音楽ナタリー PowerPush - SCANDAL
世界に打って出る等身大の自信作
憧れの小室哲哉とのコラボ
──アルバムのラストには小室哲哉さんをフィーチャーした「Place of life」という曲も収録されていますね。かなり大きなコラボが実現したわけですが。
HARUNA 私が歌を歌いたいと思うようになったきっかけは小室さんの楽曲だったので、今回ご一緒させていただけたのは夢のようでした。実際にお会いして、すごく近い距離で一緒に制作することができたのがうれしかったですね。
──歌詞は小室さんとSCANDALの共作になっていますね。
HARUNA 小室さんが作ってきてくれた曲と詞がまずあったんですけど、歌う立場として自分たちなりの言葉を入れさせていただくことにしたんです。より自分たちにとってのリアルな曲になるように。
TOMOMI お互い、思いをまっすぐにぶつけあうことができたと思いますね。
──そこはもう遠慮せずにぶつかっていったわけですね。
RINA はい。せっかくやらせてもらうからには一生歌い続けていける曲にしたいと思っていたので、お互い100%でやらなきゃなって。そうじゃないともったいないですからね。それに、小室さんがSCANDALのバンドサウンドっていう部分をすごく大事にしてくださったんですよ。それがすごくうれしくて。
──SCANDALらしいバンドサウンドに、壮大なアンセム感のある小室サウンドが見事に融合していると思います。
RINA レコーディングのとき、広いスタジオで録ろうっていう提案を小室さんがしてくださったんですよね。そこで手に入れた“エアー感”みたいなものは音源にしっかり反映されてる気がします。一気に世界が広がる、空間が見える曲になりましたね。
HARUNA こういうコラボレーションはこれからもグイグイやっていきたいです。「Departure」でご一緒させていただいた亀田(誠治)さんもそうですけど、素敵なクリエイターの方々と一緒に音楽を作っていく楽しさもずっと忘れたくないなって私たちは思うんですよ。自分たちで積極的に曲を作り始めたからこそ、ほかの方々と一緒に曲を生み出していく大切さや、そこでもらえるたくさんのスパイスの大事さを改めて実感しているので。
ワールドツアーで世界を失神させる
──本作を引っさげて、来年には日本を含む世界9カ国を巡るワールドツアーが決定しています。楽しみですね。
HARUNA 「HELLO WORLD」という自信作を持って、たくさんの土地を回れるのはすごくありがたいなって思います。今回は日本でも初めてワンマンライブで訪れる土地がありますし、海外でも初めての場所があったりするので、自信を持って、最高の状態のカッコいい私たちを見せていきたいですね。
──海外でのライブはこれまでにも数多く経験されていますが、日本でのライブとの違いは何かありますか?
RINA 海外には毎年行かせてもらってるんですけど、どうしても年に1回っていうスパンになってしまうので、現地の方々の、その間に溜めていたエネルギーの爆発のさせ方は尋常じゃないなっていうのは毎回感じますね(笑)。ライブ自体に関しては、基本的には日本でのライブと同じスタイルのままでやっています。海外の皆さんは日本とJ-POPというものを本当に愛してくださっているので、歌詞を英語に変換することもなく、あえて日本語のままでやっているんですよね。今回もそういう形で回っていくと思います。
TOMOMI イギリスは今回、初めて行くんですけど……ごはんがちょっと心配ですね。えへへ。
RINA ネガティブか!(笑) ロンドンではちょっと自由時間もありそうなので楽しみですけどね。何をしたらいいかわからないけど、でも街を歩くだけでもすごく楽しそうだから、積極的に外へ出たいなって思ってます。
──そういえば雑誌「SWITCH」の企画で、世界で活躍されている山本寛斎さん、レスリー・キーさん、澤穂希さんと対談されたそうですね(参照:SCANDAL×寛斎、澤、レスリー・キー対談、世界ツアー追加公演も)。
HARUNA そうなんですよ! 寛斎さん、すごかったです。出てくる言葉の1つひとつが想像をはるかに超えたパワフルさで。
RINA 今まで出会った人の中で一番パンクロックでしたね。対談中、ほんとに刺激しかなかったです。
──ワールドツアーを控えるSCANDALとしては、何か受け取るものもあったのでは?
RINA めちゃくちゃありましたね。レスリー・キーさんは、異国の地に飛び込むと言葉や文化の違いで不安もあるけど自分から話しかけないともったいないっておっしゃっていて。それはほんとにそうだなって思ったので、怖がらずに自分からどんどん話しかけたいなって思いましたね。あと澤さんには、何かにつまづいたりしたときには自分の好きなもの、音楽がどれだけ好きかっていう気持ちを思い出せばそれが一番のエネルギーになるんだよっていうことを教えていただいて。それも間違いないなって思いました。
──寛斎さんには?
RINA 楽しませようっていう生半可な気持ちじゃ人の心は絶対動かないって言われました。すべての人を失神させにいけって。すごいですよね。私たちもそうしようと思いましたね。みんなを失神させるくらい驚かせたいと思います!
──今回のワールドツアーが終わったときに、SCANDALがどんな存在になっていたらいいなって思いますか?
RINA もう英語ペラペラで、すごいライブするバンドになってたらいいですね。あはははは(笑)。
──だいぶざっくりした感じで。
HARUNA あははは(笑)。まあ実際に回ってみないとどうなるかはわかんないですもんね。ただ、確実に達成感はあると思うし、それがまた自分たちにとっての自信にもつながると思うので、それを次の作品にも生かしていけたらいいなって。
MAMI 私たちって、日本でツアーを経験する前、インディーズ時代にアメリカツアーをやったんですよ。そのときに得たものが今の自分たちのライブスタイルの基本になってるところはあると思うので、今回のワールドツアーではどこか初心に戻る部分もあると思うし、そこからまた違った得るものもあるんだろうなって思います。それがすごく楽しみですね。
TOMOMI うん。いろんなものを世界中から吸収して、寛斎さんやレスリー・キーさんや澤さんのようにとんでもないエネルギーを生み出すバンドになれたらなって思いますね。
- ニューアルバム「HELLO WORLD」2014年12月3日発売 / EPICレコードジャパン
- 完全生産限定盤 [CD+Tシャツ] 5000円 / ESCL-4322~3 / Amazon.co.jp
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3600円 / ESCL-4324~5 / Amazon.co.jp
- 通常盤 [CD] 3146円 / ESCL-4326 / Amazon.co.jp
- アナログ盤 4104円 / ESJL-3085~6 / Amazon.co.jp
収録曲
- Image
- Your song
- love in action
- Departure
- Graduation
- 夜明けの流星群
- お願いナビゲーション
- Runners high
- 本を読む
- 缶ビール
- Winter story
- おやすみ
- Place of life(feat. Tetsuya Komuro)
- Blu-ray / DVD「SCANDAL ARENA LIVE 2014『FESTIVAL』」2015年1月14日発売 / EPICレコードジャパン
- Blu-ray Disc / 6480円 / ESXL-52 / Amazon.co.jp
- DVD / 5400円 / ESBL-2384 / Amazon.co.jp
SCANDAL(スキャンダル)
2006年8月に大阪のボーカル&ダンススクールで出会ったHARUNA(Vo, G)、MAMI(G, Vo)、TOMOMI(B, Vo)、RINA(Dr, Vo)の4人で結成したガールズバンド。結成直後から大阪城公園でストリートライブを始め、キュートなルックスと力強いバンドサウンドを武器に瞬く間に人気が急上昇する。2008年10月、シングル「DOLL」でメジャーデビューを果たし、2009年末には「第51回輝く!日本レコード大賞」で新人賞を受賞した。2012年3月には初のベストアルバム「SCANDAL SHOW」を発売。2013年3月にはメンバーの念願だった大阪・大阪城ホールにてワンマンライブを開催し、2014年6月には神奈川・横浜アリーナにてガールズバンドとして23年ぶりとなる2DAYSのワンマンライブを大成功に収めた。2014年12月3日にニューアルバム「HELLO WORLD」をリリース。2015年1月からはSCANDAL史上最多公演数となる全31公演の国内ホールツアーと、初の単独海外公演(フランス、イギリス、アメリカ、香港、台湾、メキシコ、ドイツ、シンガポール)を含む9カ国でのワールドツアーを開催する。