天才バンド&ワンダフルボーイズ特集 Sundayカミデ×奇妙礼太郎|ハプニングさえも歌にする2人の即興力

ワンダフルボーイズの音源を奇妙は聴いていなかった

──「ロミオとジュリエット」と同日にワンダフルボーイズの「ロックロックロックジェネレーションSUPERVERSION!!!」もリリースされます。奇妙さんは、聴きましたか?

奇妙 聴いてないんですよ(笑)。

Sunday 聴いてないですよね、だって渡してないから(笑)。でも、どこかしらで聴く機会はあるんじゃないですか。それくらいがちょうどいい。例えば僕も奇妙礼太郎トラベルスイング楽団を音源で聴くというより、ライブを観るという感じなので。クリスマスのときにお互いのCDをプレゼントするくらいでいいんじゃないですかね(笑)。

左から奇妙礼太郎、Sundayカミデ。

奇妙 僕はそもそも音楽をあまり聴かないし、バンドもただ単に目立ちたいから始めて。いろんな人のインタビューを読んだり、ライブで一緒になったバンドの人とかと話すと、みんなすごく音楽のいろんなことを知っていて。うらやましいなあと思うし、自分も音楽の仕事をしてるから、そうじゃなきゃあかんのかなと、デッカいスピーカーを買ってみたり、レコードをいっぱい買ったりしてみたり。ヒロト(甲本ヒロト / ザ・クロマニヨンズ)とマーシー(真島昌利 / ザ・クロマニヨンズ)のインタビューを読んだらレコードの話をしていて、楽しそうだなあと思ったから。

Sunday でも俺にレコードプレイヤーとレコードをくれたもんね(笑)。俺もレコードとかは自分がDJをする前提がないと聴かないかも。

奇妙 Sundayさん、DJでかけ終わったレコードをフロアに投げてましたもんね(笑)。

Sunday 全部投げた(笑)。スナップが利きすぎて危なかったのでやめましたけど。

奇妙 この人、DJの前に後輩に100円のレコードだけ買わせに行かせるんですよ。自分で選ばない。そのレコードをかけて「違う!」と思ったら、止めて、投げるっていうことをやってた(笑)。

青山交差点ジャイアントスイング事件

──「ロックロックロックジェネレーションSUPERVERSION!!!」はライブが楽しみになるような内容で、「ロミオとジュリエット」と共鳴する部分も多いなと思いました。

Sunday ワンダフルボーイズは僕に起こった出来事だけを曲にしてます。今回のアルバムは2003年から2004年に東京であったことを曲にしようと思ったんです。曲にできなかったことはスキットで語るみたいな(笑)。「南青山CLUB fay」は、南青山CLUB fayで僕が主催イベントを開催した夜に起こった出来事を語るっていう。

──スキットの内容には笑うんだけど、ジャズファンクなテイストのインストのオケはすごくクールで。

Sundayカミデ

Sunday イベント中に女性ボーカリストの楽屋に革ジャンを着ためっちゃイキってる奴が入ってきて、その女性に抱き付いてるという報告がありまして。「好きやったらええやん」って言ったんですけど、「いや、Sundayさんに助けを求めてます」と。それで楽屋に行ったら彼女1人しかいなくて。で、犯人をフロアに捜しに行って、見つけて地上まで引っ張り上げて、青山の交差点で両足をつかんでジャイアントスイングみたいな感じでぶん回してやりました。という出来事をスキットで語ったのが「南青山CLUB fay」という曲ですね(笑)。

──2003年から2004年にかけてめっちゃ濃い出来事があったんですね。

Sunday 東京でイベントをやり始めて、「東京で勝負するのって大変やな」と思ってた時期で。

──アレンジはファンク、ソウル、AOR、アーバンなヒップホップ、レゲエ、ジャズ、ロッカバラードと相変わらず多彩で。歌われている出来事は過去だけど、サウンドはオンタイムな趣が強くなっています。

Sunday そうですね。僕にとって天才バンドとワンダフルボーイズの違いはそこにもあります。あと僕と奇妙くんはもともと出自が違うというか。昔、僕はA.S.Pというバンドでクラブをメインに活動していて、奇妙くんはアニメーションズというバンドでライブハウスを拠点にしていたんです。そんな僕らが交差した場所が、大阪のfireflyというクラブで。通ってきたジャンルやシーンは違うんだけど、違和感がないし、音楽的にも人間的にもめっちゃフィットするんです。天才バンドはその感覚だけでやってるところがありますね。

奇妙 僕は、昔からSundayさんが何をしていても好きなんで。

Sunday 言いすぎかな、それは(笑)。

天才バンド「ロミオとジュリエット」
2017年6月21日発売 / unBORDE
天才バンド「ロミオとジュリエット」

[CD+DVD]
5292円 / WPZL-31327~8

Amazon.co.jp

CD収録曲

-Track from Studio Recordings-

  1. DANCE MUSIC FOR ME!!~Acoustic ver.~
  2. BIG JOY
  3. 僕らのLove song
  4. 寿限無
  5. ロミオとジュリエット

-Track from Tour Recordings-

  1. firefly(恵比寿)
  2. Joy to the world!(恵比寿)
  3. 冷やしてる(名古屋)
  4. 足なおった(名古屋)
  5. ゲソ天(恵比寿)
  6. キス キス キス(恵比寿)
  7. 天王寺ガール(恵比寿)
  8. LOVESTORY(恵比寿)
  9. SHIBUYA STRUT(名古屋)
  10. ロッケンロールベイベー(恵比寿)
DVD収録内容

2017年2月東京・恵比寿LIQUIDROOM「諸君!ロックの秘密文書をこのクソみたいな世界から奪取せよ!ツアー2017」ファイナル公演

  1. DANCE MUSIC FOR ME!!
  2. SHIBUYA STRUT
  3. firefly
  4. 天王寺ガール
  5. ロックジェネレーション
  6. LOVESTORY
  7. BIG JOY
  8. Joy to the world!
  9. ダラダラ
  10. ロッケンロールベイベー
ワンダフルボーイズ「ロックロックロックジェネレーションSUPERVERSION!!!」
2017年6月21日発売 / WaikikiRecord
ワンダフルボーイズ「ロックロックロックジェネレーションSUPERVERSION!!!」

[CD]
2484円 / RDCA-1047

Amazon.co.jp

収録曲
  1. ロックジェネレーション!!!
  2. One music piano
  3. One music all right!!!
  4. 僕らParty in the sun
  5. 南青山CLUB fay
  6. STORY IN THE HOUSE!!!
  7. 惑星メイビー
  8. birthday(Skit feat.AZ.CATALPA)
  9. ダーリンno cry!!!
  10. ニーハオ in the house!!!
  11. Are you underground?
  12. FUNKYMICのラップ予言(Skit feat. FUNKYMIC)
  13. 夜のベイビーSpecial(feat. 田中幸輝from空きっ腹に酒 / FUNKYMIC)
  14. ダラダラ
  15. thank you for listening
  16. And Love

ライブ情報

天才バンド ワンマンツアー 2017「ロミオとジュリエット」
  • 2017年6月22日(木)北海道 札幌KRAPS HALL
  • 2017年6月23日(金)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
  • 2017年6月28日(水)福岡県 THE Voodoo Lounge
  • 2017年6月30日(金)広島県 CAVE-BE
  • 2017年7月1日(土)大阪府 Shangri-La
  • 2017年7月2日(日)愛知県 池下CLUB UPSET
  • 2017年7月7日(金)東京都 東京キネマ倶楽部
Love sofa tokyo
2017年7月9日(日)東京都 代官山UNIT
<出演者>
ワンダフルボーイズ / DJやついいちろう / Enjoy Music Club / マッカーサーアコンチ / CHAI
2017年7月9日(日)東京都 SALOON
<出演者>
奇妙礼太郎 / 清水アツシ / かみぬまゆうたろう / ジャパニーズCLUB / ナギラアツシのワンダフルワールド / DJ Kouhei'king'Nozaki / DJ アチャコプリーズ
天才バンド(テンサイバンド)
天才バンド
奇妙礼太郎(Vo, G)、テシマコージ(Dr)、ワンダフルボーイズのSundayカミデ(Cho, Piano, B)からなる3人組ロックバンド。「Sundayカミデが作った曲だけでアルバムを作る」という奇妙の提案をきっかけに2013年に始動し、「君が誰かの彼女になりくさっても」などのワンダフルボーイズのカバーを中心にした1stアルバム「アインとシュタイン」を2014年4月にリリースした。ユーモラスな掛け合いの中から即興曲を披露するなど独自のスタイルでライブを展開し、各地でファンを獲得する。2015年11月に2ndアルバム「アリスとテレス」で、unBORDEよりメジャーデビュー。2016年2月に東名阪ツアーを開催し、全公演でライブ録音および番場秀一監督によるライブ撮影を取り入れた。6月にこのツアーのライブ音源と、最終公演のライブ映像を含むアルバム「ロミオとジュリエット」をリリース。同月より今作のリリースツアーを開催し、7月7日に東京・東京キネマ倶楽部でファイナルを迎える。
ワンダフルボーイズ
ワンダフルボーイズ
レゲエやヒップホップ、ソウルなどの影響を感じさせる音楽と、実際に起きた出来事のみを歌詞にするスタイルからなる「マジであった事POPミュージック!」をコンセプトとしたバンド。天才バンドによるカバーで注目を集めた「君が誰かの彼女になりくさっても」を作詞作曲したSundayカミデ(Vo)を中心に、サポートメンバーを含め7人編成で活動している。2017年6月にニューアルバム「ロックロックロックジェネレーションSUPERVERSION!!!」をリリース。7月9日には東京・UNIT、SALOONの2会場で行われる、クラブイベントとライブハウスイベントを融合させたSundayカミデの主催企画「Love sofa tokyo」に出演する。