TAMAMO特集|Eye&yoei.と語る、「濡れ衣」「罪の華」制作秘話とプロジェクトの展望 (2/3)

Eyeが意識した妖艶なボーカル

──「濡れ衣」のレコーディングで意識されたことがあれば教えてください。

Eye 「濡れ衣」は歌詞に書かれた主人公の口調がはっきりしていたので、キャラクター像を意識しながら歌っていきました。いつも私は家で録音しているので、座りながら歌うことが多いんですけど、この曲はテンポが速くて難しいので、立った状態で長時間がんばりました。その甲斐あって、感情や抑揚をうまく乗せられたのかなと思います。

──個人での活動や、すいそうぐらしのようなユニット活動の際と、何か意識して変えた点はありましたか?

Eye 私は歌ってみた動画のときは、曲のイメージによって歌唱法をよく変えるんですよ。今回は店主さんが東京事変さんをお好きだと伺っていたので、少し椎名林檎さんの妖艶さを目指してみました。

yoei.の歌声に惹かれたワケ

──2作目「罪の華」に関しては、どのように制作が始まったのでしょうか?

店主 木下(龍平)さんが作編曲を務められたMyukさんの「フェイクファーワルツ」が大好きだったんです。なので、木下さんが所属されているSUPA LOVEさんにコンタクトを取って、作曲のオファーをさせていただきました。

──作詞は「濡れ衣」に引き続き、是さんが担当されていますね。

店主 まだ当時は「濡れ衣」も完成していなかった頃なんですけど、プロジェクトのことを考えたらある程度雰囲気を統一したいなと。そこで是さんに2曲目も作詞をお願いすることにしました。

──ボーカルをyoei.さんにお願いした経緯は?

店主 millennium paradeと椎名林檎さんのコラボ曲「W●RK」の歌ってみた動画をyoei.さんが上げていて、その歌声がとてつもなくカッコよかったんですよ。それをきっかけにyoei.さんの動画をチェックしたら、そのほかの曲もとてもよくて。木下さんに楽曲を作っていただくことになったとき、誰に歌っていただこうか考えたら、ふとyoei.さんのことを思い出してコンタクトを取りました。

yoei. 「W●RK」の歌ってみた動画を、そんなに褒めていただけてとてもうれしいです。私も「フェイクファーワルツ」のことは前々から知っていたので、木下さんの楽曲ならぜひ!と飛びつきました。

3バージョン録音したからこそ見えたもの

──yoei.さんがレコーディング時に意識されたことはありますか?

yoei. 「W●RK」がきっかけではありますけど、「罪の華」とはジャンルが異なるので、どう歌うのかは店主さんと何度も打ち合わせをしました。結果的に3バージョン録ったのかな? バージョン1は私が感じた「罪の華」で、楽曲の雰囲気を生かすために少し力を抜いて歌ったものでした。バージョン2はもう少し歌詞のニュアンスに寄せたもので少し力強く歌って、バージョン3では1と2を足して半分に割ったようなニュアンスを意識しました。最終的にバージョン1が採用されたんですけどね(笑)。

店主 余計な手間をおかけして申し訳なかったです!

yoei. いえいえ! 私はメロディに惹かれるタイプなので、どうすれば自分の声が楽曲の雰囲気に馴染むのかかなり考えたんですけど、店主さんの意見ももっともで。3バージョン録ったからこそ、見えたものがあったと思っています。

プロジェクトの今後

──「濡れ衣」と「罪の華」、それぞれの楽曲で聴いてほしいポイントはありますか?

Eye 「濡れ衣」は歌い方にとても気を付けて、主人公の感情を表現していきました。なので、歌詞を読みながら聴いていただいて、「ここはどういう意味なんだろう?」とか「なんでこんな歌い方をしているんだろう?」と想像していただけるとうれしいですね。

yoei. 「罪の華」を初めて拝聴したとき、未熟な愛おしさ、という印象を受けたんですね。そこに潜んでいる切なさをどうにか表現したいなと考えながらレコーディングに臨みました。なので、そういった部分がリスナーの方に伝わると幸いです。

店主 どちらの曲も自分の好みを反映していただきながら、とてもいい曲に仕上がっていると思います。TAMAMOの世界観に浸れるような楽曲になっていると思いますので、ぜひ何度も聴いていただければ!

──TAMAMOの今後について、何か展望はありますか?

店主 実は新曲を仕込んでいるところなんです。これからも定期的にカッコいい楽曲を送り出していければいいですね。

──TAMAMOは1曲ごとに携わるクリエイターが変わっていきますが、「濡れ衣」「罪の華」の是さんが続投された例のように、Eyeさんやyoei.さんも再登板する可能性もあると思います。もし再びTAMAMOに携わるとしたら、どういった楽曲を歌ってみたいですか?

Eye 「濡れ衣」は和風な雰囲気はありつつも、曲だけ聴くとそこまでガッツリ和というわけではないんですよね。それはまだ設定が定まる前に動き始めたからかもしれませんけど、今度はガッツリ和風の楽曲を歌ってみたいです。和風と言いつつ最近流行りのエレクトロニックロックやヒップホップの要素を組み合わせた楽曲も面白いかもしれない。なのでまたお声がけいただけるとうれしいです(笑)。

yoei. 最近、個人的にミュージカルの楽曲を歌うことにハマっているんですよ。「シカゴ」とか「ウィキッド」とか、1人で口ずさんだりしていて。なので、TAMAMOの世界観の中で、何かストーリーラインのある楽曲を歌ってみたいです。

店主 参考にします!(笑) まずは「濡れ衣」と「罪の華」を楽しんでいただきつつ、今後のTAMAMOにもご期待ください!