ガールズバンドを日本の文化として世界に発信したい

──今年1月から始まったワールドツアー「SCANDAL WORLD TOUR 2015『HELLO WORLD』」が5月末の香港公演で終わったんですよね。最新アルバム「HELLO WORLD」を引っさげて行ったワールドツアーを終えた感想を聞かせてください。

HARUNA　楽しかったという一言だけでは終わらない、自分たちにとってすごく大事なものを持って帰ってこれたツアーになりましたね。私たちは海外のオーディエンスに“アニメの主題歌を歌ってるバンド”や“制服でパフォーマンスするバンド”というふうに認知されていたと思うんですけど、今回は今までとは違って音楽的な部分もちゃんと知った上でライブに足を運んでくれたという感じがすごくして。

──それはオーディエンスの反応が違ったということ？

HARUNA　そうですね。今回のセットリストはアルバムの曲がメインだったんですけど、みんなちゃんとアルバムの曲を一緒に歌ってくれて。アニメの主題歌になった曲だけではなくて、新しい曲もすごく楽しんで聴いてくれてるような印象を受けました。自分たちの音楽が世界にちゃんと伝わってるなという気がしてすごくうれしかったです。

RINA　さっきHARUNAが言ったように、今までは“アニメの主題歌を歌っているバンド”や“制服でパフォーマンスするバンド”という見られ方をしている前提でライブに臨んでいたんですけど、今回のワールドツアーで、海外でも日本と同じような気持ちでライブをやっていくべきだと感じて。

──それはなぜですか？

RINA　海外から見た日本の文化ってアニメやアイドルのイメージが強いと思うんですけど、実はガールズバンドがこんなに盛り上がってるのは日本ぐらいなんですよ。

──確かに海外のガールズバンドって、男性のみのバンドに比べると少ない印象があります。

HARUNA　海外だと女性グループはバンド形態よりEDMにあわせて踊るダンスユニットのほうが多いんです。

RINA　だから私たちSCANDALはガールズバンドを日本の文化として、率先して発信していくべき立場なんじゃないかなと思ったんです。

ワールドツアーとアリーナツアーをつなぐ「Stamp!」

──ツアーが終わり、7月22日にはニューシングル「Stamp!」がリリースされます。MAMIさんが作詞曲を手がけた表題曲はすごくシンプルで耳なじみのいい曲だなと思いました。

RINA　このタイミングのシングルはシンプルでわかりやすいものにしたいっていうイメージがもともとあったんですよ。

──そういう構想はいつ頃生まれたんですか？

HARUNA　ワールドツアーが始まってすぐぐらいかな？

MAMI　うん。海外ツアーが終わったあとにシングルを出すということが先に決まっていたから、ツアーの中で生まれた空気感とか自由さみたいなものを詰め込んだ曲にしたくて。できあがってみたらちゃんとそういう曲になったかなと思います。

──今回のミュージックビデオは演奏シーンがないですよね。全編通して自然体のSCANDALが捉えられた映像になっています。

RINA　このMVはワールドツアーの打ち上げ旅行みたいなイメージで制作したものなんです。2泊3日でグアムに行って撮影したんですけど、けっこう弾丸でしたね。夜、向こうについてごはんを食べながら打ち合わせをして、明け方3時からメイクをして日の出てるうちに外のシーンを撮りきりました。ドライブシーンではMAMIが車を運転してくれて。

MAMI　オープンカーを運転するのも、左ハンドルもこのときが初めてだったんですよ。すごくドキドキしました。あとすれ違うドライバーさんたちにたくさん話しかけられたよね。

TOMOMI　海外の人から見ると日本人ってすごく幼く見えるらしくて「子供が運転してる！」みたいな感じで驚いてたね（笑）。

──「Stamp!」のリリースを経て、年末から始まるツアーは今回のワールドツアーとは趣向の異なるものになるんでしょうか？

RINA　「HELLO WORLD」ができたときに1枚のアルバムで2回ツアーをして、違う場所で違う見せ方をしたいと思ったんです。「PERFECT WORLD」というタイトルを冠したアリーナツアーでは、その名にふさわしい内容のライブができたらいいなと思っています。

──なるほど。前回のワールドツアーに来た人も楽しめる内容になりそうですね。

RINA　「HELLO WORLD」の楽曲が中心になるとは思うんですけど、新曲も披露する予定なので楽しみにしていてください。