音楽ナタリー Power Push - 篠崎愛

赤いドレスで開けたメジャーシーンの扉

どうなっていくのかな?ってワクワクしています

──音楽の話に戻ると、芸能デビュー10年目を迎えた昨年にソロアーティストとしての活動がスタートし、年末にはアルバム「EAT 'EM AND SMILE」がリリースされました。アルバムではさまざまな方向性を試すかのように、いろんなタイプの曲調が収められている印象でした。

篠崎愛

そうですね。好きな曲のジャンルもいろいろだし、せっかくのアルバムだからいろんな曲調のものを入れたほうが聴いていても面白いかなとか思って。あえてジャンルをバラバラにして、ジャケットも白にして歌だけで勝負したいっていう意味も込めたり(笑)。

──グラビアの篠崎愛とアーティスト篠崎愛を切り分けるため、スマートフォンを裏返してビジュアルを隠さないと音楽が聞こえないという思い切った施策もありました(参照:見るか聴くか、篠崎愛が2択を迫るスマホMV「私を、聴いて。」)。

かなり思い切りましたね。

──次はどんなアクションを? と思ったら、満を持してのメジャーデビューで。メジャーの話をもらったときはどうでしたか?

うれしかったですよ! とっても。メジャーデビューとなるといろんな人が携わってくれるから表現や活動の幅も広がっていくだろうし、どうなっていくのかな?ってワクワクしています。

悪い方の篠崎愛

──メジャーデビューシングル、めちゃめちゃいいタイトルですよね。

はい。「口の悪い女」。

──いろんなジャンルの音楽を試したアルバムから一転して、今回はすごく統一感がありますよね。カップリングを含めて、歌謡曲的なムードで統一されています。

グラビアでは「癒やし系」というかそういうイメージだと思うので、「メジャーデビューの1発目、なんかインパクトのあるものがいいよね」って考えたときに、ちょっと強めな“悪い方の篠崎愛”を出したら面白いんじゃないか?という話になったんです。タイトルだけでもインパクトありますよね。篠崎が「口の悪い女」っていうだけでちょっと引っかかると思うし。

──“悪い方の篠崎愛”と“癒やし系の篠崎愛”、実像としてはどちらが近いんでしょう。

私は基本的には天使です(笑)。天使なんだけど、みんな誰しも悪い面はあると思うんです。私も別に癒やしだけではなくて「こんな部分もありますよ」って。

──「口の悪い女」は往年の歌謡曲にもよくあった、ジャズの要素を取り入れたスウィング感のある楽曲で、そこに乗せる歌の節回しには篠崎さんの好きなハロプロイズム、中でも松浦亜弥さんを彷彿とさせる“あややイズム”を感じました。かつ、後藤真希さんのような憂いもあって。

おお。ありがたい。松浦さんや後藤さんはもちろん大好きなので、うれしいです。

──篠崎さんにとって、この曲のポイント、聴きどころは?

歌詞がいいんですよ。たぶん「わかるー!」っていう女の子がたくさんいると思うんです。逆に男性はこれを聴いてちょっとハッとしてほしいというか。この歌に登場する男はホントにダメ男なんですけど、それに対して女はバーッと言いたいことを言うけど、最終的に好きなんですよ。ダメ男って「かわいいな」って思える魅力があったりするんです。そういうところが、たぶん女の子は共感できるような歌詞になっています。

歌の世界で大人になれるのは楽しい

──歌に関してはどうですか? ハイレベルな楽曲を軽々歌いこなしている印象ですけど。

いや、難しいですよ! とても。最初に聴いたときは「面白い曲だな、歌いたいな。でも歌えるかな?」って思って。最初はもっとテンポが遅かったんですよ。その時点でも私は速いと思っていたんですけど「もうちょっとテンポ上げてみようか」「もうちょっとキー高くしてみようか」って言われて「とんでもない」と思いながら(笑)、この形に行き着きました。結果すごく素敵に仕上がったと思うのでよかったんですけど、まあ難しいですね。でも歌い甲斐があるというか、ライブをしていてもすごく楽しいです。

──あややイズムを感じる節回しは自然に?

曲のイメージで自然に出てきたものと、あとは曲を作ってくださった方と話しながら「この感じはどうかな?」「ああいう感じはどうですか?」と提案しながら一緒にやっていきました。

──「口の悪い女」はすでにリリースイベントやテレビ番組などで披露されていますけど、この“黒篠崎”なイメージは、これまでのファンにも受け入れられていますか?

この間、新橋のお祭りで歌ったら、みんなすごく盛り上がってくれて(笑)。耳なじみがいい曲だからなのか、一緒に盛り上がってくれました。

──「口の悪い女」が3分35秒で、カップリングの「BAD LOVE」は3分28秒、一番長い「快楽主義」も4分10秒と、全曲がコンパクトなのも歌謡曲らしくていいですね。

そうですね。私も長々しているよりサッとまとまってるほうが好きです。

──「BAD LOVE」は「愛と愛をアイヤイヤイ」というフレーズが強烈に歌謡曲っぽくていいですね。この曲に登場するのもまた、気の強い女性です。

ちょっと自由でワガママな女っていう感じ。全体的に大人っぽさを意識して歌いました。

──「快楽主義」はサウンド的には3曲の中では新しめの音ですが、やはり世界観的にはシングル全曲に通じる“歌謡曲感”“大人感”があります。

そうですね。あとやっぱり「快楽主義」ってタイトルも大人っぽくって素敵ですよね。

──篠崎さんは芸能歴10年とは言えまだ24歳ですし、童顔なのであまり大人のイメージはないですよね。大人の女性に対する憧れはありますか?

憧れはずっとあります。顔も童顔って言われ続けてきたから大人っぽい顔に憧れたし、年齢的にやっと追いついてきたかなとは思っていますけど、まだまだ全然「子どもみたいだね」って言われるし。だから歌の世界で大人になれるのは楽しいです。

メジャーデビューシングル「口の悪い女」/ 2016年8月24日発売 / Sony Music Records
初回限定盤 [CD+フォトブック] / 1800円 / SRCL-9112~3
通常盤 [CD] / 1300円 / SRCL-9114
収録曲
  1. 口の悪い女
  2. BAD LOVE
  3. 快楽主義

「口の悪い女」ミニライブ&特典会

2016年8月25日(木)
東京都 タワーレコード池袋店
START 19:00
2016年8月26日(金)
東京都 HMV&BOOKS TOKYO
START 19:30
2016年8月27日(土)
愛知県 イオンモール大高 1F グリーンコート
START 14:00
2016年8月27日(土)
愛知県 名古屋パルコ西館1Fエントランス
START 18:00
2016年8月28日(日)
神奈川県 ラゾーナ川崎プラザ
START 13:30
2016年8月28日(日)
東京都 タワーレコード新宿店
START 18:00
篠崎愛(シノザキアイ)
篠崎愛

東京都出身の歌手・グラビアアイドル・タレント。2006年6月、14歳のときにグラビアアイドルとしてデビュー。中学生限定のグラビア雑誌「Chu→Boh」の看板アイドルとして活躍する。2011年には4人組アイドルユニット・AeLL.のメンバーとしても活動を開始。また同年、白泉社「ヤングアニマル」で2011年度ミスヤングアニマルグランプリを獲得した。2015年4月、プライベートレーベルよりシングル「A-G-A-I-N」をリリースし、ソロ歌手としてデビュー。同年12月には1stアルバム「EAT 'EM AND SMILE」を発表する。2016年8月24日にソニー・ミュージックレコーズよりメジャーデビュー。シングル「口の悪い女」をリリースした。