮だったら怪人がやりたいんだよな。

佐藤 怪人なんですね(笑)。

世界 「ヒーロー諸君!」とか上から目線で言いたい。それで言うと、関智一さんのような立ち位置が理想ですね。僕のやりたい役を全部やっているんですよ。スネ夫もやって、ドモン(・カッシュ)やイザーク(・ジュール)としてガンダムにも乗って、特撮の悪人もやって。うらやましいなあと思いますね。

──少年も大人も二枚目も三枚目もできて、さらにはマスコットキャラ的な役もやられている。

佐藤 オールマイティですね!

──声優としては、ポスト関智一を狙いたい?

世界 いや、そんなことを言ったら各方面から石を投げられます(笑)。もちろん憧れは抱いていますけどね。アニメ然とした極端なお芝居もドラマっぽいナチュラルなお芝居も両方できて、役者としては見習うべき部分がたくさんある方だなと思っています。

ライブの演出で参考になりそう

──「劇場版 転スラ」を通じて、大樹さんは今後のアニメとの向き合い方に変化がありそうですか?

佐藤 そうですね、シリーズを観ていなくても劇場版は楽しめるんだということがわかったので。普段あまりアニメを観ない方だと「いきなり途中から入るのはハードルが高そう」と苦手意識を持つ人もいると思うんですけど、そういう人たちに僕が率先して「大丈夫だよ」と伝えていきたいなと思います。あと、ジャンルは違っても同じエンタテインメントとして共通する部分はたくさんあるなと感じたので、例えば自分がライブなどを作っていくうえでも演出で参考になる部分は多そうだなと。アニメに限らずですが、変に苦手意識を持つのではなく、まずは触れてみることを意識していこうと思いました。

──世界さんにオススメのアニメ作品を教えてもらったりしながら?

佐藤 いや、世界さんに聞き始めたら止まらないですから。全部観ないといけなくなっちゃう(笑)。

世界 そうね。

世界

世界

──(笑)。その世界さんですが、2年ほど前にお話を伺った際、ちょうどその頃にTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEの川村壱馬さんとアニメの話をするようになったとおっしゃっていまして。

世界 ああ、はい。

──その後、LDH内にアニメ仲間が増えたりはしていますか?

世界 増えてはいないですね。増えてないし、あまり増やそうとも思っていなくて。いっぱいいると疲れちゃうから(笑)、2人くらいで十分かなと。

佐藤 (笑)。

同じ家に住んでいた2人の“絆エピソード”

──ちょっと余談っぽくなりますが、「紅蓮の絆編」にちなんでお二人の“絆エピソード”を伺えたらと思うんですけども……。

世界 絆エピソード(笑)。

──映画ではヒイロとベニマル、トワとヒイロ、リムルとテンペストの仲間たち、いろいろな絆が描かれています。そこにお二人を当てはめるとしたら、どの“絆コンビ”になりますか?

世界 それはもう、僕がヒイロで大樹がベニマルですよ。

佐藤 逆じゃなくてですか?

世界 僕のほうが兄者ですから。

佐藤 あ、そうか(笑)。

世界 ヒイロがよかった?

佐藤 個人的に、ヒイロのほうが好きだなって。

世界 ヒイロの要素ないぞ? 基本的に僕がいつも助けてるんで。大樹には負けたこともないですしね。いつも僕が勝ちます。

佐藤 争ったこともないですけどね(笑)。

世界 リアルに言うなら……関係性的には大樹がシオンで、僕がリムルみたいなときもありますね。

佐藤 シオン……? あ! あのおっぱいの子?

世界 その認識で間違ってはいない(笑)。

左からベニマル、シュナ、シオン。

左からベニマル、シュナ、シオン。

──「リムルさま、好き好きー」という感じのキャラクターですよね。大樹さんも普段から「世界さん、好き好きー」という感じなんですか?

世界 そうですね。

佐藤 あははは!

世界 基本的にはそれで成り立っているんで。

佐藤 僕ら、2人で2年半くらい同じ家に住んでいたんですよ。基本的に、お互いの部屋にこもっていることがまずなくて。リビングにテレビを2台置いて、世界さんはゲームをして、僕はバラエティやドラマばかり観ているみたいな。「おはよう」から「おやすみ」まで一緒のリビングにいました。お互いの生活リズムは違ったんですけど、僕が家事をして、ゴミを玄関にまとめておくと次の日に世界さんがゴミ出しをしてくれるみたいなルーティーンができあがっていて。それが全然苦じゃなかったんですよね。

佐藤大樹

佐藤大樹

世界 うん。

佐藤 言わずもがなで役割分担ができていたというところで、絆を感じていました。あと、世界さんはよくごはんを作ってくれたんですよ。僕はまったく料理をしないんですけど……。

──ちなみに、シオンはものすごく料理がヘタなキャラクターです。

佐藤 一緒じゃないですか! じゃあ僕、完全にシオンですね。

世界 でもね、キャラクター同士の関係性を抜きにして人間性の部分だけで言うなら、大樹はベニマル要素が強いと思うな。

佐藤 へえ?

世界 リーダーシップを取ってくれるんで。それも、リーダーだけの力で引っ張っていくタイプじゃなくて、周りを頼ることができるリーダー。ベニマルも周りにいる仲間たちがみんな優秀だからこそ成り立っている部分があると思うんですけど、そういうところが似てると思いますね。あと、仲間のために頭を下げられるところはヒイロっぽいかもしれない。変なプライドがないというか、人のためを思って動ける人です。……けど、本性はディアブロくらい黒い。

佐藤 あははは。でも、このディアブロってキャラが出てきたときはちょっと惹かれたんだよなあ。カッコいいなって。

──ディアブロは世界に七柱しかいない原初の悪魔で、かなり強大な存在なんですけど、リムルからは軽くあしらわれがちなキャラクターです。

世界 そういう意味では、僕と大樹はリムルとディアブロかもしれないですね。

佐藤 (笑)。

左から世界、佐藤大樹。

左から世界、佐藤大樹。

プロフィール

世界(セカイ)

1991年2月21日生まれ、神奈川県出身。2014年4月にEXILEにパフォーマーとして加入。2016年末からはFANTASTICSのリーダーとしても活動し、2018年12月にFANTASTICS from EXILE TRIBEとしてシングル「OVER DRIVE」でメジャーデビューを果たした。FANTASTICSはニューシングル「Choo Choo TRAIN」を11月16日にリリース。11月から12月にかけてライブツアー「FAN FAN STEP」を開催中。

佐藤大樹(サトウタイキ)

1995年1月25日生まれ、埼玉県出身。2011年にFUNKY MONKEY BABYS「ラブレター」のミュージックビデオで俳優デビュー。2014年にEXILEにパフォーマーとして加入し、2017年からはFANTASTICSのリーダーとしても活動を始める。俳優としての主な出演作はドラマ「シュガーレス」「俺たちの明日」「ワイルド・ヒーローズ」「liar」「HiGH&LOW」シリーズなど。現在読売テレビ・日本テレビ系で放送中のドラマ「Sister」に羽瀬昊汰役で出演している。