ナタリー PowerPush - SECRET 7 LINE
もっと自由に!もっと楽しく! バンドの幅を広げた快作「LIVE HARDER」
SECRET 7 LINEがニューアルバム「LIVE HARDER」をリリースする。前作「NOW HERE TO NOWHERE」から1年9カ月ぶりに発表される今作は王道メロディックパンクチューンの「PIECE OF CAKE」や、四つ打ちビートが印象的な「BREAK OUT」、ジャスティン・ビーバーの大ヒット曲「BABY」のカバーなどバラエティに富んだ全14曲を収録。結成7周年を目前に、よりグレードアップした“SECRET 7 LINE節”を堪能することができる。
ナタリーではメンバー3人にインタビューを実施。過去最長となった制作期間についてや今作にかける思いなどをたっぷり語ってもらった。
取材・文 / 荒金良介 インタビュー撮影 / 佐藤類
焦るよりもいい作品をしっかり届けよう
──SECRET 7 LINEはデビュー以来年に1枚のペースでリリースが続いていましたが、今作は1年9カ月ぶりのアルバムとなります。ここまで期間が空いた理由は?
SHINJI(B, Vo) とりあえずライブを集中してやってたんです。
TAKESHI(Dr, Vo) ライブと曲作りを並行して続けて、レコーディングも長いスパンでやってたんですよ。3回に分けて録ったから、それで長く空いた感じです。
RYO(G, Vo) 今までのペースで出すことも可能だったけど、今回に関してはリリースの時期を決めずとにかく曲をどんどん作って、その中から選んで録ったんです。曲作りの期間は今までで一番長かったんじゃないかな。
──それは妥協せずにいい作品を届けたかったから?
SHINJI そうですね。自分たちのイベント(「THICK FESTIVAL」)も手がけるようになったし、バンド内で次が勝負だなという気持ちはありました。だから焦るよりもいい作品をしっかり届けようと。
──今年は結成7周年でもありますからね。
TAKESHI それもありますね。例えば去年は「京都大作戦」や周りの友達のSiM、HEY-SMITH、TOTALFATのツアーに呼ばれて、前より多くの人の前で演奏する機会が増えた。だからこそ次が勝負だと3人とも感じて、それをスタッフ陣も汲み取ってくれたんだと思います。
RYO 去年は音源をリリースしなかったけど、停滞というより1つ上に引き上げられた状態なので満を持してという感じです。
SHINJI あと、バンドがグッとステップアップできるタイミングって、そうないと思うんですよ。それが今回のタイミングだと思っていたんです。まあどうなるわからないけど、ちゃんといいものを出そうと。
──去年の流れも今作に関係していると。今シーンを見渡すと、SECRET 7 LINEのようなメロディックバンドって希少ですよね?
RYO 僕らのラインのメロディックバンドって少ない気はしますね。シーン的にはラウドのほうが盛んというか。これは人から聞いた話ですけど、「今はラウドが盛り上がってメロディックは厳しいといえば厳しい。今それほどメロディックバンドが出てこないのは、逆にチャンスじゃないかな」って。ラウドシーンが下火だった時期は大変だったかもしれないけど、それでも残ってる人たちは残ってますからね。
いろんな音楽を聴くようになって選択肢も増えた
──アルバムの話に移りたいんですが、今作は過去最高にバラエティに富んでますね。
SHINJI はい、あえてそうしました。今までなら自分たちらしくないと思ってやらなかったことも、もう一歩突き詰めてやろうと。
──もう一歩突き詰めるとは?
SHINJI やっぱりバンドとしてひと回りもふた回りも大きくなりたかった。以前はバンドのスキル的にもできなかったことが、今はできるようになったし。アレンジ面でも今まで思いつかなかったことが、いろんな経験や対バンを重ねることでアイデアが浮かぶようになった。
TAKESHI 幅は確実に広がりましたね。1作目より2作目、2作目よりも3作目という感じで広げていたけど、今回はその幅は一番大きいと思います。曲作りがうまくなったのかな?
SHINJI 視野が広がったのかなと。最初の頃は自分たちが好きな音楽だけ聴いてそれをやろうと思っていたけど、バンドを始めてからいろんな音楽を聴くようになってテンポやリズムの選択肢も増えた。今回はもっと速くてもいいんじゃないっていう曲もありますからね。
──自由度は圧倒的に高くなりましたね。
TAKESHI 曲作りに関しても参考にしてたアーティストの数が、2人ともすごく増えてると思うんですよ。最後に四つ打ちの曲を追加したんですけど……。
──「BREAK OUT」のことですよね?
TAKESHI そうです。そのときは日本のバンドを聴いてましたからね。今までそういうことはなかったから、それも幅につながってるんじゃないかな。
──この曲はRYOさんが作ったものですが?
RYO はい。「BREAK OUT」はずっと頭の中にはあったけど、最終的に制作終盤ギリギリで録りましたからね。盤自体はマスタリングまで終わっていたけど、急きょうまく組み立てられそうだなと思ってこのタイミングでねじ込もうと。
SHINJI 曲のアレンジも大冒険しました。ベースも低音でルートを弾かずに、上のほうで歌と絡めたフレーズを入れてみました。2番のAメロの頭とかコードを変えずにロックっぽくして、メロコアバンドがあまりやらないようなアレンジにしました。
収録曲
- PIECE OF CAKE
- UNTIL I DIE
- BURN TO THE GROUND
- GOOD BYE DEAR DAYS
- TONIGHT
- BREAK OUT
- OUR GENERATION
- VACATION
- SK8 FOR LIFE
- STARTING TODAY
- MY SWEET HOME
- WE NEVER BE ALONE
- DON'T BE AFRAID
- BABY<Bonus Track>
SECRET 7 LINE presents
「THICK FESTIVAL 2014」
2014年5月24日(土)~25日(日)
神奈川県 CLUB CITTA'
<出演者(出演日未定)>
SECRET 7 LINE / ANGRY FROG REBIRTH / COUNTRY YARD / FEELFLIP / GIVE LIFE / HEY-SMITH / Jr.MONSTER / NOISEMAKER / Northern19 / RADIOTS / ROACH / SHANK / and more
SECRET 7 LINE(しーくれっとせぶんらいん)
2007年6月に結成されたメロディックパンクバンド。メンバーチェンジを経て現在のRYO(G, Vo)、SHINJI(B, Vo)、TAKESHI(Dr, Vo)という編成になる。2008年10月に1stアルバム「How many lines does she hide?」をリリース。その後約40本の全国ツアーを行い、新宿ACBで行われたツアーファイナルはソールドアウトを記録した。Valencia、Hit The Lights、Four Year Strong、Every Avenueなどの海外アーティストとも精力的に競演。2009年5月にはMxPxの中国ツアー、ジャパンツアーにてサポートアクトを務めた。2010年4月には「PUNKSPRING 2010」に初出演。同年5月には約2万人の集客を誇る中国最大規模のロックフェス「MIDI FESTIVAL」にも参加した。2012年からは自身が企画する屋内フェス「THICK FESTIVAL」をスタート。2014年3月、待望の5thアルバム「LIVE HARDER」をリリースする。