歌うと涙が出る「哀唄日夜」
如月 みんなは今回のシングル曲「哀唄日夜」をどう感じたの?
ほまれ 品川でのワンマンに向けてメチャクチャ大変な時期に、この曲のデモが届いたんですよ。ちょうどお風呂入っているときに聴きながら歌詞を読んだら、もう感情のままに涙が出てきちゃうくらいエモい曲で……。
とわ デモを最初に聴いたとき「これはすごい曲がきたぞ!」と、すごくワクワクしたんですけど、その分この曲をどうやって自分の歌い方や表現で形にするかすごく悩みました。曲が素敵だからこそ悩みも大きかった。
まうる 確かにレコーディングはすごくプレッシャーがありました。これまでの星歴にはここまで明確に“哀”の感情を表現する曲がなかったんですよね。「哀唄日夜」をいただいて、私たちもこういう表現ができるようにならなきゃいけないんだと思って。
如月 個人的に、星歴って自分たちの身の丈に合わないような、ちょっと背伸びした感情を歌うグループなんだと感じているんです。でも品川のワンマンを観て、やっと本人たちが曲の感情に追い付いたと感じたんです。それはステージ上で演じているというのともちょっと違って、笑顔で歌っているときに一瞬だけ悲しい顔をする、みたいな。そういう表情ができるようになった星歴の次のシングルが「哀唄日夜」という曲に決まって「ああ、やっぱりこういうタイミングだよな」とすごく思ったんです。そこはなんか本当に作家の皆さんさすがって感じで。
あかね すでにライブで2回「哀唄日夜」を歌ったんですけど、2回とも涙が出ちゃって。歌うと気持ちが曲に乗り過ぎてしまうんですよね。でも私だけじゃなくて、お客さんも涙を流して聴いてくれているんですよ。それくらいこの曲はすごいパワーを持った曲だと思っています。
こもち 特にあかねのいい表情が出るのがこの曲なんじゃないかなって思います。
とわ 1個言いたいのがね、この曲にはあかねの吐息が入っているんですよ。
まうる 息継ぎとかじゃなくて?
とわ 息継ぎじゃないんだよ。本当に吐息。そこを聴くのが大好きで。あかねのこの曲への入り方はけっこうすごくて、表情もそうなんですが、ダンスのキレもすごいんですよ。気合いが入ってる。
──吐息はあえて入れたものなんですか?
あかね 自分ではあまり気付いていなかったんですけど、私、悲しい気持ちになるとため息みたいな吐息が漏れるみたいで……。
とわ そう。それが入ってる。
あかね もしかしたらライブのほうが強く出てるかもしれないです。「あ、なんか息が漏れてた」って思う瞬間がけっこうあるから(笑)。
如月 星歴13夜はファンタジックな世界観を打ち出したグループなんですけど、ふとした瞬間にすごくリアルな表情が出るようになったんですよね。日常と夢の境目にきた感じ。
まうる ライブのとき、どこか現実じゃない意識はあるんですよね。「ここは浮世じゃない!」みたいな。
とわ 自分たちでは意識していたけど、ライブを観ている人にそれが伝わっているとすればうれしいな。
星歴13夜は夜の遊園地
──なぜ「Night Merry」で如月さんが作詞を担当することになったのですか?
如月 ぜん君。のワンマンの楽屋で社長が制作に追われているときがあって、そこで「Night Merry」のトラックを流していたんですよ。で、なんとなく思い付いて「夜の遊園地みたいだね」と口にしたら「詞、書く?」と言われて。でもそのときはこのトラックが星歴の曲かどうかも知らなかったから「え、書きますけど誰の曲ですか?」みたいな。
──その「夜の遊園地」というイメージと星歴のイメージは近かったんですか?
如月 近いというより、もうそのものですね。星歴のライブを観ていたときに、それこそピンポイントで「夜の遊園地みたい」と思っていたんですよ。夜の遊園地といっても賑わっている場所じゃなくて、照明はちょっとにぎやかだけど人があまりいない田舎の遊園地のイメージ。だから歌詞のアイデアはすぐ出てきました。ただ、言葉はすぐ出てくるけど曲に当てはめていくのがけっこう難しくて。
──そもそも如月さんには作詞の経験があったんですか?
如月 言葉のアイデアを出すことはありましたけど、ガッツリ歌詞を書いた経験はあまりなかったんですよね。というのも一度ぜん君。の「ヤンデレクイエム」という曲の歌詞を少し書く機会をいただいたんですが、作詞のGESSHI類さんに「歌詞が残酷すぎて使えないよ(笑)」と言われまして……。
こもち すごく気になる(笑)。
如月 ただ当時はまだ自分たちの中でもぜん君。の方向性というか、イメージがつかみ切れていなかったのかなとも思っていて。今回は星歴のイメージが自分の中でしっかりあって、さらにそのイメージにピッタリくる曲があったので書きやすかったですね。書いているときも楽しかったです。
こもち 実は私たち、愛海さんから夜の遊園地のイメージと聞いたのは今が初めてなんですけど、振り付けを考えるときにみんなで夜の遊園地をイメージしていたんです。夜に行われるパレードみたいなものをテーマにしようって。
とわ うん。今、話を聞いていてすごくすごくうれしくなった。
如月 歌詞を書いてたらね、ちゃんと5人全員の姿が出てきたんですよ。言葉にするのは難しいけど、5人が星歴13夜じゃない別の場所で出会った世界線の話みたいなイメージで。最後に“向こう側”で笑っている1人は、ほまれだったんだよね。だから振り付けの中でさ、ほまれが1人で手を振るじゃん? それが本当に私の思い描いていたイメージにピッタリで。
あかね なんかすごい。鳥肌立っちゃった……。
とわ 歌詞について今日初めて聞いたんだけど、もっと早く聞けばよかった。
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星歴だからこその挑戦