高城れに|1stソロアルバムからあふれ出すおもちゃ箱のような“れにちゃんWORLD”

高城れにインタビュー

ソロ活動のモチベーション

──もともと高城さんのソロ活動は、2014年に刊行されたムック「ももクロぴあ vol.2」内の企画として架空のソロコンサートのチケットを作った流れで始まったもので、自発的に動き出したものではなかったですよね(参照:「ももクロぴあ」特典は高城れにソロコンサートご招待)。ソロ活動に対して、正直モチベーションはどれくらいのものなのでしょうか?

ソロコンの始まりに関してはその通りで、当時はやりたいのかやりたくないのか、それすらもわからないままスタートした感じでしたね。気付いたら次の年のソロコンの予定が決まっていて、3年目くらいから自分の意思で「来年もやりたいな」と思えてきました。普段グループで活動しているのももちろん楽しいですけど、1人で活動しないとわからないこともたくさんあって。ライブを作ることの大変さがわかったし、それと同時に普段メンバーがいてくれることのありがたみも感じるようになりました。いろいろと学ぶことが多かったですね。ソロでの経験は絶対にグループに返ってくるものだと思ってやっているので、ソロコンに関しても、自分のパフォーマンス力やモチベーションが高くなればなるほど、4人集まったときにさらにいいものになると思ってここまで続けてきました。

──コンサートを自分の思うように作り上げていく楽しさも感じるように?

そうですね。ずっと言っているんですけど、歌は正直得意じゃないんですよ。ただ、得意じゃないけど、すごく好きなんです。昔から音痴でもカラオケに行っていたし、表現すること、人と関わることも好きで。ライブではモノノフ(ももクロファンの呼称)さんの顔を見てコミュニケーションが取れるので、ソロコンでもその楽しさ、やりがいを感じてますね。特に1回目からこだわりとしてあるのは、毎回お客さんとハイタッチすることで。

──コロナ禍前のソロコンでは、終演後に来場者全員とハイタッチするお見送り会をやっていましたね。

それプラス、2階席や3階席までお客さんの近くを練り歩くというのも変わらずやってきていて。普段の4人のライブでできないことをソロコンでやりたいんですよね。私にとってモノノフさんと触れ合えるのはすごく幸せなことなんです。

──観客との距離感の近さをずっと大事にしているんですね。

やっぱりずっとももクロで活動してきて、騒がしいこと、人と関わることが好きなんですよね。あと、目立つことも(笑)。その気持ちはグループで活動しているときも、ソロのときも変わらないです。

高城れに

自分のライブの特徴はなんなのか

──佐々木彩夏さんが毎年、神奈川・横浜アリーナでソロコンを開催しているのに対し、高城さんはいつもホールクラスの会場を選んでいますが、それもお客さんと近い距離で楽しみたいという思いがあるからなんでしょうか。アリーナレベルの会場でソロコンをやってみたいと思ったことはないんですか?

うーん……いや、それは思いますよ。でも、ソロコンをやっていないももたまい(百田夏菜子と玉井詩織)も含め、グループってメンバーそれぞれに役割があると思うんです。活動年数とかが一定のところまで来ちゃえば、役割と違うことにも挑戦できるし、それは自由だと思うんですけど、その役割という意味では私はまだまだこの規模でやっていきたいなという思いがありますね。それこそアリーナクラスだとハイタッチもできなくなっちゃうし、会場内を回りきれなくなるし、お客さんとの距離感的なところが変わってきちゃうので、その大きさの会場はもっと先がいいかなって。でも、いずれはやってみたいですね。

──会場の広さ以外の特徴で言うと、高城さんと佐々木さんのソロコンは性質的にどんな違いがあると思います? どちらもバンドやダンサーと一緒にパフォーマンスするなど、エンタテインメント性にあふれていることは一貫していると思うのですが。

自分のソロコンの特徴……えー、なんだろうな。でも、一度ホントにそれで悩んだことがあって。あーりん(佐々木)のライブと私のライブを比較したときに、なんだか申し訳なくなっちゃったんです。あーりんは表現力やプロデュース力があるけど、私はそういうのに長けているほうではないと思っているので、「私がやっていいのかな……? あーりんだけでいいんじゃないかな」と悩んで、一度、ソロコンをもうやめるといったことがあるんですよ。それはファンのみんなにも言いました。「もうこれが最後です」って。

──言ってましたね。2018年の話だったと思います。

でも、いろんな人に引き止められたし、自分もなんか寂しいなという気持ちになっちゃって撤回したんです。そこからは、私だけの魅力がきっとあるのかなと考えるようになって。逆にあーりんにもあーりんにしか出せない色があるし、それが具体的にどういうものなのか、はっきりと言葉では言い表せられないんですけど、目に見えるものじゃなく雰囲気みたいなものだと思うんです。私のソロコンを観た人とあーりんのソロコンを観た人、それぞれ帰りに感想を聞いたら全然違う答えが返ってくるだろうし、前はその違いがコンプレックスだったけど、今となってはお互いに学べるものなんだと考えるようになりました。一番身近な存在で、同じようなことをやっているけど、その内容や空気感は違うもので、あーりんのソロコンを観て「私もがんばろう」と刺激を受けることも多いですね。

好きでいいんじゃない?

──今回のソロアルバムはどういった経緯で制作することになったんですか?

ファンの方が「れにちゃん、アルバムまだ?」と言ってくれていたので、いつか出したいなと思っていたんですけど、まさか今年出せるとは自分では思っていませんでした。実は今年のソロコンの大阪公演が終わってホテルに戻ったときに、フルちゃん(古屋智美マネージャー)がポロッと「自分アルバム出すじゃん?」みたいな話をしてきて。私はまだそのことを聞いてなかったから「なんのこと?」って返したら、なぜか話を濁してきたんですよ(笑)。「あーりんと間違えてるのかな……」とか思ったんですけど、そのときに初めてアルバムのお話があることを知りました。

──なんだか、ももクロにありがちなエピソードですね(笑)。

高城れに

そのあとレコード会社の人と一緒に打ち合わせをして、アルバムのコンセプトなどを考えていきました。セルフプロデュースという形で制作させてもらったんですが、いろんな方々の意見を聞きつつ、テーマや内容を決めていきました。それこそ、あーりんにも相談したんですよ。先にアルバムを出してる“ソロアルバムの先輩”なので、ジャケット写真とミュージックビデオをリンクさせたほうがいいのかとか聞いて。

──どんな答えが返ってきたんですか?

「好きでいいんじゃない?」って(笑)。でもそう言ってくれたので、ジャケットと新曲のMVはそれぞれ違うコンセプトにして、やりたいようにやったんです。

──ジャケット写真やアーティスト写真は「れにちゃんWORLD」というタイトルを視覚化したような、にぎやかなビジュアルになっていますね。

まず、タイトルに関しては絶対に「れにちゃん」って付けたかったんです。記念すべき1stソロアルバムということで一生残る作品だし、自分の名前をどうしても入れたくて。あと、アルバムを出すにあたって、今までのソロ曲を全部聴き直してみたんですよ。そしたらいろいろな種類の曲があるなと改めて思って、おもちゃ箱をひっくり返したようなビジュアルにできたらいいなと考えました。