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Spotify「Early Noise」特集|3人の音楽ライターが語り合う、2019年新人アーティストの特徴と、ストリーミング時代のヒット曲の生まれ方

2019年新人アーティストの特徴 その3映像やイラストにも強い人が多い

三宅 僕は踊Foot Worksってバンドのマネジメントをやってるんですけど、アーティスト自身もサブスクでどのぐらい聴かれてるかをめっちゃ気にしてるからね。

高木 うんうん。Yo-Seaの曲にプロデュースで関わってるDJ TATSUKIとDJ CHARIも、Spotifyでどの世代がどれぐらい再生してるかをちゃんとリサーチしてるって言ってた。

金子 リスナーの指標がSpotifyでわかると、どこにライブをしに行くかとか考えやすいですよね。僕がフォローしてるポストロック系の人は、日本よりも断然アメリカのほうが多く聴かれてることが多くて。

三宅 w-inds.も、ライブではすごくアジアに行ってるけど、ストリーミングの再生数で言うと日本の次はアメリカらしい。もちろん利用者の母数はあるでしょうけど。活動の需要が国内に限ったことじゃないってわかるのは夢がありますよね。

金子 SASUKEくんなんてニューヨークのアポロシアター出演で最初に注目されて……ですもんね。

三宅 最初はダンスでだもんね! 10歳でダンサーとして「アマチュアナイト」で優勝して、小6でビート(フィンガードラム)パフォーマーとして日本一になって、新しい地図に曲提供して……すごいね。MPCを使ってるんだっけ?

高木 いや、(Native Instruments)MASCHINE。

金子 MPCじゃなくてMASCHINEっていうのもいいですね。マルチな能力というのはやっぱり「Early Noise 2019」にも顕著で、音だけじゃなくて絵も自分たちで作れる、映像やイラストに強い人も多いですね。秋山黄色くんとかはそう。語弊があるかもしれないけど、米津くん以降のニコ動出身界隈の急先鋒みたいなイメージがあります。

三宅 King Gnuも、PERIMETRONっていうクリエイティブチームを持ってて、ビデオもジャケも自分たちで作れる。そうなると無敵ですよね。

高木 ずっと真夜中でいいのに。もアニメカルチャーに通じるようなアートワークになってるしね。やっぱりYouTubeに映像を上げられると強いよね。Twitterに上がったときにサムネイルにもなるから。ずっと真夜中でいいのに。も「アニメが面白い」って話題が流れてきてYouTubeで観たもんな。

三宅 ずっと真夜中でいいのに。って、どういう文脈から出てきたアーティストなんですか?

金子 僕のイメージだと、相対性理論、amazarashi、ずとまよ、みたいな感じ。世界観がけっこう作り込まれてて、ライブも僕は未見ですが最近やり始めたようで、照明はすごく暗くてあんまり人が前に出ない感じらしいです。

2019年新人アーティストの特徴 その4上京しなくていいやり方

金子 Mega Shinnosukeって福岡を拠点にしてますよね。同じく福岡のAttractionsとかを筆頭に、地方に住みながら自分たち自身で作品を作って、日本全体、ひいては世界にリスナーを広げていく流れも増えてる。

三宅 ああ、確かに。tofubeatsくんや岡崎体育くんが切り拓いた「上京しなくていいやり方」が推し進められてる気がします。佳穂ちゃんも京都在住ですね。

高木 ラッパーも全然東京来ないですよ。福岡だったらYelladigosってクルーとか、姫路のShurkn Pap、静岡のGREEN KIDSとか、地元でバリバリやってる。ヒップホップは土着的な側面が強いのもあるけど、東京に来なくてもメシ食えるしって。

三宅 5lack氏みたいに東京から福岡に移住するパターンもあるしね。沖縄在住の唾奇くんが東京でライブをすると、お客さんも“来てくれた感”があって。

高木 海外アーティストが来日したときに盛り上がるみたいな感じね(笑)。

──そもそも皆さん、新しいアーティストはどんな方法でチェックしていますか?

三宅 僕は完全にストリーミングですね。新しいアーティストだったら踊Footのメンバーが聴いてるものとか、近しい信頼する人が勧めてるものを重視してるかも。

金子 僕もストリーミングで聴きつつ、逆にアナログに、ライブハウスのスケジュールをチェックするのが趣味で。信頼してるライブハウスで名前をよく見るとか、イベントの対バンによく出てくるアーティストとかはサブスクで聴いてみるっていう。

三宅 なるほどね!

金子 ただ、それで知れるのって一定以上のライブ力があるアーティストになるんですね。でもSpotifyとかにおいては曲の力重視だから、ライブハウスのスケジュールをチェックするだけでは探せなかった人たちが、Spotifyを聴くようになって探せるようになった。その違いはある気がします。

高木 俺はTwitterが多いかな。DJのアカウントから「今これが面白い」って流れてきたもの。あとはニューカマーとなるとYouTubeかなあ。特に日本語ラップものは、Spotifyでリリースする前にMV作ってYouTubeに上げることが多いから、そこプラス、ストリーミングの直近のヒットを見てます。

イベント情報

Spotify presents Early Noise Special
  • 2019年3月28日(木)東京都 EX THEATER ROPPONGI(※SOLD OUT)
    OPEN 17:30 / START 18:30 <出演者> Official髭男dism / ビッケブランカ / RIRI / ReN / あっこゴリラ / SIRUP / ドミコ / Nulbarich
動画配信サービス・GYAO!にてイベントの模様を生配信!
生配信:2019年3月28日(木)18:30~
アーカイブ配信:2019年3月29日(金)12:00~5月28日(火)23:59

※各アーティストのライブ映像を、3月29日(金)12:00から1曲、4月5日(金)12:00からさらに1曲追加で配信。

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2008年にヨーロッパでスタートした、スウェーデン発の音楽ストリーミングサービス。2011年にアメリカに進出し、日本では2016年11月に本格的にスタートした。国内外4000万曲以上の楽曲をラインナップし、2018年12月時点で世界でのユーザー数が2億人超を記録。世界各国のキュレーターやアーティスト、音楽ファンが作成した膨大なプレイリストや、アルゴリズムに基づく独自のレコメンド機能を持つ。

金子厚武(カネコアツタケ)
1979年生まれ。インディーズバンドでの活動や音楽出版社勤務を経て、現在はフリーランスのライターとして音楽を中心に雑誌やWebで執筆している。2015年発売の「ポストロック・ディスク・ガイド」を監修。
高木"JET"晋一郎(タカギジェットシンイチロウ)
1978年生まれ。ヒップホップ、アイドル、ブラックミュージック、ポップスを中心に執筆。共著に「ラップのことば」(P‐Vine BOOKs) 、構成にサイプレス上野「ジャポニカヒップホップ練習帳」(双葉社)など。
三宅正一(ミヤケショウイチ)
1978年生まれ。スイッチ・パブリッシングに入社して「SWITCH」「EYESCREAM」といった雑誌の編集に携わり、2004年からフリーライターとして活動している。2017年に音楽レーベル・Q2 Recordsを設立し、踊Foot Worksやマテリアルクラブの作品をリリースした。