TENSONG|コロナ禍生まれTikTok育ち、等身大で“アーティストミマン”な3人組の挑戦 (2/2)

素直に、欲望のままに生きたら、こういう歌ができました

──ここからは最新曲「コイビトミマン」について伺っていきます。歌の存在感が強くて、ちゃんと言葉が耳に入ってくるし、バックトラックもシンプルだけど主張が感じられる。トータルですごくいい曲だなと思いました。

たか坊 ありがとうございます! レコーディングのときは「ここはこういう歌い方のほうがいい」とディレクションがあったんですけど、当時はその意味が理解できなくて。でも、完成した音源を聴いてようやく理解できました。自分の過去の恋愛をもとに書いた曲なんですけど、歌詞の題材にした子のことが本当に好きで……もう付き合えないんだとわかったときに「自分の体なんてあげるから、愛が欲しい」と思ってしまったんです。

──恋愛するうえで、こういう感情は誰もが経験するんじゃないかと思うんです。

たか坊 確かに。男女問わず、多くの人が経験したことがあるからこそ、共感や同情という感情をみんなに提供できると思うんです。

TENSONG

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──歌詞のつづり方や言葉選びも、初期の楽曲と比べてどんどん洗練されている印象があります。最近の「JUST FOR FUN」(2022年12月配信)や「らいぶ」(2023年2月配信)あたりから、そのへん磨きがかかってきた気がしますが。

たか坊 僕の中では「有難う」(2022年9月配信)ぐらいから変わってきていて。この頃から「ここはこうなんじゃないか?」とかディスカッションする機会が増えて、自分が書いた歌詞に対して拓まんやアルフィの客観的な意見が反映されるようになったんです。

拓まん 彼のワードチョイスを崩すというか、ちょっと違う視点から「こういうふうに言い換えたほうがいいんじゃない?」と手助けしてあげて。

アルフィ 修正するとかそういうことではないんだよね。

拓まん そう。特に「JUST FOR FUN」は歌詞がガラッと変わったと思います。たか坊の書く歌詞って、それまでは応援歌っぽいものが多くて。でも、今回の「コイビトミマン」含め、こういうパーソナルな歌詞もいいんじゃないかと思っていたので、そういった意味でも僕たちの声が反映されるようになったのは、TENSONGにとってプラスにつながっているんじゃないかと思います。

10年先も変わらず“アーティストミマン”のままで

──このインタビューが掲載される頃には、2月18日に始まった47都道府県ツアーも終盤に突入。そして、8月19日にはKT Zepp Yokohamaでのワンマンライブも控えています。

アルフィ ツアーの手応えは……正直わからないんですけど(笑)、ただ最近ライブをやっていて思うのは、楽しいのが一番ということ。楽しめているということは、技術的にもちょっとずつ成長できているのかなと感じています。

たか坊 個人的には手応えというよりも、ライブが終わったあとお客さんをみんな笑顔にできているという自信はあるかな。そういう意味では、Zeppワンマンが決まったときは「2000人ものお客さんを集めないといけない」というプレッシャーを感じていたけど、今はまったくないです。自分たちがいいライブをしていれば人は自然に集まってくると思っているので、そのためにも今は自分たちがやるべきことをやればいいだけ。目の前の1つひとつのライブをちゃんとやっていくだけです。

拓まん たか坊が言うように、自信がついてきたというのは間違いないですし、不安要素もどんどん減ってきている。でも、それと同じくらい課題もどんどん増えているんですよ。次の公演でいくつ課題をクリアできるのか、そしてクリアしてもまた新たな課題が生まれるのかと心配なこともありますが、課題が増えるというのはそれだけ自分たちのレベルも上がっているからこそなわけで。そこはポジティブに捉えて、Zeppでは「これがTENSONGのライブです!」というものを見せたれたらと思います。

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──では、Zeppワンマンを終えたあとのTENSONGの目標は?

拓まん 47都道府県対バンツアーとZeppワンマンを終えたあと、僕は47都道府県でワンマンをやりたいと思っているんですが、現実的には20カ所くらいが妥当なのかな。もちろん、それだけの数のワンマンができるだけでもすごいことだと思うので、できるだけ多くの場所でワンマンライブができるようになりたいです。

アルフィ 僕は学校訪問みたいなことをやりたいと前々から言っていて。TENSONGのファンって中高生が中心で、お小遣いの中からライブ代を捻出するのも大変だと思うんです。だったら、僕たちのほうから学校までみんなに会いに行って、ライブができたらベストなんじゃないかな。

たか坊 今2人からそういう意見を初めて聞いたので、うれしいですね。僕はさっきも言ったように、等身大でみんな肩を並べてという、アットホームで誰もが来やすいライブを続けていけたら最高かな。それが僕らには合っているし、10年先も変わらず“アーティストミマン”のままでいられたら僕ららしいのかなと思っています。

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ライブ情報

TENSONG ワンマンライブ「アーティストミマン」

2023年8月19日(土)神奈川県 KT Zepp Yokohama


TENSONG公式ファンクラブ「TENSONG Family」先行受付期間
VIP会員:2023年5月20日(土)10:00~5月21日(日)23:59
一般会員:2023年5月24日(水)10:00~6月4日(日)23:59

ファミリーマート先行受付期間
2023年6月12日(月)12:00~7月2日(日)23:59

一般発売
2023年7月15日(土)10:00~8月18日(金)23:59

プロフィール

TENSONG(テンソング)

たか坊(Vo)、拓まん(G)、アルフィ(DJ)の3人により2020年4月に結成。TikTokへのカバー曲の投稿を始め、同年9月には初のオリジナル楽曲「たいして綺麗でもない僕らの世界」を配信リリース。以降コンスタントにオリジナル楽曲を発表し、結成から2年で SNSでの総フォロワー数は100万人を超え、SNSの総再生回数は1億回再生を突破した。2023年2月には全国47都道府県を回る対バンツアー「~JUST FOR FUN 2023~」を開始。5月に18作目となる配信シングル「コイビトミマン」をリリースした。8月には神奈川・KT Zepp Yokohamaで初のワンマンライブ「アーティストミマン」を行う。