橘慶太「RE:ONE」インタビュー|40歳の節目に現れた変化とは?6年ぶりソロアルバムは「僕の日常そのもの」 (3/3)

等身大の自分と、ちょっとだけ筋肉アピール

──アートワークに関してはいかがでしょう。アルバムジャケットはかなりキメキメで作り込まれている印象がありますが。

アルバム自体にコンセプトがないので、写真とかアートワークに関してもコンセプトの付けようがないじゃないですか。ただ、40歳の記念として「RE:ONE」というタイトルでリリースするわけなので、自分のルーツ……やっぱり僕はJ-POPから音楽を好きになっているし、R&Bとかシティポップも好きだし、ゴリゴリのヒップホップも好きだし、そうしたいろんなジャンルを詰め込んだ等身大の自分をビジュアルに反映できたらいいかなと。でも、いかに等身大を見せようとしても、作品として形に残そうとするとそれはある意味では「作られた」等身大になるんですよね。

橘慶太「RE:ONE」配信ジャケット

橘慶太「RE:ONE」配信ジャケット

──言わんとしていることはわかります。

だって、真の意味での等身大をアートワークに用いたら、普通にパソコンの前に座って作業している自分になっちゃうわけですから(笑)。あくまで「w-inds.の橘慶太」としてジャケットに載るのなら、それはもう“作られた”等身大なわけで、そういうことを意識した結果、このアートワークになりました。

──楽曲制作は日常における趣味の一環としてスタートしているものの、それをパッケージとして世に送る際には作られた要素も必要になると。

アーティストとして作品を出すってことは、そういうことだと思うんです。あとは、僕は日々筋トレをしているんですが、レーベルのスタッフから「40歳でその体はすごいから、表に出したほうがいいよ」と言われて。ちょっとだけ筋肉アピールもしてます(笑)。

橘慶太

みんなに誇れる生き方をしてると確信している

──今作は「橘慶太」名義でのリリースとなります。これまでのソロ作品は「Keita Tachibana」や「KEITA」といったアーティスト名でのリリースでしたが、なぜ今回はこの名義にしたのでしょう。

みんな違和感を抱くところだと思うんですけど、答えはすごくシンプルで。サブスクで検索する面倒を減らすためなんです。せっかく今回、J-POPを意識したアルバムを出すので、橘慶太名義で出した「声」というアルバムも同時にサブスクで配信したくて。ただ、そうするとこれまで使ってきたKEITA名義とは別になってしまう。それは不親切だなと思って、全部まとめるために漢字で「橘慶太」名義にしましょうと。そもそもKEITA名義には「ダンスミュージックをやっているからアルファベット表記で、シンプルなほうが世界的にも認知されやすいんじゃないか」という安易な考えで、そこまで強いこだわりはなかったんです。

──作風が変わったから名義を変えるというわけではなかったんですね。

そう思いますよね(笑)。さっきの話につながりますけど、このタイミングで橘慶太名義にすることも、自分に自信が付いたことも大きいのかなと。変にまとわずに、等身大の自分をさらけ出しても、みんなに光を与えるような生き様を見せられるのではと思うんです。それくらい、今の自分はみんなに誇れる生き方をしてると確信しているので、応援していて恥ずかしくないと思ってもらえるんじゃないか、みんなに幸せになってもらえるんじゃないかという気持ちが、昔より強くなっています。

──それだけ大人になったということなんでしょうか。

10代半ばでデビューしたわけですから、大人になるとこういうことがたくさん起こるんです。いろいろ経験してきたなと思いつつも、40歳にしてようやく落ち着いたのかもしれませんね。

橘慶太

25周年の節目、逆に不安を感じているファンがいたら

──w-inds.は3月14日にデビュー25周年を迎えます。節目と変化のタイミングって重なるものなんですね。

僕、占いとかあまり興味がないんですけど、友達に占える人がいて。せっかくだから見てもらったら「このタイミングで、経験してきたことが爆発していきます」と言われて、そのときは「この人、何言ってるんだろう?」と思ったんですけど、あながち間違ってなかったですね。

──1月21日にこのソロアルバムが発売され、2月18日には昨年のw-inds.のライブツアーの様子を収めた映像作品「w-inds. LIVE TOUR 2025 "Rewind to winderlust"」もリリースされます。そして、デビュー日の3月14日には新たな全国ツアー「w-inds. 25th Anniversary Best Single LIVE TOUR 2026 "GOLDEN SINGLES"」が始まるとともに、26年目に突入します。

「winderlust」というアルバムのよさは尖っていた部分だと思いますし、そこに過去の作品を融合させるツアーを25周年目前にやれたのは、個人的にもすごく大きな収穫が得られたと思っていて。そういう経験ができたからこそ、3月に始まる全国ツアーでは新しい要素というより、お祭りとしてw-inds.の歴史を懐かしみながら楽しんでもらいたいなと考えることができた。すごく幸せな流れだと思いますよ。昔の僕は自分がやりたい音楽をひたすらやって、それに対して「みんなについてきてほしい」という感覚が強かったけど、近年は「何をやったらみんなが楽しんでくれるかな?」みたいな気持ちが強くて。やっぱり、みんなが楽しんでくれることが一番うれしいですし、一番幸せを感じられるんです。なので、今後も「w-inds.を応援してよかった、橘慶太を応援してよかった」と少しでも幸せな気持ちになってくれる人が増えるといいなと思いながら、1つひとつ行動していきたいです。

──ツアー以外にも、この25周年で考えていることについて、現時点で話せることがありましたら教えてください。

ツアー自体はタイトルからもわかるように、シングル曲中心のベスト盤的な内容を予定しているので、たぶん初期の2010年ぐらいまでのシングル曲は全部やるのかな。僕、メドレーってあまり好きじゃないので、できる限りフルで披露できたらと思っています。この25周年を皮切りに、実は3年くらい先までのプランが固まりつつあって、来年のツアーについてもいろいろ考えているところなんですよ。なぜそんな先のことまで話すかと言うと、この25周年に対して、うれしい反面、「大きな節目だし、ここで活動を止めちゃうんじゃないか」と不安を感じている人もいると思うから。ちょっと前に僕が体調を崩していたのもあって、「やめるんじゃないか」と気にしている人がいたら応援しづらいかもしれない。20周年のときはコロナ禍だったし、メンバーが1人抜けてしまったのもあって、なんとなくお祝いしづらかったと思うんですよ。今回はそういう負の感情を抱えてほしくないので、わりと先のことまで自分の中で決めて、みんなに安心して応援してもらえたらと思っています。

橘慶太

公演情報

w-inds. 25th Anniversary Best Single LIVE TOUR 2026 "GOLDEN SINGLES"

  • 2026年3月14日(土)神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール
  • 2026年4月12日(日)京都府 ロームシアター京都メインホール
  • 2026年4月19日(日)栃木県 栃木県総合文化センター メインホール
  • 2026年4月25日(土)群馬県 昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館) 大ホール
  • 2026年5月22日(金)埼玉県 戸田市文化会館 大ホール
  • 2026年5月23日(土)埼玉県 戸田市文化会館 大ホール
  • 2026年5月30日(土)福岡県 福岡国際会議場 メインホール
  • 2026年5月31日(日)福岡県 福岡国際会議場 メインホール
  • 2026年6月6日(土)愛知県 Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
  • 2026年6月7日(日)愛知県 Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
  • 2026年7月5日(日)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
  • 2026年7月17日(金)東京都 J:COMホール八王子
  • 2026年7月24日(金)東京都 NHKホール
  • 2026年8月8日(土)大阪府 NHK大阪ホール
  • 2026年8月9日(日)大阪府 NHK大阪ホール

プロフィール

橘慶太(タチバナケイタ)

1985年12月16日生まれ、福岡県出身。w-inds.のメインボーカリストとして2001年にシングル「Forever Memories」でデビュー。日本のみならずアジア各国で数々の賞を受賞し、国内外でそのアーティスト性やセールスをはじめとする功績が高く評価されている。ソロ名義では2013年に1stシングル「Slide'n'Step」をリリース。2026年1月に約6年ぶりのソロ作品としてアルバム「RE:ONE」を発表した。自身の作品のセルフプロデュース以外にも、ボーカリストやエンジニアとして他アーティストとコラボレーションするなど活動は多岐にわたる。