初めて観たライブは?
ソノダマン 初ライブはどのバンドだったんですか?
こーしくん モーモールルギャバンです。めっちゃ好きなんですよ。
アキラ 地元に来た?
こーしくん そう。3.11の震災のあと、東北ライブハウス大作戦(2011年の東日本大震災を機に立ち上がった被災地復興支援プロジェクト)でいろんなバンドが地元に来てくれるようになって。本当にたくさんライブを観たし、だからバンドを組もうと思ったんです。東北ライブハウス大作戦がなければ僕はここにいないし、BRAHMANがやったことはすごく生きていると思います。
ソノダマン いつかBRAHMANと対バンしてほしいです。
こーしくん メンバーに会ったら泣いちゃうと思います。東京に来てからはそんなにライブに行ってたわけではなくて。ふくろうずが解散間際のときと、あとはBUGY CRAXONEとか。
ソノダマン いいですね。山岸さん、アキラさんは?
山岸 僕の初ライブはライブハウスじゃなくて、星野源さんのさいたまスーパーアリーナ公演ですね。ライブハウスは大学の先輩のライブとかが最初かな。そのあと、シャムキャッツを観に行ったり。
アキラ 私はインターネット文化にどっぷりの人間で、ニコニコ動画から平沢進さんにハマって。平沢さんのライブだったり、平沢さんがやっていたP-MODELの元メンバーの方のライブにも行ってました。山岸と同じ大学のサークルだったので、ライブハウスは先輩のライブが最初ですね。下北沢MOSAiCやERAとか。
──かなりバラバラですね!
ソノダマン それが少年キッズボウイの面白いところだと思います。
こーしくん 僕だけですね、ソノダマンさんとルーツが被ってるのは(笑)。話していて思い出したんですけど、中学の頃、ヤンキーの先輩にかわいがられていて、なぜかメロコアのCDをもらったりしてたんですよ。銀杏BOYZ、Hi-STANDARD、locofrank、HAWAIIAN6とか。特にlocofrank、HAWAIIAN6はとにかくメロディがよくて、すごく好きでした。なので自分で曲を作るようになってからもメロディ至上主義なところがあって。
ソノダマン 確かにlocofrank、HAWAIIAN6は曲がめっちゃいいですよね。
こーしくん そうなんですよね。どっちのバンドもライブは観たことがなくて。僕は腰が重いというか(笑)、家で音源を聴いて満足しちゃうところがあるので、そこはソノダマンさんと違うところなのかなと。
ソノダマン ライブを観ると「この人たち、こういうことを思ってるんじゃないかな」というのが伝わってくることも多くて。少年キッズボウイからは「めっちゃいい音楽をやろう」という気持ちが伝わるんですよね。それぞれ好きなものがバラバラなメンバーが集まって、ポップな音楽をやってるのも面白いなと。
山岸 メンバー全員がリスナー気質というか、音楽が好きなんですよね。
アキラ ポップなものも好きです。私もこのバンドに誘われたとき、曲がいいから入ろうと思ったので。
対バンが楽しくて楽しくて……その理由とは
──「音楽が好き」「ポップでいい曲をやりたい」という思いがメンバーをつなげている、と。
こーしくん 社会人の音楽サークルだと思ってるんですよ。社会人2年目のときにバンドを組んだんですけど、なんでやろうと思ったかというと、友達が欲しかったから(笑)。音楽が好きな人たちとおしゃべりしたくて、仲間を集めていく中で、なんとなくバンド活動を始めて。ただ、ライブをやる意味がわからなかったんですよね。
アキラ・山岸 あはははは。
こーしくん 観るのはいいんだけど、自分がやるのは恥ずかしくて。さっきも言ったように、中高生のときにそういうカルチャーに触れてなかったので。「楽しいな」と思い始めたのは、いろんなバンドと対バンライブをやらせてもらうようになってからですね。好きなバンドのライブをタダで観られるじゃないですか(笑)。
──(笑)。フェスとかイベントだとさらに最高ですね。
アキラ マジでそうです(笑)。サーキットイベント大好きです。
こーしくん いっぱい観られるからね。
山岸 サーキットに出ると、最後までいますね。
ソノダマン 自分もサーキットイベントはよく行きますけど、少年キッズボウイが出てると、メンバーを必ずほかの会場で見かけるんですよ(笑)。
アキラ ソノダマンさんと並んでいろんなアーティストのライブを観てます(笑)。いいバンドを知れたり、好きなバンドと対バンできたりするのも少年キッズボウイを続けている原動力になってるかもしれないですね。
ソノダマン いいですね。少年キッズボウイのライブについて言うと、観ていてとにかく楽しいんですよ。まずメンバーの皆さんが楽しそうで、素晴らしい音楽を演奏している。それを観ているとこっちも楽しくなるっていう。仕事をしながらバンドをやっているのも関係してるかもしれないですね。自分もそうですけど、ライブハウスの解放感を味わいたくてライブに通っているところもあるので。
山岸 ライブの日はメンバーのうち誰かしら仕事終わりで会場に来てますからね。確かにそういうバンドはあまりいないかも。
──仕事のストレスからも解放されて。
ソノダマン そうじゃないとやってられないです(笑)。
山岸 ライブがあるから仕事もがんばれる。そこも同じかも。
ソノダマン たまに仕事で問題が発生して「チケットを持ってるのに間に合わない」ということもあって。そういうときはさすがにヘコむし、仕事を辞めたくなります(笑)。
メジャーデビューしても、昇進しても、変わらずに
──少年キッズボウイは2025年5月にメジャーデビューしました。メジャーデビューしたことによって活動の仕方が変わってきたのでは?
山岸 そこは崩さずやっていきたいと思っています。「社会人をやりながらバンドをやっている」ということも含めてメジャーデビューさせてもらった部分もあるし、今まで通りにやっていきたい気持ちはより強くなっているのかなと。働きながらバンドを続けて、どこまで楽しめるのか。その先を見せたいし、ファンの皆さんにも見てもらいたいんですよね。
アキラ 職場の年次が上がってきて、より忙しくなってるメンバーもいるんですよ。そこもちゃんとバランスを取りたくて。
山岸 そう、意外とみんな仕事ができるっぽくて(笑)。そっちもしっかりやりながら、うまくバンドを続けていきたいんですよね。
アキラ 会社で嫌なことがあっても「バンドがあるしな」って(笑)。
こーしくん 逆にバンドで嫌なことがあったときは「でも出世してるから」と思えるかも(笑)。自分としてはアマチュア感みたいなものをずっと持っておきたいんです。バンドをパッケージにして売りたくないというか、完成されたもの、きれいなものを見せたいわけではないので。
ソノダマン 少年キッズボウイがメジャーデビューすると聞いたときは、かなりびっくりしました。でも、半年くらい経ってもいい意味で変わってない。ライブに行ってもスタッフが増えているわけでもなく。
山岸 スタッフは増えてますよ(笑)。
ソノダマン 失礼しました(笑)。でも、メジャーデビューしたあとにメンバーが物販にいるバンドってそんなに多くはいなくないですか?
アキラ 確かにそうかも。
ソノダマン そういうところも含めて、変わった感じがしないですね。ライブの本数が増えたのもうれしいです。増えた分、たまに行けないこともあるんですけど。
山岸 ライブ中に「今日はいないな」って思ったりします(笑)。それくらい、いつも来てくれるってことなんですけど。
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作品の幅が広がった「もっと少年キッズボウイ」




