サイプレス上野とロベルト吉野|「サ上とロ吉とは〇〇〇〇である」|愛され続けて20年!ゆかりのアーティストが語るサ上とロ吉の魅力

──そして、次は木村昴さんです。

木村昴

サ上とロ吉とは
ヒップホップお兄ちゃんである

木村昴
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恐れ多いのですが、ふと脳裏に浮かんだのはお兄ちゃんのような存在かなと。お兄ちゃんがやっていることは格好良く見えるし、実際に格好いい。弟からすると常に背中を追って真似したくなるような存在ですね。新しいことに挑戦し続け、コミカルながらも衰えることのない格好良さは、まさに弟たちのドリームです。

──昴さんとは所属レーベルのイベントである「EVIL LINE RECORDS 5th Anniversary FES."EVIL A LIVE" 2019」で、サイプレス上野とロベルト吉野、月蝕會議、The Dirty Dawgによる「The Three Musketeers Mic Relay」でもコラボしていましたね(木村昴は山田一郎としてヒプノシスマイク内のユニット「The Dirty Dawg」に参加。参照:特撮、ももクロ、ヒプマイ、ドレスコーズらの“闇鍋”実現!5周年のEVIL LINEを盛大に祝福)。

サ上 昴くんはヒップホップに対する愛がすごい! 俺たちみたいにシーンのいろんな部分を見たりしてしまうと、どうしてもスレッカラシになってしまって、ヘッズ的な感覚でいるのは大変なんですよ。だけど、昴くんはユニット「掌幻と昴」とかでプレイヤー側に足を踏み入れながらも、いまだに純粋にヒップホップファンとして、分け隔てなく音源を聴いたりシーンと関わっているのが、すごくうらやましくもあるし、本当にヒップホップが好きなんだなって思いますね。

──昴さんをラッパーとして最初に知ったのは「ヒプノシスマイク」ですか?

サ上 そうですね。ヒプマイでの音源を聴いて、ラッパーとしてめちゃくちゃしっかりしてるな!って。スキルもそうだけど、声がとにかく通る。声優という仕事柄か、普通の人間とは明らかに声の出し方が違うなと。で、直接会ったら体格もガッシリしてて、見た目もラッパー感があって、ゴールドチェーンとかブリンブリン(のネックレス)が似合うし、ヒプマイの衣装も“させられてる”感がないんですよね。それは体格だけじゃなくて、本人がアフリカ・バンバータとかカーティス・ブロウみたいなオールドスクールのラップもしっかり聴いてるような生粋のヒップホップファンだから。本当に好きだからこそ似合うんじゃないのかな。

ロ吉 ちなみに昴くんは今、30歳ですか……自分たちが30歳のときって、何やってたかな?

サ上 「ちゅうぶらりん feat. 後藤まりこ」(2012年発表のアルバム「MUSIC EXPRES$.」収録)とか出してた頃じゃない?

──悩み多き時期でしたね。それは当時のインタビューでも感じていました。

サ上 グループとしても、実生活でも過渡期だったから、不思議な曲ばっかり作って(笑)。悩みまくってる時期に「ちゅうぶらりん」を作って、後藤まりこちゃんを客演に迎えたら、「なんで曲がループしてんの?」とか根本的なところから質問されて、また悩むみたいな(笑)。

ロ吉 まあ、そういう時期があって、今があるっていう。

サ上 めちゃくちゃ、はしょったな(笑)。

ロ吉 紆余曲折を経て20周年を迎えた今の僕たちについて、こういう素晴らしい言葉をくれた昴くんの存在そのものが最高です。

──次は紅一点のこの方です。

Megu
(Negicco)

サ上とロ吉とは
宇宙、新潟、横浜を繋ぐ
よっしゃっしゃすな2人である

Megu(Negicco)
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正直な話、ヒップホップ、ラップなどの音楽はあまり聴いたことがなく、サ上とロ吉さんとのお仕事が決まった時、「怖い人たちだったらどうしよう」と謎の危機感を勝手に感じていました(笑)。そんな心配はお二人に会ったらすぐに消えてしまうんですけどね。
私たちNegiccoのアルバム「Melody Palette」の「ナターシア」という曲でサ上とロ吉さんにフィーチャリングで参加してもらったのですが、ライブではCDと全く異なる歌詞で、その場のお客さんのノリやテンションに合わせて言葉を紡いでいく姿は、まじで感動モノでした! 何度も何度も同じ練習を重ねて最高のステージを見せることが正義! 全て!(もちろんこれも大正解)と思っていた私にとって、あの感覚、あの感動はずっと目に焼き付いてしまっています。まじでかっこいいです! その場のテンションで歌詞を変えたり煽ったりというのは、お二人から学んだことが大きいように感じます。今まで聴かなかった自分を呪いたくなるくらいに、180度、ヒップホップ、ラップへの意識、お二人の印象がガラッと変わってしまったというお話です。お二人が作る楽曲はもちろん、フィーチャリングする方々も含めて私の大好きな方々が多いので、毎回本当に楽しみです。最後になりますが、お二人ともお体を大切に、早くまたお二人にお会いしたいです!

サ上 おお、ご結婚で話題のぽんちゃ! 「CDと全く異なる歌詞で」っていうコメントは、たぶんライブで一緒に「ナターシア」をやったときのことについて書いてくれてると思うんだけど……正直に告白します! あれは俺が歌詞を飛ばしてフリースタイルしただけです!

──ヒドい!(笑)

サ上 すごくよく言ってくれてるのに申し訳ない(笑)。

ロ吉 でも、そういうときにこそ奇跡が生まれるんスよ! 歌詞が飛んだときの上野くんのミラクルを僕は今まで何度も目撃してますから。

サ上 ありがとう! あんまり褒められてる気がしないけど(笑)。

──「ナターシア」をライブでやったのはNegiccoの地元の新潟で?

サ上 新潟でNegiccoのクリスマスパーティに俺たちが呼んでもらったときにもやったんですけど、あのときの彼女たちが本当にスゴくて!

──それは?

サイプレス上野とロベルト吉野

サ上 あの日は、会場の空調が壊れていて、真冬なのにお客さんの熱気で場内がめちゃくちゃ暑くて。会場は酸欠状態になっちゃうし、湿気もスゴいしで、Connieさん(Negiccoプロデューサー)とか、ライブを仕切ってたミッツィー申し訳さんも「これは止めたほうがいいんじゃないか?」っていう話になるくらいで。俺らも汗だくになりながらライブをやって、死にそうになりながら外に出たら、真冬の新潟の空気で一気に冷やされて、「サウナみてえだな……」って(笑)。

──整っちゃって(笑)。

サ上 そんな過酷な状況だったのに、Negiccoは始終笑顔で、つらい顔をまったく見せないで、しっかりステージをやり通したんですよ。その姿を見て「超プロだ!」と思いましたね。そこがNegiccoのすごさだと思います。アイドルとしてすごく親しみやすいのに、プロ意識はとてつもなく高いっていう。本当にあんなグループいないと思います。

──なるほど。

サ上 で、その後の打ち上げで一緒に飲ませてもらったんですけど、ぽんちゃが酔っ払って、Kaedeちゃんの肩に寄りかかって甘えてるんですよ。その2人の姿をアテにして飲めましたね。「かわいい! もう一杯!」って(笑)。

──そんなぽんちゃもご結婚を発表されて。

サ上 本当に明るくて、しっかりしつつも、すごくほんわかした存在だから、理想のお嫁さんになる気がしますね。しかしNao☆ちゃんが結婚発表したときもビックリしましたけど、3人中2人が結婚してるってすげえアイドルグループですよ(笑)。

ロ吉 本当にめでたいですよね。でも、大変じゃないですか。めちゃくちゃ大変じゃないですか。

サ上 何がだよ(笑)。

ロ吉 結婚生活を維持しながらアイドルとしても活動していくわけだから。睡眠時間とかも削られるわけですし……これからも、あのー、親しみやすい感じで……(R-指定からのメッセージをチラ見して)そう! 「人間代表」としてみんなを喜ばせてほしいなと思います。ずっと新潟をレペゼンしてほしいですね!

サ上 ……祝ってることだけは伝わったわ(笑)。

──そして最後は、お二人の地元・横浜の大先輩、横山剣さんです。

横山剣
(クレイジーケンバンド)

サ上とロ吉とは
横浜ドリームランドの変化身である

横山剣(クレイジーケンバンド)
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彼らの拠点である横浜ドリームランド周辺は僕が中学の3年間を過ごした夢の丘!
当時、この丘に続くドリーム大通りでは土曜の夜のモーターショーが繰り広げられ、シャコタンのカーステから大音量で響くソウルミュージックによって移動式野外ディスコと化した。
そんな多幸感やら好奇心がザワザワする周辺磁場の地続きに降臨したドリーム変化身、それがサ上とロ吉なのであります!コレ聴いて興奮せずにいられない! イイネ!× 3

──2011年に発表したサ上とロ吉のミニアルバム「YOKOHAMA LAUGHTER」に、クレイジーケンバンド「空っぽの街角」をリミックスした「空っぽの街角 REMIX feat. LUVRAW&BTB」が収録されているという作品的なつながりもありますが、そもそも剣さんは同じく横浜を拠点に活動するサ上とロ吉の大先輩になりますね。そんな剣さん、およびクレイジーケンバンドとの出会いは?

サ上 最初にCKBを聴いたのは、横浜LOGOSでやってた「Drama」っていうイベントのミックステープに入っていた「空っぽの街角」。めちゃくちゃいい曲だったんでCKBを追い始めたら、「真夜中のエンジェル・ベイビー~ドリームランド入口」という曲で「♪ドリームランド入口」って連呼してて、「俺たちの街の曲じゃん!」となって。その後、剣さんもドリームハイツに住んでたことを知って、さらにシンパシーを覚えたんですよね。

──ドリームランドつながりで。

サ上 はい。確か「グランツーリズモ」(2002年8月発売のアルバム)のリリース時だったと思うけど、藤沢のタハラってCDショップで剣さんのサイン会があって。そのときに「俺もドリームハイツに住んでるんですよ!」って剣さんに言ったら、「お、イイネ!」って(笑)。CKBのメンバーの菅原愛子とはもともと横浜のクラブ界隈で知り合っていて、ラッパーのISO(I.S.O.P.)のパートナーというつながりもあって、仲がよかったんですよ。それで愛子が剣さんに俺のことを紹介してくれて。

──そんな縁もあったんですね。

サ上 そうなんですよ。でも、俺たち「2代目ドリームランド代表」とか常々言ってたから、今回、剣さんにこういうコメントをもらえるのは本当にうれしいです。そういえばCKBの「GT」が出たときは、当時好きだった子を車に乗せて、ひたすら「GT」をかけながらドライブしたこともあったなー。RIPSLYMEの「楽園ベイベー」と交互に(笑)。ただその車は、実家の同じ棟に住んでた奴の親の車で。

──友達の車どころか友達の親、つまり赤の他人の車(笑)。

サ上 当然すげえ嫌がられました(笑)。

──吉野さんの剣さんとの思い出は?

ロベルト吉野

ロ吉 CKBが横浜のBLITZでワンマンやったとき、上野くんから「終演後に剣さんに挨拶するから、お前も来いよ」って連絡もらって観に行かせてもらったんですけど、俺、その頃、JRの下請け会社で線路を設置する仕事をしてたんですよね。しかもその日が大雨で、仕事終わりでずぶ濡れの油まみれで挨拶に行ったんですけど、楽屋に入った途端に剣さんが俺の姿を見て、「お! 仕事帰り! イイね!」って爆笑してくれて。

サ上 すげえ喜んでくれたよね。ゲラゲラ笑って。

ロ吉 で、お酒もらって飲んで、外に出たら雨がやんでたっていう。

サ上 プライベートでも、桜木町で前から走ってきた車のウインドウが開いたと思ったら剣さんで。「よっ! サ上!」って声をかけてくれて、「おお、剣さんだ!」みたいな(笑)。しかもサングラスを外してる素顔の剣さん。「横浜だなー」と思いましたね(笑)。

──まだ剣さんとコラボはしてないですね?

サ上 そうなんです。だからいつかやりたいですね。同じく横浜の大先輩であるMIGHTY CROWNと今回ご一緒できたんですけど、その先に剣さんがいるなって。そういう意味でも励みになりますね。