高城れに|1stソロアルバムからあふれ出すおもちゃ箱のような“れにちゃんWORLD”

ポジティブとネガティブの共存

──ここからはアルバムに収録されている3曲の新曲について話を聞かせてください。まず、オープニングナンバーの「SKY HIGH」はポップでさわやかな青春ソングに仕上がっています。

まさに青春の曲を作りたくて。28歳にもなって年甲斐もないと思われちゃうかもしれないですが、いくつになっても青春を感じられるということを表現しかったんです。歳とか関係なく、聴く人が同じ気持ちになれる曲がいいなって。あと、アルバムが発売されるのが8月なので、夏真っ盛りなキラキラした前向きになれる曲にしたいという思いもありました。

──この曲以外も、高城さんのソロ曲はポジティブな内容のものばかりですが、自分の中で一貫したテーマやポリシーがあるんですか?

そうですね。私はアイドルソングが大好きで、ポジティブな曲を聴くことが多くて、凹んだときは歌に助けられてきたんですよ。なので、自分の曲もそういう前向きな内容にしたいんです。

──アルバム7曲目の新曲「Voyage!」も、「ポジティブの代表ならお任せあれ」と歌う明るいダンスチューンですね。

でも、「Voyage!」のほうではポジティブなメッセージだけじゃなく、ちょっと弱いところも見せたくて、2番では「元気が出ないそんな日もあるね 空回りしちゃう まあ人間だもの」と歌っているんです。口には出せないけど、みんなが思っているネガティブな部分を代弁してあげたいというか、それもひっくるめて背中を押したいなって。

──先ほどの10年間の変化の話にもつながるかもしれませんが、高城さん自身は常に毎日をポジティブに過ごせているんですか?

高城れに

私、ホントに面倒くさいんですよね。基本はポジティブなんですけど、もともとがすっごいネガティブ人間なんです。でも、そのネガティブを抱え続けてると疲れてしまうと自分で理解しているので、自分からポジティブになることで鎮められるというか。その癖が根付いちゃっているので、今はなんでも楽しまないと損だという気持ちで毎日を過ごしています。やっぱりネガティブな面もないとホントのポジティブにはなれないと思うんですよ。自分の中ではそのネガティブを悪いやつにしたくなくて、共存するのが一番人間らしいなという考えがあるんです。それでいて、お仕事をしているときはアイドルとしてみんなに笑顔を届けたいという気持ちが勝つので、ポジティブさを全開にしています。

──では、今活動していてネガティブを引きずったりすることはないんですか?

引きずりますけど、表にそれを出さず、自己解決しますね。寝たり、体を動かしたり、散歩したり。

──思い切り凹んだり、病んだりすることもあまりないですか?

全然ありますよ。ありますけど、それもしょうがないと思って病んでる自分を受け入れてあげます。だって、何を考えてもマイナスにしかならないし、割り切ってちゃんと切り替えるようにしています。

モノノフに向けたメッセージソング

──もう1つの新曲「何度でもセレナーデ」は切なくも温かい恋心を描いたスローバラードで、ほかのソロ曲とはちょっと雰囲気が違いますね。

「SKY HIGH」と「Voyage!」がすごくリズミカルな曲なので、1曲はスローテンポなバラードが欲しいなと思ったんです。でも、あまり“どバラード”にもしたくなかった。今までポジティブな曲が多かった中で、「じれったいな」だけは恋愛ソングだったんですけど、恋愛ソングにすると、曲の対象となる層が狭まる気がしていて。いろんな人に共感してほしいし、私としてはモノノフさんに向けて歌っているので、恋愛以外の関係性も描きたいんです。ライブがなかなかできず、会えない時間が多いけど、歌に思いを乗せて届けたいなって。だから、「何度でもセレナーデ」はモノノフさんに向けてのメッセージソングでもありますね。その私の思いと恋愛に置き換えて共感できるポイントの中間地点となる曲だと思います。

──この曲に限らず、曲調に関しては高城さんが普段聴いている音楽の影響もあるんでしょうか?

私は音楽に詳しいわけではないんですけど、普段私が聴いているプレイリストの中から例を挙げてスタッフさんにイメージを伝えたりしています。

──ソロコンでは女性アーティストの曲を多くカバーしていますが、普段も女性アーティストの音楽をよく聴きます?

そうですね。同じ事務所の内輪の話になっちゃうんですけど、とき宣(超ときめき♡宣伝部)はよく聴きます。

高城れに

──今年6月21日の28歳の誕生日にABEMAで行われた生配信「ももクロ怒涛の生誕祭 ~れにちゃん祭~」の中でも、とき宣の「すきっ!」を歌っていましたね。

「すきっ!」「トゥモロー最強説!!」「7月のサイダー」を延々とループして聴いています(笑)。あとは、TWICEさんとか、やっぱり女性アイドルの曲が多いですね。男性だと、最近、阪神タイガースの試合をよく観るんですけど、梅野(隆太郎)選手の登場曲に使われてるBigfumiさんの曲をよく聴きます。いろんな選手の登場曲をプレイリストに入れて聴いているので、私たちの曲も同じように広がっていったらいいですね。

歳を重ねるほど無敵になる

──先日の生配信では「想像していた28歳と違った」という話もしていましたが、具体的にはどう違いましたか?

何から何まで違いますね! 10代の頃は28歳ってもっとお姉さんだと思っていたし、なんだったら私のぼんやりとした人生設計としては、この歳にはもう結婚しているはずだったんです(笑)。さらに3人くらい子供がいても不思議ではないくらいのイメージでした。

──でも、生配信の中で重大発表があると事前告知されたときは、高城さんが結婚するんじゃないかという憶測がSNS上で飛び交っていて。モノノフからもそういうことが発表されても不思議ではない年代だと認識されているわけですよね。

さっきも話した通り、私としては10代の頃からほとんど変わってないんですけどね。昔、20代や30代の歳上の人に「歳とっても変わらないから」とよく言われていて、「気を使ってそう言ってるんだ」と思っていたんですけど、今それが事実だったんだと実感しています(笑)。

──女性アイドルにとっての30歳はかなり大きな区切りだと思いますが、高城さんの場合は今のまま30代に突入しそうですね。

周りからはもっと考えろと言われるかもしれないですが、私は18歳で時が止まってるので、歳をとることに関してはなんの抵抗もないですね。続けられるのであれば今のお仕事をできるところまで続けていきたいです。いくつになっても紫のキラキラの衣装を着たいですし、求められるならパフォーマンスも見せていきたいなって。なんなら、歳を重ねたほうが無敵になるんじゃないかとさえ思っています。どんどん経験を積んでいけるし、その歳によって表現の仕方や醸し出す雰囲気が違ってくるじゃないですか。それが毎年更新されていって、その変化をいろんな方に見てもらえる環境があるのはすごく幸せなことなので、年をとっていく私を見てもらいたいです。

──めちゃくちゃポジティブですね。

こういう気持ちでいられるのは、普段、私たちももクロが大先輩方にお世話になってるからなんだと思います。加山雄三さんやさだまさしさん、松崎しげるさんはいくつになってもパワフルで、みんなを楽しませようという気持ちを常に持っているし、若い人とも交流している。ホントに年齢を感じさせないので、こういう歳のとり方をしたいなと思いながら育ってきました。

──今後、ソロ活動の中で挑戦してみたいことはありますか?

えっと、言うのはタダですよね(笑)。勝手にカバーしてみた、みたいな企画をやってみたいです。ソロコンでカバーしているように、人の曲を歌うのが好きなので。

──それはわりと今すぐできるんじゃないですか? YouTubeにそういう動画を上げたり、カバーアルバムを出してみたり。

でも、今以上に自分のスキルが上がったらですかねー。あと、音楽以外のことで言うと、もっとお芝居を極めたいなと思いますね。いろんな現場でお仕事して学んでいきたいです。音楽も演技も、個人でもグループでもどんどん挑戦していきたいです。やっぱり、この1年半でお仕事ができるありがたみをすごく感じたんですよ。今は「休みいらないよ!」と思うくらい仕事が充実しているし、家に帰ったら家族がすごく楽しませてくれるので、毎日が楽しくて幸せですね。

高城れに
高城れに(タカギレニ)
高城れに
1993年6月21日生まれ、神奈川県出身。2008年に結成されたももいろクローバーZのオリジナルメンバーで、グループ内最年長。担当カラーは紫、キャッチフレーズは「ももクロの鋼少女」。2015年3月9日に愛知・名古屋CLUB QUATTROでももクロメンバー初となるソロコンサート「高城の60分4本勝負」を行った。以降1年に1回のペースでソロコンサートを実施しているほか、2017年からはお笑い芸人・永野とのお笑いツーマンライブ「永野と高城。」を毎年開催。2020年にはNHK総合で放送された連続ドラマ「彼女が成仏できない理由」で森崎ウィンとダブル主演を務めた。そして2021年8月に初のソロアルバム「れにちゃんWORLD」をリリースした。