「STAY☆GOLD」は「スタートライン」の前段階の気持ち
──「STAY☆GOLD」の歌詞はどんなことを描こうと思ったんでしょう?
茂木 この歌詞は、「スタートライン」の前段階の気持ちなんですよ。
岡 “自分賛歌”って言ってましたよね。
茂木 そうそう。これまでは自己肯定をあまりしてこなかったんだけど、今のタイミングなら「してもいいかな」って初めて思えたんです。だからそれをできてるうちにちゃんと曲にしておこうと。
──「スタートライン」でも「君が君であること空に歌えばいい」と自己肯定している部分もありますよね。
岡 たぶん「STAY☆GOLD」のほうがもっとパーソナルですよね? で、「スタートライン」のほうがもう少しジェネリックと言うか。その対象の人数感の違いがあるような。
茂木 ああ、確かにパーソナルに思えるかもしれないですけど、実は「STAY☆GOLD」のほうが“僕らみんな”って感じです。さっきも言ったけど3rdライブには幸せな感じがすごくあったので、それをこの曲でも承認したいと思ったというか。ナナシスを好きと言ってくれる人たち、あの3rdライブに集まってくれた人たちが、もう一度この曲で幸せな気持ちになってくれればいいなっていうことですね。そこで思い切り自己肯定したあと、「スタートライン」でまた1人になるっていう。
岡 “祭りの後”感?
茂木 そうそうそう。わーっとみんなで盛り上がったあと、「自分は自分だ」「自分は1人なんだ」って思ってまたちゃんと前を向いて歩いていくっていう。そういう時系列なんですよね。
──なるほど。そういうお話を聞くと、本作がダブルAサイドである意味もしっかり見えてきますね。キャストの方々はレコーディングで何かおっしゃってましたか?
茂木 「(キーが)高い!」って言ってましたね。
岡 「呼吸するところがない!」って。
茂木 音程だけで言うとめっちゃ高いわけじゃないんですけど、フレーズ同士のつながりでそう感じるところがあるんでしょうね。
岡 第2の「FUNBARE☆RUNNER」的ポジションの曲ですかね(笑)。あれもだいぶ歌は大変そうなんで。
茂木 まあでもライブ向きの曲ですね。生で観られる日が楽しみです。
777☆SISTERSのやることがナナシスの見え方のすべて
──今回は777☆SISTERSのシングルになったわけですが、このユニットの音楽を作るうえでお二人はどんなことを大事にされていますか?
茂木 777☆SISTERSはある意味ナナシスそのものを象徴しているので、彼女たちのやることがナナシスの見え方のすべてになるんですよ。特に音楽は瞬発力と伝達力に優れているから。だから、世の中にあるアイドルコンテンツと同じようなことをやってもダメだし、前衛的なことをやってもダメだし、僕の好きなことだけをやってもダメなんです。だからホント777☆SISTERSは毎回、何をやるにしても苦しいっすね(笑)。
──ナナシス世界を背負って、ほかにはないオリジナルな部分を見せなきゃいけないわけだから。
茂木 そう。で、ほかのコンテンツとの違いをどうやって出すかっていう質問に対しては、僕個人としてナナシスと向き合って……というかそれってある意味自分と向き合ってるってことなんですけど、それを投影していかなきゃ新しいものは生まれないとは思っていて。だからそりゃしんどいに決まってますよね(笑)。「ナナシスってなんだろう?」「自分がやってることってなんだろう?」っていう問いかけから始まって、キャストやリスナー、メディアの人たちの反応や状況に至るまでのすべての総括が777☆SISTERSでもあるわけなので、それが全部ちゃんと表現できているかどうかは、1年後か2年後か、もしかすると10年後にしかわからないことなのかもしれないなって思うんですよね。曲単体としてはどれも好きだし、自信を持てるものではあるんですけど。
岡 そういう感覚は僕もまったく一緒ですね。777☆SISTERSに変化球はないし、一過性のインスタントなものは似合わないと言うか。かと言ってそれが“王道”という言葉で表せるかっていうとまた違う。イメージとしては街作りが一番似てる気がするんですよね。各キャラクターを示すものとしていろんなランドマークを作ることはすごくわかりやすいじゃないですか。ド派手なビルやガラス張りのビル、大きな森を作ろうみたいなことは茂木さんもきっとイメージしやすいはず。でも、777☆SISTERSはその街自体の空気を作る役割なので、それをコントロールするのは相当難しいことですからね。
茂木 そうそう。そこを楽曲としてどうコントロールするかがホントに難しい。
岡 777☆SISTERSは常に普遍性がテーマってことだと思うんですよ。即効性のあるものはその時々の流行りとかテンションで作れるところはあるけど、普遍的なものになっているかどうかは時間が経って、振り返ってみないとわからないですから。茂木さんがさっき言ってたことはそういうことなんでしょうね。
茂木 あー、今言われて納得しました。僕が思ってたのはそういうこと。こうやって岡さんは僕の思ってることを言語化してくれるんですよ。だから一緒にいて楽しい(笑)。
──777☆SISTERSがここから、どんな普遍性を持った楽曲を提示してくれるかをしかと見届けていこうと思います。
茂木 ありがとうございます。大変ですけど、岡さんもいてくれるんでがんばります(笑)。
- 777☆SISTERS
「スタートライン / STAY☆GOLD」 - 2017年8月30日発売 / Victor Entertainment
-
初回限定盤 [CD+DVD]
1944円 / VIZL-1192 -
通常盤 [CD]
1296円 / VICL-37293
- CD収録曲
-
- スタートライン
- STAY☆GOLD
- スタートライン-OFF VOCAL-
- STAY☆GOLD -OFF VOCAL-
- 初回限定盤DVD収録内容
-
- 僕らは青空になる / 777☆SISTERS
- KILL☆ER☆TUNE☆R / 777☆SISTERS
- Cocoro Magical / 777☆SISTERS
- セブンスシスターズ「WORLD'S END」
- 2017年7月26日発売 / Victor Entertainment
-
初回限定盤 [CD+DVD]
1944円 / VIZL-1191 -
通常盤 [CD]
1296円 / VICL-37292
- CD収録曲
-
- WORLD'S END
- PUNCH'D RANKER
- WORLD'S END -OFF VOCAL-
- PUNCH'D RANKER -OFF VOCAL-
- 初回限定盤DVD収録内容
-
- t7s .LIVE -INTO THE 2ND GEAR 2.5-
- Tokyo 7th シスターズ「t7s 3rd Anniversary Live 17'→XX -CHAIN THE BLOSSOM- in Makuhari Messe」
- 2017年9月27日発売 / Victor Entertainment
-
初回限定盤 [Blu-ray+フォトブック+オリジナルコースター]
10800円 / VIZL-1247 -
通常盤 [Blu-ray]
8640円 / VIXL-199
- Tokyo 7th シスターズ(トウキョウセブンスシスターズ)
- 2014年2月にサービスインしたスマートフォン向けのアイドル育成リズム&アドベンチャーゲーム。“アイドル氷河期の西暦2034年”を舞台にアイドルを育成&プロデュースしていく。ゲーム中にはメインユニット・777☆SISTERSをはじめ多くのアイドルグループやユニットが登場する。
- 茂木伸太郎(モテギシンタロウ)
- 株式会社Donutsに在籍するクリエイター。「Tokyo 7th シスターズ」の総監督兼総合音楽プロデューサーとして同作品のビジュアル、脚本、楽曲の企画や制作、ライブ制作に携わっている。
- 岡ナオキ(オカナオキ)
- 作編曲家。音楽プロデュース会社「Numéro.8」代表取締役。AKB48、さくら学院などのアイドル、神谷浩史&小野大輔、本作「Tokyo 7th シスターズ」の楽曲制作、作編曲を手がける。