星歴13夜がニューシングル「哀唄日夜」を3月18日にリリースする。
音楽ナタリーでは星歴13夜とシングルのカップリング曲「Night Merry」の作詞を手がけた如月愛海(ぜんぶ君のせいだ。)を交えたインタビューを実施。グループ結成時のプロデュースワークにも関わっていたという如月は、結成から1年が経過した星歴13夜の成長をどう感じ、楽曲の制作に携わったのか。如月とメンバーへのインタビューを通じ、グループの歩みと現在地について話を聞いた。
取材・文 / 倉嶌孝彦 撮影 / 関上貴也
星歴にとって親のような存在
──今回の取材にはシングルに作詞で参加した如月愛海さんにも参加していただきました。そもそも如月さんはグループ結成のタイミングからグループのイメージ制作などに携わっていたと伺っています。
如月愛海(ぜんぶ君のせいだ。) はい。「どういうグループを作るか」みたいなところからいろいろ意見を出させてもらっています。星歴の出発点は、レーベルのスタッフさんたちと「これまでのコドモメンタルにない要素を持った新しいアイドルグループを作ってみたいよね」と話していたことなんです。私は自分がやっているぜんぶ君のせいだ。も普通の女性グループだと思っていたんですけど、続けていくうちになんだかパンチが効きすぎたグループになっちゃって。なので、新しいグループは“コドモメンタルのイメージとは違う、かわいい清純派なイメージ”という枠組みでやってみたら面白いと思っていたんです。それでいろいろ意見を出しているうちに私の好みもグループに反映されていって。
──それはどんな要素ですか?
如月 例えば星歴13夜という名前も、私の好きなものを詰め込んだものなんです。なぜかと言うと、昼間の時間って基本的にみんな気を張っているんですよ。でも夜になるとポッと気を許したひと言を発しちゃう、みたいな。もしかしたら自分がぜんぶ君のせいだ。をやっているときにはできない表現を彼女たちに託したかったのかもしれない。
寝こもち(星歴13夜) こもちは星歴に入る前からコドモメンタルのライブを観るのが好きだったから、もちろん愛海さんのことは知っていたんです。そもそもメンバーとして関わる前から愛海さんさんは先頭に立って集団を引っ張っていく存在という印象が強くて。グループとして入る前から、こもちが一番尊敬する人だったんです。
──如月さんは星歴13夜のライブもよく観ていますよね。
如月 可能な限り、観られるライブは観てますね。なんだかちょっと娘を見る親の視点に近いような……(笑)。
園ほまれ(星歴13夜) 冗談抜きで愛海さんは星歴にとって親のような存在だと思います。例えばデビューする前にメイクとか髪型の方向性を決めてくれたのは愛海さんだから、ほまれを作ってくれた人だと思っています。
天まうる(星歴13夜) 本当に、星歴の親と言っても過言ではないと思う。
浮あかね(星歴13夜) 初期の頃、ライブ前に緊張していると愛海さんが寄り添って応援してくれてたんですよ。もうそのときからすごく大きい人なんだなと思って。
色とわ(星歴13夜) 愛海さんにはシングルに収録されている「Night Merry」という曲の歌詞を書いていただいたんですけど、もう歌詞を読むたびに「愛海さんは星歴のためにこれを書いてくれたんだ」という感慨に包まれちゃって。歌詞を書くのってきっとそんなに簡単なことじゃなくて、時間もかかるし、頭も使うし。なんなら自分たちのグループの活動だってあるわけじゃないですか。そんな愛海さんが星歴のために歌詞を書いてくれて、すごくうれしかったんですよ。ひょっとしたら愛海さんは星歴のことが好きなのかもしれない、って今思ってます。
如月 好きじゃなきゃライブとか観にいかないよ!
曲に導いてもらった1年
──メンバーの皆さんは結成当初から比べてグループがどう成長したと感じていますか?
こもち 大きく変化したのはメンバー同士ですごく助け合えるようになったことだと思います。結成当初はそれぞれが自分のことに必死だったから、周りができているかどうかすら見えていなかった。
とわ 私、もともと意地っ張りというか、プライドがちょっと高いところがあって。最初はメンバーに自分の弱みを見せることができなかったし、例えばできないことを「できない」って正直に言うこともできなかった。でもみんなでいろんなことに挑戦していく中で、そういう小さなプライドに囚われていちゃいけないと思って。今はメンバーみんなを信頼しているし、助けられるところは助けるし、できないことはフォローしてもらえるようになりました。「あ、今日なんかダメだ」と思ったら「今日の私、ヤバいです」って正直に言えるようになった(笑)。
ほまれ ほまれも同じかも。ほまれはレコーディングが苦手で、最初はみんなに教えてって言えなかったんです。でも今はできないことを受け入れてみんなに相談して、わからないことは教えてもらえるようになった。当たり前のことですけど、自分1人でがんばるより、誰かに教えてもらってがんばったほうが成長のスピードが速いんですよ。
まうる 星歴って誰か1人のがんばりに引っ張られてここまできたグループじゃないんですよ。みんなが言っていた通り、5人全員が助け合いながら進んできた。私は個人的に、星歴13夜の曲に導いてもらってきた気がするんですよね。
とわ なんか素敵。
まうる (水谷)和樹さんが書いた曲を聴いて「こういう表現ができるようになろうね」ってみんなで相談し合っていろんな曲が歌えるようになったから。
あかね みんなの表現力はすごく上がったと思う。特にライブ中の表情がすごく変わったんだよね。最初は必死な表情でライブをしてたんだけど、今は笑顔も切ない顔も、苦しい表情も全部ちゃんとステージ上で表現できていて「みんな表情豊かになったな」「成長しているな」と思いました。
──如月さんはグループの外から見ていて5人の成長をどう感じていますか?
如月 1月の品川インターシティホールでのワンマンを観て、5人が何度もお互いに目を合わせているのが印象的だったんです。それは彼女たちがお互いを信頼し合っている証拠であり、寄り添い合ってグループを作っているんだと感じました。それはけっこうすごいことだと思うんですよ。
──例えば、ぜんぶ君のせいだ。の結成1年目の頃と比べると……?
如月 ぜん君。のその頃はもうハチャメチャだったので(笑)。「それぞれ個を立たせなきゃいけない」みたいな気持ちが全員強すぎて、お互いを信頼していたけど、それよりも役割分担としてそれぞれの得意を任せる、みたいな感じだったんですよ。それこそ、私たちは逆にお互いに弱いところを見せ合わないで歩んできたかもしれない。それが間違いだったとも思ってはいないけど、こうやって5人が一緒に進んでいるグループは素敵だなって。
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歌うと涙が出る「哀唄日夜」