ナタリー PowerPush - SOUL'd OUT

10周年ベスト「Decade」から紐解くサウンドの変遷

時流を読む音作りのセンスと特色のある巻き舌ラップを武器に独創的な楽曲を作り続けるSOUL'd OUTが、デビュー10周年記念ベストアルバム「Decade」をリリースした。本作には各オリジナルアルバムから代表曲をバランス良く網羅。さらに通算100曲目となる新曲「TooTsie pOp」も収められている。

今回は新曲の制作裏話をはじめ、10年間のサウンドの変遷や意識の変化についてインタビュー。ソロ活動がグループに与えた影響や未来に向けた今の心境など、たっぷり語ってもらった。

取材・文 / 猪又孝

 
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怒濤のごとく過ごしてきた10年

──3人それぞれ、まずはデビューからの10年間を簡単に振り返ってもらえますか。

1月22日に行われたライブ「SOUL’d OUT Premium Live 2013 “Anniv122”」の模様

Diggy-MO' 長かったといえば長かった気がするし、ライブとか残してきたものをいろいろ思い出すとそれなりのボリューム感があるんで濃い10年だったなと。ただ、あんまり思い出に陶酔するタイプでもないんで、そういう意味ではすっきりしてるところもあるというか、早かったなという気もしてます。

Shinnosuke 僕も長かったかな。濃いですね。洋邦問わず、10年、20年、30年やってる諸先輩方たちはこういう時期を節目だって言いますけど、ようやく僕らもそこに来れたなっていう思いでうれしさいっぱいだし、勝って兜の緒を締めよじゃないけど、がんばっていかなきゃなってぴりっとする感じもあるし。とにかくありがたいですね。

Bro.Hi 振り返ってみると、結構いろいろ覚えてるんですよ。デビュー日の翌日にこのビル(ソニーレコード)に来たときに担当の方が号外を作ってたりとか。って言いながら「こんなことあったよね」とか「ここ行ったよね」とか言われると全く記憶にないこともあったりして(笑)。そう考えると怒濤のごとく過ごしてきた10年だったのかなって思います。

「Decade」は聴き心地として気持ちいい曲順

──今回のベストアルバムはどんな思いで選曲していたんですか?

Diggy-MO' 基本的にはまんべんなく入れるっていうのが前提で。あとは、自分たちはこうやって世の中に出てきたよなとか、こうやってここまでたどってきたよなとか、自分たちの歴史がわかるように意識したかな。「Decade」って言いながらデビュー前の空気……渋谷とかのクラブでいろいろやってた頃への思いもあったりするので、そういうところから振り返るような節は選曲してるときにすごくあったな。

──曲順をリリース順にしなかったのは?

Diggy-MO' 結局リマスターしたんだけど、そうするにしても本当は年代順のほうが音圧的に違和感なく聴けると思うんですよ。だけど、どのみちライブでは年代に関係なくやってるんだから。単純に聴き心地として気持ちいい曲順、流れを優先させたんですよ。

──DISC 2の最後に「戦士達 天使達 ~Livin' for Today~」を持ってきたところは、SOUL'd OUTらしさを感じました。

Diggy-MO' そうだね。1枚目は「Starlight Destiny」で終わって、2枚目が「戦士達~」で終わるっていうのは、今まで自分たちが作品でやってきたことを貫いた感じ。そういうしっかりとしたリリカルなもので終わらずに、自嘲して「なーんちゃって」で終わるみたいな、そういう姿勢も好きなんだけど、意外とそこをごまかさないでやってきた10年だったんですよ。だから、ここでそれをやっちゃダメだなと思って。

新曲のテーマは「イケイケでいいんじゃないの?」

──新曲「TooTsie pOp」は、どんなサウンド像を目指して作ったんですか?

Shinnosuke ここ最近のエレクトロ路線なんだけど、エレクトロといってもいろいろあるので、エレクトロクラッシュ気味な方向というか。デビュー当時の僕らにあったダンクラ(ダンスクラシックス)のディスコじゃない、イマドキのディスコの感じをイメージしてたかな。

──歌詞はどんなイメージで?

Diggy-MO' 前回のアルバムは特にシリアスなものを結構出してたんで、今回は遊ぶっていう感じ。だけど、他人が書かないような自分たちのリリシズムでちゃんと書くっていう感じだったね。

──「TooTsie(tootsie)」は、「お嬢ちゃん」っていうような意味の言葉ですよね。

Diggy-MO' そう。ちょっと生意気な感じだね、ニュアンス的には。元々tootsieっていう言葉は使えるなって思ってたんだ。小生意気なセクシャルな対象を描く言葉としてキャッチーだなと思ってて、最初はこれで語呂遊びができればいいなっていうくらいの感じだった。で、自分のスキャットを録ってるときに、ふと「pop」っていう言葉が口を突いて出てきて、ハジけてていいなと思って。で、2つを並べたんだよね。

──サビでは「ご都合主義 TooTsie pOp」と歌ってますが、内容としては、そういう女の子に毒づきながらも翻弄されてる男性像を描いてるんですか?

Diggy-MO' そういう感じだね。これはギャル像を描いていて、イケイケでいいんじゃないの?ってことを歌ってる。でも、ギャルっていう言葉も古いじゃん。そういう言葉っていろいろ出尽くしてるでしょ、スイートとかキャンディとか、ハニー、ショーティ、いろいろあって。で、「tootsie」は言葉自体は新しいものじゃないけど、新鮮かなって思ったんだ。

──「TooTsie pOp」のビデオクリップはSOUL'd OUT初のリリックを全面的にフィーチャーした作品。シンプルながらユニークな仕上がりですね。

Diggy-MO' リリックを重視したビデオクリップを作りたいって結構前から言ってたんですよ。別に「TooTsie pOp」がどうたらっていうわけじゃなくてね。

──仕上がりを観たときの感想は?

Diggy-MO' よくできてるなーって。サウンドのパーカッシブなノリと文字の動きがよくこんだけリンクしたなと思って。作業的にもかなり細かくやってくれたんじゃないかっていう行程がうかがえて感動しました。

ベストアルバム「Decade」/ 2013年1月23日発売 / SME Records
完全生産限定盤BOX[3CD+2DVD] / 10000円 / SECL-1241~5
完全生産限定盤BOX[3CD+2DVD] / 10000円 / SECL-1241~5
初回限定盤[2CD+DVD] / 3990円 / SECL-1246~8
初回限定盤[2CD+DVD] / 3990円 / SECL-1246~8
通常盤[CD2枚組] / 3500円 / SECL-1249~50
BEST CD:DISC1 収録曲(3形態共通)
  1. ウェカピポ
  2. Diggy Diggy Diggy
  3. 1,000,000 MONSTERS ATTACK
  4. UnIsong
  5. TONGUE TE TONGUE
  6. ルル・ベル
  7. quarter 5
  8. TOKYO通信~Urbs Communication~
  9. BLUES
  10. S.O Magic 2
  11. "P"
  12. SHUFFLE DAYZ
  13. Flyte Tyme(Extended)
  14. soooooooo_mania
  15. Starlight Destiny
BEST CD:DISC2 収録曲(3形態共通)
  1. SUPERFEEL
  2. TooTsie pOp
  3. SOUL'd OUT is Comin'
  4. Magenta Magenta
  5. VOODOO KINGDOM
  6. To All Tha Dreamers
  7. 輪舞曲(ロンド)
  8. バナナスプリット
  9. and 7
  10. ALIVE
  11. Dream Drive
  12. Singin' My Lu
  13. COZMIC TRAVEL
  14. GASOLINE
  15. 戦士達 天使達 ~Livin' for Today~
10th Anniversary DVD 収録内容(完全生産限定盤BOX・初回生産限定盤)
  1. WELCOME TO S.O TOWN
  2. TooTsie pOp(Music Video)
Remix CD:Remixies 5 収録曲(完全生産限定盤BOX)
  1. Sue ~ Dorian Remix ~
  2. and 7 ~ Mr. Drunk Remix ~
  3. soooooooo_mania ~ 489 Hits Mix ~
  4. SUPERFEEL ~ RAM RIDER Remix ~
  5. IMA ~ DJ TARO Remix ~
  6. UnIsong ~ 80KIDZ Remix ~
  7. Kopernik ~ tofubeats BXVTZ Remix ~
LIVE DVD:SOUL'd OUT LIVE 2012 " SUPERFEEL 1T " @ SHIBUYA-AX June 22nd 2012 収録内容(完全生産限定盤BOX)
  1. Opening
  2. UnIsong
  3. VOODOO KINGDOM
  4. 円卓の騎士
  5. S.O Magic 2
  6. 輪舞曲
  7. GAME
  8. MEGALOPOLIS PATROL
  9. ALIVE
  10. Singin' My Lu
  11. SUPERFEEL
  12. バナナスプリット
  13. TONGUE TE TONGUE
  14. To All Tha Dreamers
  15. Starlight Destiny
  16. FIRE RHYMER
  17. End
SOUL'd OUT (そーるどあうと)

1999年に結成されたDiggy-MO'(MC)、Bro.Hi(Human Beat Box, MC)、Shinnosuke(Trackmaster)の3人からなるユニット。2001年からライブ活動を本格的に開始し、ヒップホップやR&Bなどのブラックミュージックをルーツとしたサウンドで人気を集める。2003年1月、シングル「ウェカピポ」でメジャーデビュー。同年8月にリリースした1stアルバム「SOUL'd OUT」は50万枚のヒット作となり、その後も数多くの名曲や名盤を続々とリリースする。2007年4月には初の日本武道館ワンマンライブを敢行。2008年から2010年にかけては3人それぞれがソロ活動を展開し、個々のスキルをさらに高めた。2010年4月、ライブイベント「BEAT CONNECTION 2010」でユニットとしての活動を再開。2012年8月には約4年7か月ぶりのオリジナルアルバム「so_mania」を発表した。メジャーデビュー10周年となる2013年1月、ベストアルバム「Decade」をリリース。