ピコ太郎と学ぼう“SusHi Tech(スシテック)”って何? (2/2)

悩みの数ではなく深さが軽減されてほしい

──そんな「PPAP」という容れ物に、今回は「SusHi Tech Tokyo」が入りました。4月から5月にかけては関連イベント「SusHi Tech Tokyo 2024」が開催されますが、ピコ太郎さんが注目する出し物などは何かありますか?

まずはこの「ショーケース プログラム」の「“2050年の東京”を体験できる」っていう触れ込みがいいですよね。何せあと26年あるわけなんで、私がリアルに2050年を体験できる可能性は相当低いと思うんですピ。

「ショーケース プログラム」のイメージ。

「ショーケース プログラム」のイメージ。

──そんな(笑)。

私は古坂さんのちょうど10個上なんで、今60歳なんですピ。なので2050年には86歳になっているわけで……まあイケるかもしれませんが、その未来を今の年齢で知れる、体験できるというのはありがたいですよね。しかも、26年後にその答え合わせができるという楽しみも生まれますし。

──生きる希望のひとつになりますね。

さっき資料をざっと見せていただいたんですが、展示の中ではなんと言っても「空飛ぶクルマ」がダントツで気になりました。クルマが空を飛ぶなんて、もうSFの世界じゃないですか! デザインも相当カッコいいし、これはもう明日にでも欲しいですピ。

空飛ぶクルマ

空飛ぶクルマ

──明日(笑)。

東京の道路は常に渋滞してますけど、空はガラガラに空いてますから。電車でもタクシーでも間に合わないようなときに、空飛ぶクルマがあったらすぐ着きますよ。あとはこの「宇宙エレベーター体験」もかなり気になりますピ。どういう作りなのかはわかりませんが、普通のエレベーターでいう階数ボタンみたいな感じで「水金地火木」ってボタンがあるんだとしたら相当テンション上がりますよね。

「宇宙エレベーター」のイメージ。

「宇宙エレベーター」のイメージ。

──確かに! 「木星」ボタンとか押してみたいですね。

「木星」をパッと押してね、ウイーンって行ってドアが開いたら木星に来てるみたいな。夢の世界ですよね。でもそれが実際に……さすがに動くところは見られないにしても、モノ自体はこの目で見られるってことですもんね。僕はとりあえずその2つが楽しみですピコ。

──ちなみにピコ太郎さんは「2050年の東京がこうなっていたらいいな」という願望は何かありますか?

そうですねえ……古坂さんの子供たちが大きくなって、30歳くらいになっている時代ってことですよね? 例えばですけど「明日はベトナムで、明後日はインドに行って」みたいな感じで、世界中どこにでもラフに気兼ねなく行けるようになっていたら楽しそうだなと思いますピ。AIなどのテクノロジーによって言葉の壁もなくなっていたり……まあ、そこは勉強する楽しみもあるんでアレですけど。やっぱり自分が世界各地を30地域くらいですかね、バーッと一気に回ったときにすごく楽しかったんですよ。ウガンダとかへ行ったときは地球を感じましたから。「ああ、地球だ……!」っていう。

ピコ太郎

ピコ太郎

──ガガーリンみたいなセリフですね(笑)。

あの感覚をいろんな人がもっと気軽に味わえるようになっていたらいいなと。あとは東京がもっと子供を産みやすい、育てやすい街になっていたら最高ですピコ。今の子供たちが大きくなる頃には、なんの憂いもなく「子供産んでサイコー!」「子育てしてサイコー!」みたいな感じになっていてほしいな、というのが一番ですね。

──なるほど。両方に共通するのは、現代ではちょっと困難と思われていることがもっとラクなものになっていてほしいというお話ですね。

そうですね。きっと悩みの数は減らないと思うんですけど、深さが軽減されればいいなっていう。これは聞いた話なんですが、お金持ちの人たちへのアンケートで「今欲しいもの」の第1位が「お金」だったらしくて。

──わはははは。

これはもう沼だなと(笑)。だから人間、悩みそのものは一生なくならないんだろうなと思うんですよ。その分テクノロジーやいろんなものの力で、せめて悩みの程度が軽くなればいいなと思いますねピ。

ピコ太郎

ピコ太郎

「サステナブル」は新しい言葉でもなんでもない

──最後の質問になりますが、サステナブルやテクノロジーに関してピコ太郎さんから読者に伝えておきたいことは何かありますか?

「テクノロジー」はともかくとして、「サステナブル」というワードにはまだアレルギーのある人がいるように思うんですよ。「なんか怪しい」みたいな(笑)。その態度はそろそろ改めたほうがいいかもしれませんね。というのも、10代の子と話すときによく感じるんですけど、僕らにとっての「サステナブル」とは明らかに色が違うんですピ。若い世代にとっては新しい言葉でもなんでもない、普通の感覚の言葉になっている。僕らでいう「バイク」とか「スニーカー」とか、そのくらいのレベルで。

──なるほど、もう血の中に入っているというか。

その一方で、さすがに言葉自体を知らない人はいなくなりましたけど、まだ何か怪しいもののように感じている人も少なくない。それだけ言葉として流行った、広まったということだとは思うんですけど、その半面、「警戒するのはもういいんじゃない?」という思いがありますピコ。

「グローバルスタートアッププログラム」のイメージ。

「グローバルスタートアッププログラム」のイメージ。

──もはや流行語ではなくなっているわけですからね。

そうなんですよ。まあ、振り返ればなんでも最初はそうでしたよね。ネット通販、ブログ、スマホ、SNS……そもそもインターネット自体も当初はすごく警戒されてましたから。結局そこから一般化していくものなので、「サステナブル」もそれらと一緒です。すでに一般化して、次を考えていくフェーズに来ている。警戒するよりも受け入れて先を見たほうが楽しいかもしれないよ、っていうことを言っておきたいですねピ。

──怖がっていたらもったいないと。

もう1つ伝えたいのはですね、「サスティーナボー」って発音すると口が気持ちいいです。

──ああ(笑)。

「サステナブル」って言わないほうがいいですね。「サスティーナボーゥ!」って言ったほうが海外ではウケました。「ティーナボゥ」さえ誇張して言っておけば、あとは適当でも大丈夫です。「ティーナボゥ」だけでもウケますピ。

──なるほど。「アッポー」「パイナポー」と同じようなことですね。

そうですピ。「アップル」じゃなくて「アッポー」。あれも誇張して「ィアッポーゥ!」とかやると非常にウケますんで、ぜひとも。

──素晴らしいアドバイスをありがとうございます。

アドバイスではないですけど(笑)。

ピコ太郎

ピコ太郎

プロフィール

ピコ太郎(ピコタロウ)

2016年にYouTubeにアップした「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」の動画がジャスティン・ビーバーやCNN、BBCなどのメディアに取り上げられ、世界中でブレイク。アメリカの音楽チャート「The Billboard Hot 100」において、日本人としては26年ぶりにチャートインを果たす。「1曲の長さが最短」の楽曲としてギネス世界記録にも認定された。当時トランプ大統領が招かれた晩餐会に出席し、外務省からSGDs推進大使に任命された経験を持つ。

イベント情報

SusHi Tech Tokyo 2024

SusHi Tech Tokyo 2024

公式サイト

ショーケースプログラム

“自然”と“便利”が融合する未来の都市モデルを五感で楽しめるショーケースイベント。

2024年5月17日(金)~21日(火)東京都 有明アリーナ

<コンテンツ>

  • yama SPECIAL LIVE
  • SusHi Tech TOKYO 2024オリジナルドラマ2本上映(出演:「大切な友達」木村文乃、「COACH」田中圭、木戸大聖)
  • MPLUSPLUS LED DANCE SHOW
  • 超人スポーツ

ほか

2024年4月27日(土)~5月26日(日)東京都 日本科学未来館

<コンテンツ>

  • ロボットプレゼンテーション
  • こども発明教室
  • みらいのやぐら展示

ほか

2024年5月12日(日)~26日(日)東京都 シンボルプロムナード公園

<コンテンツ>

  • Z品(ゼッピン)グルメガーデン
  • WOW SPORTS FIELD
  • 目利きマーケット
  • miraiサーキット

ほか

2024年5月12日(日)~21日(火)東京都 海の森エリア

<コンテンツ>

  • サイエンスショー
  • 空飛ぶクルマ展示 / ドローンワークショップ
  • カヌー・ローイング体験会

ほか


グローバルスタートアップ プログラム

2024年5月15日(水)~16日(木)東京都 東京ビッグサイト 西展示棟1・2ホール

国内外スタートアップエコシステムとの“まだ見ぬ出会い”を創出する、アジア最大規模・日本で唯一のグローバルイノベーションカンファレンス。


シティ・リーダーズ プログラム

2024年5月15日(水)~17日(金)

世界5大陸の都市のリーダーが東京に集い、都市課題解決に向けた取り組みや今後の展望について議論する国際会議。