ナタリー PowerPush - 多和田えみ
裸のソウルが胸を打つ「Sweet Soul Love」完成 天然系歌姫が語る“エロくてスウィートなラブソング”とは?
誰かにとっての大事な1枚になってくれたら
──アルバムが完成してみて、多和田さん自身の満足感としてはどうですか?
いやーもう、たまらないですねえ。大好きッスって感じです。
──自分で聴きたいアルバムができた?
もう何回も聴いてます(笑)。すでに。
──自分で聴きたい作品ができるというのは大事なことですよね。
私の作品、というよりも、本当に素晴らしいアレンジャーさんだったりミュージシャンの方々だったりエンジニアさんだったり、みんなでピシッと同じ方向を目指してできあがったものなので。ホントに大好きですね。
──このアルバムをどういう人たちに届けていきたいと思いますか?
できるだけたくさんの人に届けたいです。今までソウルミュージックとかR&Bをあまり聴いてなかった人にも、私はこういう音楽が好きかもしれないって思ってもらえるきっかけになってくれたら最高ですよね。誰かにとっての大事な1枚になってくれるといいなって思います。
──年期の入ったソウルマニアにも喜ばれそうな、オヤジ殺しのアルバムでもあると思いますけどね。
おお(笑)。ぜひ聴いてほしいです。
──このジャケットの雰囲気で、今の多和田さんと同じぐらい、20代前半~中頃ぐらいの若い人たちが、大人のソウルミュージックとして手に取ることもあるんじゃないでしょうか。
そうなってくれるといいですねー。
──全国ツアーも3月24日からスタートしますが、今回は東京と、大阪と……。
東阪沖です。
──東名阪っぽい言い方ですが(笑)東京、大阪、沖縄の3カ所。昨年はジョイントツアーやイベント出演などはありましたが、ワンマンツアーは初めて?
そうですね。デビュー前にコンベンションツアーっていうのをやったんですよ。これも東阪沖でやったんですけど、このときはデビュー前なので映像も観ていただきつつ、ステージは30分とか40分くらいで。今回はガッツリワンマンだし、曲もあれからたくさん増えたし。
──ミニアルバムとしてリリースされたものだけで合計15曲になるし、それ以外にもありますからね。
めっちゃ楽しみにしてます。歌いまくりです。歌いまくりマクリスティな感じで。
──(笑)。今回はしゃべりまくりではないんですか?
ヘタしたらMCのが長いかも(笑)。いや、そんなことはないですけど。
──歌ってるときとしゃべってるときのギャップがありすぎるというのは、今回のインタビューでもよくわかりましたが(笑)周りの人やファンの方から言われませんか?
すいません。言われます。だいぶ言われます(笑)。
──はははは。
この間、お正月に沖縄に帰ったんですけど、父親に会うなり「えみはもっとMC勉強したほうがいいんじゃないの」って言われてしまいました(笑)。電話がかかってくるたびに、MCのことでチョコチョコ言われるんですよね、絶対。
──ツアーの締めくくりが地元沖縄になりますが、やっぱり地元は特別に気合いが入ったりしますか?
そうですね、やっぱり。どこも同じように意気込んでるんですけど、今まで積み重ねてきたものの根っこは、沖縄にあるから。それに友達もたくさんくるし。
──お父さんも見に来るし。
そうなんですよ。どうしようかなと思って。いろいろ話し方の本とか読んだり(笑)。
──ライブはいつものバンド編成ですか?
はい。「多和田えみ & The Soul Infinity」で。
──この音がライブでどう表現されるのか楽しみですね。ナタリーを読んでいる人にこのアルバムをこういう風に聴いてほしいとか、ライブはこういう風に観てほしいというメッセージがあったらぜひお願いしたいんですけど。
そうですね……もうとにかく、ソウルミュージックやR&Bというものが、思い切り気持ちいいものだと感じられるような作品ができました。ライブでもこのアルバムに込めたソウルを伝えることができたらなって思ってます。私もソウルミュージックに影響を受けた人としてその良さを伝えながら、自分の個性が自然に体から出てくるような、ナチュラルなステージにしたい。とにかくみんなで気持ちよくなれる、そういう音楽を届けていきたいですね。
CD収録曲
- Baby Come Close To Me
- Only Need A Little Light
- Do You Understand My Love
- 甘く甘くささやいて
- Turn Your Lights Down Low
多和田えみ(たわたえみ)
1984年生まれ、沖縄出身の女性シンガー。高校卒業後、カナダへの語学留学中に出会ったストリート・ジャズ・バンドで歌ったことをきっかけに、本格的に音楽を志す。帰国後に作詞作曲を開始し、2006年2月から沖縄県内のホテルやライブハウスを中心に積極的なライブ活動を展開。翌2007年にMSN/EMI ARTIST主催のオーディション決勝大会で、NYLON賞を受賞する。同年5月に沖縄限定シングル「ネガイノソラ」がリリースされ、好セールスを記録。その後もアントニオ・カルロス・ジョビンのトリビュートアルバム「ジョビニアーナ~愛と微笑みと花~」や、沖縄出身アーティストによるコンピ盤「琉球LOVERS ROCK」などに参加し、注目を集める。そして2008年4月、ミニアルバム「∞infinity∞」で待望のメジャーデビュー。ブルースやソウル、ジャズ、ファンクなどブラックミュージックから強く影響を受けたサウンドと、ときに激しく、ときに優しく聴き手に訴えかけるソウルフルな歌声が高く評価されている。