音楽ナタリー Power Push - たんこぶちん
結成10周年で打ち上げる節目の“ミサイル”
5人で作品を作りたい
──たんこぶちんは結成10年を迎えましたが、メンバーの年齢はまだ20歳か21歳なんですよね。この歳で10周年を迎えるバンドってそうそうないですよね(笑)。
MADOKA 自分たちでもビックリしているくらいです(笑)。最初は小学校の部活みたいな感じで、先輩に憧れて始めたバンドですから。町のお祭りに出て演奏するのが単純に楽しいって感じで始めたので、まずデビューできたこともビックリですし、こうやってみんなで10周年を迎えられて、バンドをやっててよかったなって。感慨深いです。
YURI 10年バンドをやってきて、本気で音楽と向き合う瞬間っていうのは、メンバーそれぞれ違うタイミングであったと思うんですけど、特に去年の1年間はみんながこれまで以上に自分自身とバンドに向き合った期間だと感じているんです。きっかけは今までで一番大きな会場でやった3月の東京・渋谷CLUB QUATTRO公演なんですけど、このときはライブのSEや構成をメンバーで一から考えていったんです。その後MADOKAを筆頭に5人だけで新曲を作ろうって空気になったり、みんなの意識が変わりましたね。
MADOKA たんこぶちんは高校生のときにデビューしていて、オリジナル曲はもちろんあるんですけど、作家さんに書いてもらうことが多くて。5人で曲をイチから作り上げるということをこれまであまりやってこなかったんです。でも5人で作品を作りたいし、作らなきゃいけないよねっていうことを3月のライブが終わったあとにみんなで話して。そこから少しずつ5人で足並みをそろえて歩いている感じがします。
──これからもバンドを続けていくために必要な気持ちの変化だったんですね。
MADOKA そうですね。最近は5人で作った新曲をライブでたくさんやっていて、ファンの方々の反響もいいので、いずれは自分たちだけで作った曲でアルバムが作りたいねって話しています。
私たちは負けない、私たちは大丈夫
──3形態あるうち、シングルのType-Bには10代最後のワンマンライブとして行われた渋谷CLUB QUATTRO公演の様子を収めたDVDが、Type-Cには20代最初のワンマンライブである東京・TSUTAYA O-WEST公演のライブ映像を収録したDVDが付属します。これらの見どころはどんなところですか?
YURI まず渋谷CLUB QUATTRO公演のライブは、これまでで一番大きい会場でのワンマンだったので、会場をちゃんと埋められるかなっていう不安もあったし、メンバーみんなでフライヤーを配って「ライブを観に来てください!」って宣伝をしたこともあって、5人の結束力が高まったライブでした。新曲も多く披露したので緊張感のある演奏シーンを楽しんでほしいですね。20代最初のワンマンの映像は、心なしか大人になって楽しそうに演奏する私たちの姿を観ていただけると思います。最後の「ドレミ FUN LIFE」では、デビュー当時の映像とシンクロさせながら演奏したんですけど、ライブ映像を観返してみて「成長したな」って自分たちでも思いました(笑)。
MADOKA 10代最後のライブでは「これから20代になるんだ」って意気込んでステージに立ったのを覚えています。2つの大事な節目のライブ、それぞれの違いを楽しんでもらいたいですね。
──結成から10年を振り返ってみて、特に印象的だった出来事はありますか?
YURI 今まで対バンなどでさまざまなバンドと出会ってきたんですけど、去年はいろんなバンドが解散したり、メンバーが脱退したりするのを間近で見てきた1年だったんですよね。そんな中で「私たちは大丈夫」って強く思ったし、このメンバーとならまだまだ大きくなれる自信がすごくあります。
MADOKA 10年を振り返るといろいろ印象的な出来事はたくさんあるんですけど、うれしかったこととか楽しかったライブより、思うようにいかなかったり、自分に負けてしまったりして悩んできた記憶の方が私の中では大きいんです。だからこそ10周年を迎えて、これからのたんこぶちんにすごく期待していますし、これまでの大事なライブを超えていくようないいライブをこれからしていこうと思っています。
──MADOKAさんの悩みとか葛藤はどういうものだったんですか?
MADOKA 歌についてのことですね。これも去年のことなんですが「もっとうまく歌わなきゃいけない」って自分を精神的に追い込んでいた時期があって。それで練習をたくさんしたら逆に今までのように歌えなくなって、自分がもともと持っていたよさを失ってしまったなって思ったんです。改めて自分自身と向き合って、自分の歌について考えたとき、頭で考えて上手に歌うことよりも、気持ちが一番大事だってことにやっと気が付いて。悩んで悩んで、実は今まで自分が歌って楽しいと思えていたことが正解だったんだってことにたどり着いたんです。今は自分の歌いたい歌がちょっとずつ見つかってきましたし、10周年を迎える前に自分なりの答えみたいなものを見つけられてよかったですね。
──HONOKAさんとNODOKAさんがこの10年を振り返って印象的だったことは?
HONOKA メンバー同士でぶつかったこともあったんですけど、私はたんこぶちんのみんなに会えたことがすごく大きなことなんだなって去年1年で思って。これからもお互い大切な人になるんだろうなって思いました。メンバーのことが大好きです!
NODOKA 私は去年1年間、別のバンドのサポートをやらせてもらったりする中で、対応力というか、ほかの人と音を合わせることをもっと身に付けたいと思うようになって。自分がたんこぶちんにとって今どういうポジションにいるのか、何をすべきなのかというのを、去年からすごく考え始めました。
──皆さん口々に昨年1年の変化を語られますね(笑)。それまでの9年というのは……。
MADOKA 去年が上京してから2年目だったんですけど、きっと濃すぎる1年だったんだと思います(笑)。上京1年目も濃かったんですけど、ライブやレコーディングに追われてあまり考える時間がなかったというか。去年は忙しい中でもそれぞれ音楽に向き合う時間とか、メンバー同士のコミュニケーションにかける時間もこれまで以上にあったから、みんな濃い1年を過ごしたんだと思います。
YURI さらに絆が深まったというか。悩んだときは誰かが助けてくれるし、このメンバーといると本当にがんばれるんです。
MADOKA 本当にそうだよね。これからも一緒にがんばろう。
- ニューシングル「遠距離恋愛爆撃ミサイル」2017年2月8日発売 / YAMAHA MUSIC COMMUNICATIONS
- Type-A [CD] 1000円 / YCCW-30061
- Type-B [CD+DVD] 3000円 / YCCW-30062/B
- Type-C [CD+DVD] 3000円 / YCCW-30063/B
CD収録曲
- 遠距離恋愛爆撃ミサイル
- 君に会えてよかった
- 遠距離恋愛爆撃ミサイル(Instrumental)
- 君に会えてよかった(Instrumental)
- 遠距離恋愛爆撃ミサイル (Movie version)
- 遠距離恋愛爆撃ミサイル(Movie Vocalless version)
- 遠距離恋愛爆撃ミサイル(Movie Guitarless version)
- 遠距離恋愛爆撃ミサイル(Movie Bassless version)
- 遠距離恋愛爆撃ミサイル(Movie Drumless version)
Type-B DVD収録内容
TANCOBUCHIN vol.4 リリース記念ワンマンライブ at SHIBUYA CLUB QUATTRO 2016.3.13
- monster
- Let it Die ~ミッドナイト ウォーリーゲーム~
- Love Me
- メドレー(Re:GiRL~シアワセタランチュラ~唇はもっと~We Gonna ROCK)
- You
- 走れメロディー(Acoustic version)
- 鳴らせ
- ze ze ze
- Bye Bye ~君といた春~
- 花火
Type-C DVD収録内容
TANCOBUCHINデビュー3周年記念ワンマンライブ ~たんこぶちん変身ノ巻~ at SHIBUYA TSUTAYA
- 走れメロディー
- Alright !!
- うたひかれ
- さよならbaby
- はじまりのうた
- 偶然と運命
- Let it Die ~ミッドナイト ウォーリーゲーム~
- 泣いてもいいんだよ
- We Gonna ROCK
- 花火
- ドレミFUN LIFE
映画「二度めの夏、二度と会えない君」2017年秋公開予定
詳細
監督:中西健二
脚本:長谷川康夫
原作:赤城大空「二度めの夏、二度と会えない君」(ガガガ文庫)
製作:「二度めの夏、二度と会えない君」パートナーズ
配給:キノフィルムズ
出演:村上虹郎、吉田円佳(たんこぶちん)、加藤玲奈(AKB48)、金城茉奈、山田裕貴
たんこぶちん
2007年、MADOKA(G, Vo)、YURI(G)、CHIHARU(Key)、NODOKA(B)、HONOKA(Dr)らが小学校の課外活動の一環として佐賀県唐津市で結成したガールズバンド。九州を中心にライブ活動を行うかたわら、ヤマハ主催「Music Revolution」など、さまざまな音楽コンテストで各賞を受賞する。2008年には唐津と姉妹都市提携を結んでいる韓国・麗水市との交流イベント「麗水市国際青年祝祭」や、2013年には「ARABAKI ROCK FEST.13」、「ROCK IN JAPAN FES.2013」にも登場。さらに2008年放送の「M PRESENTS 全力!Tunes」(日本テレビ系)や、2012年の「AKBINGO! サマースペシャル ! 全力バンド選手権」(同)に出演し、MADOKAがGoogleのCMキャラクターに選ばれるなど、各方面にその名を轟かせ、2013年7月に「ドレミFUN LIFE」でメジャーデビューを果たした。2015年1月には2ndアルバム「TANCOBUCHIN vol.2」を発表。2017年2月にはMADOKAが主演を務める映画「二度めの夏、二度と会えない君」の劇中歌を表題曲に据えたニューシングル「遠距離恋愛爆撃ミサイル」を発表する。