音楽ナタリー Power Push - 中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2015
佐藤タイジ×Char 中津川に向けて大放談
太陽光でライブなんて最初冗談かと思った
──さて「太陽光から生まれた電気でロックコンサートを!」という思いから始まった「THE SOLAR BUDOKAN」ですが、Charさんは2012年に日本武道館で行われた第1回にも参加されています。
Char 最初冗談かと思ったんだよ。ソーラーパネルで蓄電してライブをやろうって。それをタイジがやってることが冗談だと(笑)。
佐藤 発起人として。
Char 前年にああいう悲劇(東日本大震災)があったあとだったからいろんなところからイベントや企画に誘われたし、俺自身何ができるか考えていたんだけど、人の2倍、3倍電力使う仕事だから、気持ちはあってもいまいちそういうイベントに乗れない自分がいたのね。そんなときにタイジの話聞いて、「マジ? 本気で言ってんの、お前?」と思ったわけ。「音が全然違う」とかマジな顔して言ってるから、そりゃお前勘違いだよって。
佐藤 いやいや! 音よかったでしょ?
Char 俺、なんでも一緒だから(笑)。でも、その心意気がね。なかなかやれることじゃないから。もちろんタイジ1人じゃなく周りのいろんな人の助けもあったと思うけど。ああいう震災があったあとに一番ストレートな発想で。それをまた実現するっていうのが本当かどうか確かめたくて出演したの。
佐藤 「ホントにやれんのか、お前?」って(笑)。
Char 「ホントに音出るの?」って。単純にね。
佐藤 あのときすげえ楽しかったのよく覚えてる。Charさんが楽屋で一番お酒飲んで、いい感じにステージに出てきて。
Char そうだっけ? 本番前に飲んだりしないよ、俺。って……飲んでた?
佐藤 すげえ調子よかったんですよ。
Char なんにも覚えてないや。じゃあ飲んでたんだな(笑)。
佐藤 (奥田)民生ちゃんも一緒に飲んでて。面白かったのが、最後に「ありったけの愛」をやったとき一緒にCharさんも演奏するんだけど、それが超楽しそうで。うちのドラムの沼澤(尚)さんのほう見て「イエーーッ!」ってやってて。
Char まあ、ほかにやることないからね(笑)。
佐藤 あれがすげえ楽しくって。「超楽しそうにしてる、この人!」って。
Char ベースの人(中條卓)にも仕掛けたんだけど、すぐあきらめて。ていうか、あんだけ人数いるから、自分がなんのフレーズを弾けばいいかってことを探ってたわけよ。
佐藤 ああ、なるほど。
Char リードギターを弾くことが目的でもないし、タイジは歌ってるし、ここはベースと同じリフをなぞろうと思って1コーラス終わるまで、まずベースの人のとこ行ってフレーズを盗んだわけよ。
佐藤 なるほど。
Char そのままユニゾンで楽しくいこうかなと思ったんだけど、シカトされて(笑)。じゃあ、リズムでいこうと思って、タカ(沼澤尚)のほうに行って、今度はグルーヴを合わせたり。だってセッションって1個間違えると別にそんなに人いなくたって……ってなっちゃうところがあんじゃん?
佐藤 あるある。
Char その人たちがいる理由みたいなのがないとさ。今まで何度もゲストで呼ばれたけど、はっきり言えばつまんなかったことのほうが多いわけよ。俺、最高でギタリストが12人ぐらいいるセッションに出たことあるから。
佐藤 ギタリストが12人? それは多いな。
Char そうすると自分のソロの順番待ってるのが長いんだよね(笑)。そういうときは絶対俺、リード弾かないでカッティングするんだよ。卑怯でしょ(笑)。
佐藤 ははははは(笑)。
Char カッティングって音が抜けるじゃん? ギャンギャンやんないと、逆にみんな引くんだ。今度そういうの教えてやるよ。俺はバックミュージシャンの時代が長かったから、サイドは何をやると一番フロントが目立つかっていう音楽的な発想ね。
後輩キャラ・Charの衝撃
──去年の「中津川 THE SOLAR BUDOKAN」ではREVOLUTION STAGE初日のトリ、仲井戸“CHABO”麗市さんのステージでその日の出演者全員による「雨あがりの夜空に」のセッションが行われましたが、エンディングなのに延々とCharさんがリフを弾き始めてなかなか終わらないという“事件”もありました。
佐藤 10回はやったでしょ。
Char そこまでやんないよ。お前さ、そうやって伝説って始まるんだよ。そのうち5年ぐらい経つと「Charが1時間やってた」とかさ(笑)。「みんな撤収してんのにCharだけ弾いてた」「電気の無駄遣いだって言われて降ろされた」とか。
佐藤 ははははは!(笑) 引きずり降ろされたって。あれ、おかしかったねー。CHABOさん、大先輩ですよ。
Char 俺にとってもね。
佐藤 後輩キャラのCharとか見たことないから。だいたいCharさん、どんだけ先輩に対しても呼び捨てじゃないですか。それがCHABOさんに最終的にしばかれてたから、俺、「こんなCharがいるのかー」と思って。
Char かわいがられてたでしょ?(笑)
佐藤 あれがすげえ新鮮で、楽しかったんですよね。
Char CHABOはさ、わりときっちり文学的にというか、セッション1つにしても自分のイメージ通りやりたい人じゃない。わかる?
佐藤 うん、わかる。
Char でも、やっぱり最後のトリを飾るのにそこお茶目に壊せるの俺しかいないと思ったの。お前はできないじゃん?
佐藤 俺はやれないよー。あの感じはやれない!
Char でも、お客さんを見て、これ普通に「ジャン!」で終わってもしょうがねえなって。どうせアンコールでもう1曲やるんだし、だったらとことんお客さんガーッて煽っておいて「やっとChar帰った! さあ、どうぞCHABOさん!」っていうお膳立て?
佐藤 お膳立てだったんだ(笑)。すげえ。
Char 反復のギャグ(笑)。しつこいぐらいのね。もうええっちゅねんっていう。
佐藤 あのときは衝撃でしたよ。こんなCharさんがいるのかって。
Char CHABOの普段出さない面を中津川に来てる人に見てもらいたくてね。いい加減にしろって言われるまでやりたかった。
佐藤 深い愛だね(笑)。実際に「いい加減にしなさい!」って言われてたもんね。
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- 中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2015
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2015年9月26日(土)、27日(日)
岐阜県 中津川公園内特設ステージ
OPEN 10:00 / START 11:00 -
<2015年9月26日(土)出演者>
- REVOLUTION STAGE渋さ知らズオーケストラ / EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX / 斉藤和義 / ACIDMAN / 藤井フミヤ with シアターブルック / Char
- REDEMPTION STAGE東京カランコロン / Nothing's Carved In Stone / OKAMOTO'S / NAMBA69 / ストレイテナー
- RESPECT STAGE子供ばんど / 黒木渚 / the band apart / 勝手にしやがれ / MY LIFE IS MY MESSAGE(山口洋[HEATWAVE]、三宅伸治、Leyona、斉藤和義)/ 麗蘭
- Village Of illusionegoistic 4 leaves / オレスカバンド / The SunPaulo / THE BLACK COMET CLUB BAND / GAKU-MC / 沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)/ DJ吉沢dynamite.jp / Buppa.9+SEIYA / DJ PAIPAI / yasuhiroyonishi / SWEET RAVE (DANCE)
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<2015年9月27日(日)出演者>
- REVOLUTION STAGERIZE / BRAHMAN / 吉川晃司×中津川JAM / The Birthday / Dragon Ash / シアターブルック
- REDEMPTION STAGEROTTENGRAFFTY / SCOOBIE DO / MONOEYES / GRAPEVINE / TRICERATOPS
- RESPECT STAGEbird / 憂歌兄弟 / LIVE FOR NIPPON(高野哲、堂珍嘉邦、Rei) / the LOW-ATUS / 泉谷しげる
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チケット インフォメーション
- 通し入場券 13900円
- 1日入場券 8900円
- プレミアムキャンプ付き 通し入場券 21,460円(※完売)
- キャンプ付き 通し入場券(場内駐車なし)17,140円(※完売)
- 駐車場付き 通し入場券 プレミアムキャンプ券 18,220円
- 駐車場付き 1日入場券 11,600円
佐藤タイジ(サトウタイジ)
シアターブルックのフロントマンにして、作曲家、プロデューサー、俳優など数多くの肩書きを持つアーティスト。1967年に徳島県で生まれ、14歳のときにギターを購入したことをきっかけに音楽の世界にのめり込む。1986年にシアターブルックを結成し、1988年にアナログ盤「Theatre Brook」をリリース。以降、日本随一のファンクバンドの顔として活躍する一方、MCUや清春、tobaccojuiceなどさまざまなアーティストのプロデュースを手がけその手腕を発揮している。2008年5月にはキャリア初となるソロアルバム「The Divorced Rockstar」をリリースした。東日本大震災後、太陽光発電による電力で運営するライブイベント「THE SOLAR BUDOKAN」を企画。2012年12月に東京・日本武道館、2013年9月と2014年9月に岐阜・中津川市で開催して大成功を収めた。
Char(チャー)
1955年東京生まれ。日本を代表するギタリストの1人として、世界的にも高い評価を獲得している。8歳からギターを始め、中学生時代からスタジオミュージシャンとして音楽活動を開始。1973年に金子マリらとともにSMOKY MEDICINEを結成する。バンド解散後、1976年にシングル「NAVY BLUE」でソロデビューを果たす。代表曲は「気絶するほど悩ましい」「smoky」「闘牛士」など。1978年からはジョニー吉長、ルイズ・ルイス加部とJOHNNY,LOUIS & CHAR(のちのPINK CLOUD)を結成し、ソロと並行して精力的な活動を展開。1989年には石田長生とのアコースティックデュオBAHOを結成する。2009年にはWeb主体のレーベル・ZICCAを設立。還暦を迎えた2015年5月に、泉谷しげる、布袋寅泰、奥田民生、松任谷由実、福山雅治ら干支が異なる12人のアーティストたちが参加したアルバム「ROCK十」を発表。同年6月には東京・日本武道館にて13組のゲストを招いてアルバム発売記念公演を開催した。