音楽ナタリー Power Push - 篠崎愛
赤いドレスで開けたメジャーシーンの扉
篠崎愛がメジャーデビュー。8月24日にソニー・ミュージックレコーズよりシングル「口の悪い女」をリリースする。
2006年、14歳のときに芸能活動をスタートさせた篠崎。グラビアアイドルとしての才を発揮し活躍の場を広げていった彼女だが、芸能界に飛び込むずっと前から歌うことへの情熱を静かに抱いていた。メジャー1作目のリリースを記念し音楽ナタリーでは篠崎にインタビューを実施。音楽と共に歩んできたこれまでの歩みから「口の悪い女」に込めた思いまでを聞いた。
取材 / 臼杵成晃 文 / 三橋あずみ 撮影 / 山田薫
「歌手」って強めに書いたあとに消して「ケーキ屋さん」って
──活動10年目でのメジャーデビューということで、今回は篠崎さんの音楽的なルーツの部分から今現在に至るまでのお話を聞ければと思います。子供の頃から歌が好きだったというお話ですが、最初に音楽に興味を持ったきっかけは?
モーニング娘。さんですね。小学生ぐらいのときかな。ずっと「かわいいなあ」って思いながらテレビを観ていて。
──テレビを観ながら一緒に歌う、みたいな。
そうですね。友達と「モーニング娘。ごっこ」とかやっていました。
──モーニング娘。ごっこ?
はい。モーニング娘。さんの真似をするんです。「誰が加護ちゃんやる? 辻ちゃんやる?」みたいな。
──ちなみに篠崎さんは誰役だったんですか?
私は加護ちゃんですね。
──その頃から歌を歌うことが楽しかった?
楽しかったです。ただ、人前ではまったく歌えなかった。
──篠崎さんはどんな子供だったんでしょう。活発なタイプ?
小学生ぐらいまではけっこう活発で、知らない子にも自分から話しかけて友達になるみたいな感じだったんですけど、なんか急に恥ずかしくなって、どんどん人見知りになっていって。低学年のときはまだマシだったんですけど、どんどん……まあ、女の子になっていったというか(笑)。
──自我が芽生えて。
そうですね。徐々に人と話せなくなってしまって。
──そうなってくると、歌も歌えなくなってしまう?
あ、でも活発な頃から人前では歌えなかったです。恥ずかしくて。だから家で、親がいないときに窓を全部閉めきって歌うみたいな感じでした。
──女の子がよく将来の夢として挙げるものに、看護師や保母さんと並んで「歌手」「アイドル」もあったと思うんですけど、篠崎さんは?
「将来の夢」の欄にはケーキ屋さんって書いていました。本当は歌手になりたかったから、一旦「歌手」って強めに書いたあとに消して「ケーキ屋さん」って(笑)。「歌手」って書いたら「じゃあ歌ってよ」とか言われそうじゃないですか。絶対歌えないから。
最初は全然笑えなかった
──「人前に出るのが恥ずかしい」といったような気持ちがある中で、なぜ中学時代にはグラビアを始めたんですか? 人前に出るのが仕事、みたいな職業だと思いますが。
スカウトされて入った事務所が、たまたまグラビアが強い事務所だったんです。「海外に行けるよ」って言われて、事務所に並んでいる写真集はどれもキレイな海をバックに女の人がかわいく写っているものばかりだったから「いいな」と思って。
──「いいな」と思う気持ちが、引っ込み思案な自分に勝ったということ?
まあ楽しそうだし、なかなかできることじゃないからっていう思いですね。それに「いつか歌の仕事につながるかも」という思いも若干ありました。だから事務所に入ることにしたんです。そうしたら、写真集とかDVDとか、リリースがすぐに決まっちゃって。でも、海外に行けるとは思っていたけど、水着を着るとはホントに思ってなかったから。
──水着への抵抗はどうやって拭ったんですか?
最初のうちは拭えないままでした。「衣装合わせです」って言われて大人の前で水着になんなきゃいけないし、「何これ?」とか思いながらもとりあえずやって。だから本当に、最初のロケは全然笑えなかったです。14歳のときに1週間ぐらいフィリピンのセブへ行ったんです。ホームシックだし全然笑えなくて「どうしよう」って思いながら。でも、やっていくうちに徐々に慣れていって。
──最初のロケでいきなりつらい目に遭っても、すぐ「辞めたい」とはならなかったんですね。
思いましたよ。最初の1年は特に。「もうダメだ!」って(笑)。辞めたいなと思った一番の理由は、お休みの日が全部撮影なんです。中学生、高校生のときって遊びたい時期だから……。
──普通の中学生、高校生の青春を捨てなきゃいけないですもんね。
そう。友達に「どっか遊び行こうよ」って誘われても「明日撮影だ……」って。部活にも行けなかったし、夏休みはロケがまとめて入っちゃうから全然遊べなくて、「もうやだ!」って思っていました。でも、その時期にがんばっていなかったら今こうして活動を続けていられなかったかもしれないし、やっててよかったのかなって思います。
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- メジャーデビューシングル「口の悪い女」/ 2016年8月24日発売 / Sony Music Records
- 初回限定盤 [CD+フォトブック] / 1800円 / SRCL-9112~3
- 通常盤 [CD] / 1300円 / SRCL-9114
収録曲
- 口の悪い女
- BAD LOVE
- 快楽主義
「口の悪い女」ミニライブ&特典会
- 2016年8月25日(木)
- 東京都 タワーレコード池袋店
- START 19:00
- 2016年8月26日(金)
- 東京都 HMV&BOOKS TOKYO
- START 19:30
- 2016年8月27日(土)
- 愛知県 イオンモール大高 1F グリーンコート
- START 14:00
- 2016年8月27日(土)
- 愛知県 名古屋パルコ西館1Fエントランス
- START 18:00
- 2016年8月28日(日)
- 神奈川県 ラゾーナ川崎プラザ
- START 13:30
- 2016年8月28日(日)
- 東京都 タワーレコード新宿店
- START 18:00
篠崎愛(シノザキアイ)
東京都出身の歌手・グラビアアイドル・タレント。2006年6月、14歳のときにグラビアアイドルとしてデビュー。中学生限定のグラビア雑誌「Chu→Boh」の看板アイドルとして活躍する。2011年には4人組アイドルユニット・AeLL.のメンバーとしても活動を開始。また同年、白泉社「ヤングアニマル」で2011年度ミスヤングアニマルグランプリを獲得した。2015年4月、プライベートレーベルよりシングル「A-G-A-I-N」をリリースし、ソロ歌手としてデビュー。同年12月には1stアルバム「EAT 'EM AND SMILE」を発表する。2016年8月24日にソニー・ミュージックレコーズよりメジャーデビュー。シングル「口の悪い女」をリリースした。