Sou × 田代智一(Q-MHz)|「シャドバ」の夏を彩る世代を超えたコラボ曲

SouとQ-MHzのコラボレーション曲「SUMMER VERSE!!」が配信リリースされた。

「SUMMER VERSE!!」は、デジタルカードゲーム「Shadowverse」の大会「全国高校生シャドバ甲子園2018」のテーマソングとしてQ-MHzが書き下ろし、Souがボーカリストを務めたナンバーだ。音楽ナタリーではこの楽曲のリリースを記念してSouとQ-MHzの田代智一へのインタビューを実施。「SUMMER VERSE!!」の制作にまつわる話のほか、お互いが音楽に目覚めたきっかけを語り合うなど、2人には世代を超えたアーティスト同士のクロストークを展開してもらった。

取材・文 / 倉嶌孝彦

“雲の上の存在”とのコラボ

──SouさんとQ-MHzの皆さんがコラボレーションするのは今回が初めてですが、コラボをすることになって最初の印象はどうでしたか?

田代智一 Souくんとお仕事をすることになって、まずはインターネット上の動画で彼の歌を聴かせてもらったんですよ。歌のイメージではけっこう大人びていると言うか、落ち着いた感じだったから、最初に会ったときは思ったよりも若い人でビックリしましたね(笑)。

Sou 恐縮です。僕からしたら大御所のチームの方に楽曲を作ってもらうことになって、本当に光栄だなと思いました。まさか自分がQ-MHzさんに曲を書いてもらえることになるなんて、想像もしてなかったので。

──動画共有サイトを中心に活動しているSouさんと、アニソンや声優アーティストの楽曲を中心にプロデュースを手がけているQ-MHzさんって、カルチャーとして近しいところには位置しつつ、実際に交わることがあまりなかった組み合わせですよね。

田代 僕がちょうどアニソンを作り始めた頃に、“歌ってみた”や“踊ってみた”のような文化が流行し始めたと思っていて。例えば「ハレ晴レユカイ」の“踊ってみた”が投稿されていたのって、10年以上前の話だから(笑)。Souくん、その頃はまだ小さいよね?

Sou そうですね。まだ動画サイトと出会っていない頃です。

田代 Souくんと同じように、動画サイトで観た作品がきっかけで音楽業界に入ってきた人もどんどん増えてきてるから、僕としては「世代が1つ回ったんだなあ」って、感慨深く感じるところもあります。そしてその世代の“歌ってみた”出身のシンガーの方と、ちゃんと向き合って仕事をできたのは、すごくいい勉強になりました。

Sou 僕たちからしたら、田代さんは動画サイトの文化のおおもとを作った人たちみたいなものですから。僕自身、小さい頃に観ていた動画で人気だった曲を作った人なわけで、もう雲の上の存在なんですよ。

田代 おお!

Sou だから今回一緒に曲を作ることになって、本気で取りかからなきゃいけないっていうプレッシャーがすごかったです。もちろん普段の活動も本気でやってはいるんですけど、普段の歌とはちょっと違う気合いの入れ方をしてました。

勝者だけじゃなくて敗者にもスポットを当てた曲

──新曲「SUMMER VERSE!!」は、デジタルカードゲーム「Shadowverse」の大会テーマソングですが、お二人はそもそも「Shadowverse」のことはご存じでしたか?

Sou 僕は実際にプレイしているゲームだったので、タイアップ先を聞いてビックリしたんです。「あのシャドバの曲を歌うのか!?」って。

田代 (笑)。僕は「Shadowverse」という名前くらいは聞いたことはあったけど、実際に触ってみたことはなくて。今回のお仕事のお話をいただいてから、いろいろ調べてみて、どういうゲームか知りました。中高生を中心にすごく人気のあるゲームなんですよね。

──デジタルカードゲームと呼ばれる分野の中では、国内で一番ヒットしたゲームだと思います。

Sou スマホを使ったゲームっていろいろあるんですけど、そんな中で“トップに君臨するゲーム”ってイメージが強いのが「シャドバ」なんです。だからこそプレッシャーはすごく感じました。

田代 すごくファンタジックで壮大なゲームではあるんですけど、今回は大会のテーマソング、しかもその大会は「甲子園」って謳われてるわけだから、あまりゲーム自体には寄せずにSouくんと大会を戦う高校生たちに合うような曲を意識しました。

──それこそ「甲子園」って言葉には選手が高校生であること、季節が夏であることなど、さまざまな要素が含まれるわけですよね。

田代 例えば野球の甲子園も毎年いろんなドラマがありますよね。勝っても負けても、選手たちが涙を流すくらいのどこか暑苦しいドラマが存在している。その暑苦しさを曲で表現したいな、と思ったのが「SUMMER VERSE!!」制作の出発点でした。

Sou 田代さんは今「勝っても負けても」とおっしゃっていたんですけど、「SUMMER VERSE!!」の歌詞では試合に負けた人にスポットが当たっているんです。

田代 大会って優勝した選手にスポットが当たりがちですけど、実際にはその何十倍もの数、負けてしまった選手がいるわけですよね。「SUMMER VERSE!!」は、大会に敗れて帰る道中にも合う曲、勝者だけじゃなくて敗者にもスポットを当てた曲になっています。大会のあとにこの曲と一緒にこの夏を振り返って「いい夏だったな」と思ってもらえたら何よりですね。

Sou × Q-MHz「SUMMER VERSE!!」
2018年7月25日配信開始 / TOY'S FACTORY
Sou × Q-MHz「SUMMER VERSE!!」

250円

iTunes Store

Sou(ソウ)
2013年に動画共有サイトに歌唱動画を投稿し、シンガーとしての活動をスタートさせる。 2015年に投稿した動画「【爽快に】右に曲ガール 歌ってみた ver.Sou」は、ニコニコ動画内で170万回以上再生されるなど、大きな注目を集めた。同年12月にはデビューアルバム「水奏レグルス」を、2017年9月にはボカロP・ナユタン星人とのコラボアルバム「ナユタン星への爽快列車」を発表した。2018年2月、数々のコラボ動画を投稿してきたEveとのコラボアルバムとして「蒼」をリリース。同年7月、デジタルカードゲーム「Shadowverse」の大会「全国高校生シャドバ甲子園2018」のテーマソング「SUMMER VERSE!!」をSou × Q-MHz名義で発表した。
Q-MHz(キューメガヘルツ)
畑亜貴、田代智一、黒須克彦、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)が「よりよい音楽を積極的に」をモットーに結成したプロデュースチーム。2015年12月に活動を開始した。2016年1月にはボーカリストとして小松未可子、鈴木このみ、東山奈央、南條愛乃、LiSAをフィーチャーした1stアルバム「Q-MHz」を発表。その後は2016年夏に開催されたアニメソングイベント「Animelo Summer Live 2016 刻 -TOKI-」のテーマソング制作、バンドじゃないもん!、田所あずさ、井口裕香、May'nなどへの楽曲提供、小松未可子の全面プロデュースなど、さまざまなアーティストの作品で手腕を発揮している。