Shin Sakiuraから元日早朝に届く
──そしてメジャー初作品となる「ONE-EP」が発表されます。
KENNY これからも自分たちらしさを失わずに、新たなフィールドに立ち再スタートするという思いを込めて制作した作品です。
──先行配信された「ONLY ONE」にはどんな思いが込められているのでしょう?
AKUN これは最初にドラマの主題歌というお話をいただいて制作したものですね。
KENNY TELASA初のオリジナルドラマ「主夫メゾン」というドラマでして、タイトル通り主夫をテーマにした内容なんですが、いかんせんメンバー内に既婚者がいないのです(笑)。でも、大切な人と過ごす時間は経験しているので、好きな人同士が一緒にいる時間のときめき、離ればなれになってしまう切なさを楽曲にしようと思いました。
──この楽曲はSIRUPさんや向井太一さんなども手がけるShin Sakiuraさんがアレンジに参加されているそうですね。
KAZUMA 彼とは年齢が近いこともあって、コミュニケートしやすかった。僕ら4人では表現できなかった新しいスタイルも取り入れることができたし、楽しい作業でしたね。
KENNY サウンド選びが新しいというか、今のトレンドをちゃんと理解している印象。だから、僕らだけでは出せなかった音を表現できた気がします。
AKUN また人柄も素晴らしい。こちらの要望や思いをちゃんと聞いてくださるというか、リスペクトしてくれるんですよね。だから僕らの新しい部分を引き出せたのかなって思います。
──ここ最近の楽曲にあったシティポップっぽい雰囲気ではなく、メロディアスなグルーヴがありますよね。
PETE 今までの僕らにはない部分が表現できたと思う。実はこの曲、歌詞からスタートしたんですけど、そこから音を加えるにあたり、Sakiuraさんのアイデアが思いもしなかった方向に楽曲を導いてくださった気がしています。
KENNY Sakiuraさんは相当力を注いで制作してくださったみたいで、この曲のラフミックスが届いたのが元日の早朝だったんです。彼はおそらく年越しすら忘れて曲作りに没頭してくださっていたんだなって感動しました。Sakiuraさんなくしてこの曲は生まれなかったと思う。
PETE Sakiuraさんにとってもバンド単位での楽曲アレンジは初めてだったと聞きました。それこそ年末年始でかなりタイトなスケジュールにも関わらず楽しんで作業をしてくださったみたいで、本当に感謝しています。
──歌詞では恋愛が描かれていますけど、これから多くのリスナーと“オンリー1”な関係を作りたいという皆さんの思いも伝わってきました。
AKUN 歌詞だけ見るとバラードっぽい雰囲気があるんですけど、ノリのいいムードに仕上げることができた。そこはSakiuraさんと共同でうまく表現し、オンリー1な曲になったと思います。この曲を通じて、ファンの皆さんと大切な時間を共有したいですね。
──ミュージックビデオはどんな仕上がりですか?
KENNY 「主夫メゾン」に出演されている結木滉星さんがミュージックビデオにも出てくださっているんですけど、彼がとてもカッコいいんです。視点が移り変わる演出があって、実際に自分がミュージックビデオの中に入り込んでいるようなシーンが多いんですけど、結木さんがカッコよすぎて女性だけでなく、男性も心を奪われるはずですよ(笑)。
カリフォルニアから茅ヶ崎へ
──カップリングの「From the C」は、昨年茅ヶ崎で行ったライブで初披露された楽曲です。これは以前発表された「To the C」のその後という位置付けなのでしょうか?
KENNY そうですね。あの曲で僕らの活動が始まり、今回の「From the C」で新たなチャプターがスタートするという思いを込めた部分はあります。
──「To the C」はヒップホップのビートを絡めたカラッとしたサウンドが印象的でしたが、今回はアコースティックギターをはじめとするシンプルな音色で、皆さんの拠点である茅ヶ崎の風景を感じさせる仕上がりになっています。
AKUN 実は当初は「To the C」の「C」は海(Sea)とカリフォルニアのことも指していたんですよ。
KENNY 「To the C」ではアメリカ西海岸のカルチャーを表現したいと思っていたんですけど、まさかその「C」が茅ヶ崎に移住するとは(笑)。でも、茅ヶ崎って暮らしてみると音楽と密接な街だなって思った。サザンオールスターズさんを筆頭に多くのミュージシャンが生まれているし、街を歩くと至るところに音楽があふれている。
PETE 海に行くと、ビーチで音楽を流してのんびりしている人も多いしね。
KENNY 茅ヶ崎で暮らしていなかったら「From the C」のアレンジは生まれていなかったのかも。でもライブでは、もっと違うアレンジで披露できたらと思います。
AKUN この曲でいろんなミュージシャンとコラボしたいですね。日本には東京以外の場所を拠点にしている人がたくさんいらっしゃるので、それぞれ地域の魅力をこの楽曲を通じて発信してもらうとか。
「THIRTYFOUR-EP」でエド・シーランと共演?
──カップリングにはもう1曲収録されるんですよね。どんな楽曲でしょう?
KENNY 内緒です(笑)。現段階ではまだ制作中なのですが、大切なスタートを切る作品になるので、自分たちらしさを感じてもらえる楽曲をお届けしたいと思っています。
──「ONE-EP」のジャケットはKENNYさんが描いたものだそうですね。
KENNY 自分たちの活動への願いも込めて未来への明るい光を感じてもらえるジャケットにしたかったんです。また、今後「TWO」「THREE」と続いていくかもしれないプロジェクトなので、全部を並べたときにどれがどの作品かわかるよう「1」を入れました。また収録曲も「1人の人」「1つの場所」「正解は1つじゃない」といった“1”にまつわるテーマもあったり。
──では、すでに「TWO」「THREE」とアイデアは頭の中にある感じですか?
KAZUMA ざっくりとは(笑)。
AKUN 2%くらいかな(笑)。
KENNY やってみたいことはたくさんあって。この4人でどこまで音を追求できるかはもちろん、自分たちの満足いく音を制作するために、ほかのミュージシャンの方とセッションする可能性だってある。それこそ、エド・シーランに協力してもらうかもしれないし。
AKUN 「THIRTYFOUR-EP」くらいでね(笑)。
──(笑)。今後が楽しみですね。
KAZUMA 今回のEPを通じて、たくさんの刺激を受けました。自分の視野がさらに広がった気がするので、それを表現することができたら。
PETE 本当に。Sakiuraさんとの作業は学ぶことが多かったですね。それを参考にしながら、新しいことに挑戦し続けたいですね。
AKUN コロナ禍で最近はライブで皆さんと触れ合える機会が限られてしまっている。でも、YouTubeなどいろんな発信手段を活用して、リスナーの皆さんと新たなつながりを感じていただける場所を作っていけたらと思います。