ゆずがいないと足りないけど、がんばらなくちゃ

──5年目の幕開けがこの「Chérie!」のリリースですが、今までにないかわいい感じの曲ですね。

秋本　本当だよね。どうしたんだろうね（笑）。

大黒　ね、違和感。

咲良　カップリングっぽいなと思ったよね。

坂本　昔のアイドルが歌ってそうだなって思った。

秋本　プリプロでは「Chérie!」とカップリングの「Wow Oh! Oh!」を歌ったんですよ。「Wow Oh! Oh!」のほうがしゃちのA面っぽいなと思っていたのに、「Chérie!」がA面になって、びっくりしました。

大黒　私はウイルスにやられてプリプロに参加してないんですけど、デモは聴いていて。なんか知らない間に「Chérie!」がA面に決まっててびっくりしました。

──衣装もかなりガーリーで新鮮です。

秋本　ねー。なんかいっつも新曲出すたびに「今までにない衣装だ」って言ってるけどさあ、こんなに「今までにない」のは初めて（笑）。なんかこういう女の子っぽい感じをしゃちがやって大丈夫なのかなって思いましたね。今までへんてこりんな曲をいっぱい歌ってきたし、お客さんもしゃちってこういうものなんだなと思ってただろうし。いきなりこんなにかわいい曲をやったら戸惑わせちゃうんじゃないかなと思いました。

──こういう歌謡曲っぽい歌は歌ってみてどうでした？

大黒　新鮮でしたね。でも難しかった。今までは勢いだけで歌ってたところもあったけど、「Chérie!」はちゃんと感情を込めなきゃいけないから難しくて。しかも歌詞もよくわかんないし……。

坂本　うんうん。気持ちを込めるのが難しかった。

咲良　こういうの苦手過ぎる。レコーディングのとき、「かわいく歌って」しか言われなかったし（笑）。だから歌い方もかなり作ってる。

──確かに歌詞も今までの感じとは違いますよね。「シャンプーハット」（2014年12月発売のシングル）なんかはわりと近いのかなと思いますけど、今までは名古屋のことだったり、ボウリングやピザみたいなテーマありきの曲が多かったので。

大黒　恋愛の歌だっていうことはわかるけど、こういうピュアな気持ちみたいなのってあんまりわからなくて……。こんなかわいい曲、私には向いていないと思っちゃいました（笑）。

──今回に関しては安藤さんがいないというのも、今までと違うところだと思います（参照：安藤ゆず、チームしゃちほこでの活動を無期限休止）。全体的な声色がかなり変わったなと思いまして。

秋本　ゆずの声がないと、かわいい声が欲しいなって思っちゃいますね。

伊藤　そうだね。

大黒　ライブ中もゆずがいないと足りないなって感じる。いつもと勢いが違う。でもがんばらなきゃいけないから。

秋本　ね、それを感じさせないように5人で補っていきたいなと思っています。

武器はアットホーム感

──5年目の始まりにこの曲を歌う意味って何か感じましたか？

秋本　店長（マネージャー）の趣味なのかなあ？ 「そろそろかわいいの聴きたいなあ」みたいな（笑）。

大黒　「セトリのバランスが悪いからかわいいの投入しておこう！」みたいな（笑）。いや、でもなんだろう。節目みたいな感じなんじゃないかな。とりあえずかわいいのを置いて、ここから「しゃち変わっていきますよ」っていう宣言みたいな。

──でもこのタイミングで「Chérie!」を出すことで、しゃちほこの音楽性がどういう方向に向かうのかわからなくなりましたよね。

大黒　そうそう。どっちに行くんだろう？ 今までの感じに戻すのか……。でもこのかわいいまんまで行ってもダメだと思う。

秋本　あはは（笑）。店長、「Chérie!」の次の新曲はどういうふうにしたいと思ってるんですか？

マネージャー　うーん。セクシーかな。

秋本　ええ、全然わからない。どうなるんだろう（笑）。

大黒　ちょっとそれはダメでしょ（笑）。誰もセクシー要素ないし。

秋本　でもかわいいで勝負はできないよ。

大黒　うん。かわいいでは負ける。

──逆に勝てそうだと思うところは？

大黒　アットホーム感。ライブの雰囲気とか。

秋本　わかるー。「みそのうた」（「いただきっニッポン！～おみそれしましたなごやめし～」の略称）とかほっこりする曲だし、ライブでやるとめっちゃアットホーム感あるよね。帆華的にはあれが一番しゃちっぽいと思う。

大黒　一番しっくり来るよね。

秋本　「恋人はスナイパー」とか「乙女受験戦争」とか「抱きしめてアンセム」みたいな浅野（尚志）くん曲のアゲアゲな感じもしゃちの要素の1つだけど、「みそのうた」は自分たちにもピッタリだと思うし、お客さんの感じを観ててもすごくしゃちのライブの雰囲気にあってると思うんです。好き！