Slot Machine × I Don't Like Mondays.|世界を見据えるアジアの2組 国境を越えた邂逅

タイのバンコクで結成された4ピースロックバンド・Slot Machineが初の単独来日公演を2017年12月に東京・新宿ReNYで行った。

これまでにLinkin Parkやジェイソン・ムラーズのオープニングアクトを務め、2016年の「FUJI ROCK FESTIVAL'16」にも出演を果たすなど、タイの新世代ロックバンドとして注目度急上昇中のSlot Machine。最新作「Spin The World」は全曲英語詞のアルバムで、U2やThe Rolling Stones、Phish、MGMTら数多くのアーティストの仕事で知られるスティーブ・リリーホワイトがプロデュースを手がけている。

音楽ナタリーではSlot Machineの来日公演でゲストアクトを務めたI Don't Like Mondays.との対談を企画。一筋縄では行かない独自のロックを展開する両バンドのメンバー全員が集まったライブ前の楽屋でお互いの印象、シンパシーを感じる部分、タイのロックシーンなどについて語り合ってもらった。

取材・文 / 田山雄士 撮影 / 新元気

僕らと妙に似てる

──Slot Machineが日本のアーティストとこういう対談をするのは初めてですか?

ファースト(Vo / Slot Machine) そうなんだよ。I Don't Like Mondays.のメンバーとも今まさに初対面!

(Vo / I Don't Like Mondays.) はじめまして。今日はお互い楽しくお話しましょう! 僕らはI Don't Like Mondays.というバンド。ボーカルの悠です。

兆志(G / I Don't Like Mondays.) ギターの兆志です。

謙二(B / I Don't Like Mondays.) 僕は謙二。ベーシストです。

秋気(Dr / I Don't Like Mondays.) ドラムをやってます、秋気です。

I Don't Like Mondays.。左から秋気、悠、兆志、謙二。

Slot Machine一同 オー! うれしいね。よろしくお願いします!

 僕らの名前、(区別するの)難しいでしょ?(笑)

ガク(B / Slot Machine) いやいや、がんばって覚えるよ。僕はベースのガクだ。

ファースト ガクはめんどくさい性格だから、気を付けてね(笑)。僕はファースト。

オート(Dr / Slot Machine) ドラムのオートだよ。

ウィット(G / Slot Machine) 僕はウィット。ギタリストだね、よろしく。

Slot Machine。左からオート、ファースト、ガク、ウィット。

ガク I Don't Like Mondays.は結成して何年?

 5年くらいですね。Slot Machineは?

ファースト 僕らは2018年で14年。

オート どうやって今のメンバーになったの?

 最初は共通の知り合いがいて、そのギタリストが謙二と秋気を誘って、僕も入った形で。でも、結局そいつは抜けちゃって、3人で探して見つかったのが兆志なんです。

オート ワーオ! 僕らと妙に似てる(笑)。

ウィット Slot Machineも最初はもともとのギタリストがメンバーを集めたのに、結局辞めちゃったんだよ。

秋気 おおー!

タイの音楽シーン

──お互いの楽曲はもうチェックしました?

 聴きましたよ。Slot Machine、カッコいい! あ、そうだ。僕ら2年前にタイの「Big Mountain Music Festival」に出たことがあるんです。すごく忙しくて、ライブだけやってすぐ帰ってきちゃった感じだけど。

ファースト そうだったんだ! すごいバンドなんだねー。

秋気 タイのバンドにはほとんどなじみがなかったんだけど、そのときの僕の印象としては、メタルとか激しいサウンドの音楽をやってる人たちが多いなと思いました。だけど、「Big Mountain Music Festival」を観ただけじゃタイのシーンがどんなものかよくわからなくて。で、今回Slot Machineの曲を聴いて、「タイにもUKロック好きが反応できるような音楽があるんだな」って新鮮に感じたんです。

ファースト タイは、ポップミュージックの流行りはまあまあ変わるけど、ロックに関しては揺るぎないものがあるよ。

オート ほかの国と同じように30年以上前からあるし、“ロックネバーダイ”だよね。雑誌にしても音楽フェスにしてもロックは欠かせない。1980年代だとハードロックとかが主で、今はいろんなテイストがミックスされてる。

ガク 今の時代のロックはファッションと融合してて、そこを含めてバンドを形作ってると思うよ。

ウィット ジャズとかレゲエとかももちろん存在してるけど、タイではガツンとインパクトのある音楽が人気だね。

ガク あと、みんな踊るのが大好き!

Slot Machine、I Don't Like Mondays.。

──Slot MachineとI Don't Like Mondays.は相通ずる部分がけっこうありそうですね。両バンドともアーティスト写真がスタイリッシュだったり、エキゾチックなダンスミュージックが好きだったりするので。

ファースト 僕らもそう感じるよ。音楽的にシンパシーがあるし、ドラマーだってどっちもフレンドリーな顔をしてるじゃないか!

I Don't Like Mondays.一同 あははは!(笑)

兆志 確かに、秋気とオートさんは見た目がなんだか似てる!

ガク ベーシストが一番カッコいいのもそっくりだよね。

一同 わはははは!(笑)

ガク ファンクラブに女性が多いみたいで、すごくうらやましいよ!

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U2のボノっぽい

Slot Machine(スロットマシーン)
Slot Machine
タイの4ピースロックバンド。2004年にアルバム「Slot Machine」でデビュー。2006年には「Mutation」収録の「Phan(Yesterday)」「Kham Sutthai (Song for U)」がスマッシュヒットを記録。その後、Linkin Parkのバンコク公演のオープニングアクトに抜擢され、3万人の前でパフォーマンスした。2013年にはMTVヨーロッパ音楽アワードで「トップ東南アジアグループ」の栄冠に輝く。2015年8月、台北で行われた初のインターナショナルミュージックフェス「Super Slippa Festival」に出演。10月には初のイギリスツアーを行う。その後日本の「FUJI ROCK FESTIVAL2016」、韓国の「Jisan Valley Rock Festival」、台湾の「Super Slippa Festival」、香港の「Clockenflap」などに出演。2017年はLive Nationによる北アメリカでの「Asia On Tour」に出演を果たした。また、バンコク最大級の会場であるImpact Arenaにてワンマンライブを開催した。同年12月に、東京・新宿ReNYにて、I Don't Like Mondays.をゲストに迎え初の単独来日公演を実施。
I Don't Like Mondays.(アイドントライクマンデイズ)
I Don't Like Mondays.
悠(Vo)、兆志(G)、謙二(B)、秋気(Dr)からなる4人組バンド。2012年に表参道で結成され、2014年9月にミニアルバム「Play」で日本コロムビアよりメジャーデビューした。音楽とファッションの融合を目指し、楽曲制作、ライブ活動に加えてセレクトショップ「RESTIR」との共同ブランド「IDLMs. CREATIVE DIRECTION BY RESTIR EDITION」を立ち上げるなど多方面で活動を展開している。2016年10月から11月にかけ、全国5カ所をめぐる初のワンマンツアーを開催。2017年6月に新作CD「SUMMER」を発表した。