音楽ナタリー Power Push - RYO from ORANGE RANGE

ソロデビューして気付いた俺の役割

ORANGE RANGEの中にいる自分は一人前になれてない

──RYOさんは俳優業もやられているので、そういう意味ではチャレンジングですね。

RYO

あ、でも「人生1回きり」っていう思いがあって、やれるもんはなんでもやりたいですね。時間がある限りずっと動き続けていたい。で、みんなに「俺の取り柄はタフさだから」とか言って、スケジュールの空いてるところに予定全部入れて、ホントに全部埋まっちゃったりするんですよね(笑)。今回も1カ月近く沖縄に帰ってない。

──ソロとレンジのレコーディングも並行していたし。

まあ大変でしたけど、覚悟していましたから。

──もしかしたら年齢的にも挑戦したくなる時期だったり?

そうですね。昔から30歳になったときの自分の理想像みたいなものがあったんですよ。デビューした頃に「30になっても、今と変わらないペースで音楽やれてたらいいな」って気持ちはあったんで。

──へえ、そうなんですか。

「俺たちすぐ消えちゃうんじゃないか?」みたいな不安もあったんで。でも「ライブを増やしたい」「絶対ライブ中心でやっていく」って当時の事務所の人に言って、その活動が軌道に乗ってからは、すぐ消えるとは思わなくなりましたけど。先輩のバンドマンとかを見ていて、ライブをやっていれば活動を続けられるっていう確信はあったので。

──その次の段階として、自分のことにフォーカスが当たったと?

RYO

ボーカリストとしてちゃんと一人前になりたいっていう気持ちがずっとあったんです。やっぱりORANGE RANGEは、ボーカルの3人でずっといると「俺たちは3人そろって一人前」なんだな、って思うことがあって。例えばケツメイシも大蔵さんは1人でもやってるし、そういうのを見て「やんなきゃな」って思ってたんですよね。だから音源を出す出さないに関わらず、1人でも盛り上げられるようにならないとダメなんじゃないか? それができた上でORANGE RANGEをやれたらもっといいんじゃないか?っていう気持ちはあったかな。

──リスナーとしてはORANGE RANGEのあの3人だからこその世界を楽しんでるんですけど、RYOさんとしては、1人のボーカリストとしての意義を探していたわけですね。

そうですね。

「下ネタなしの夏」に苦労した

──具体的に収録曲について伺います。「Pump it up」は流行を反映したEDMでありつつ、いい意味でいなたさもあり。

ライブで映える曲が1曲ほしいなと思ってて。もともと「『GLAMOROUS RIDDIM』が1曲目かね?」なんてスタッフと話してたんですけど、最終的に1人の現場用の曲をもうちょっと作りたくなって、お客さんが一番ノリやすいテンポと分かりやすいサビっていうのを意識して作りました。最初は軽い感じで気楽にライブを始められる曲にしようと思って作ってたんですけど、作り始めたらまったく逆で、勢いを止められないままぶっ飛ばすような曲になって(笑)。

──ライブのオープナーにはぴったりだと思います。

RYO

先日ageHaでやったイベントでも、この曲は盛り上がったんです。外人さんが踊ってるのを観て、「あ、よかった」と思いました。

──私立恵比寿中学への提供曲「夏だぜジョニー」をセルフカバーして、何か苦労はありましたか?

まあ言うても、この曲はレンジっぽい夏の曲だったので、何も抵抗はなかったですね。ただ歌詞を書いてるときに、エビ中さんのスタッフの方とけっこうやりとりがあったんですけど、「下ネタなしの夏」ってオファーされたときに単語がなかなか思い浮かばなくて苦労しました。要はORANGE RANGEでもう使われてる言葉しか残っていなくて。

──引き出しの隅から隅まで探さないと見つからないんですね(笑)。

気持ちいいキャッチーなフレーズはだいたい使われてるな、こりゃ大変だ、と思いながらやってて、3日間まるまる歌詞書きにかかりました。

──夏の曲に使う言葉がもう思い付かないほど、レンジに“夏曲”が多いということですね。

フタ開けてみたら(笑)。で、このトラックはエビ中バージョンのトラックよりもキーを下げたものを、ブラス隊の方がわざわざ録ってくれて、ありがたいです。

──賑やかでいいですよね。

そうだ、この曲だけHIROKIがスタジオに来てくれたんですよ。「見学する」とか言って。シライシさんとやってるときに来て、「いいね」って言ってくれて。でも何もしないで帰って行きましたね。なんかコーラスとか入れてくれんのかな?って、ドキドキしてたのにホントに何もしなかった(笑)。

──(笑)。ほかのメンバーには聴かせたんですか?

えっとね、YOHとHIROKIに聴かせたかな? まだ全体は聴かせないけど。「いい」とも「悪い」とも言わないです。

ニューアルバム「DELIGHT」 / 2015年9月16日発売 / 日本クラウン
[CD] 3000円/ CRCP-40429
収録曲
  1. ~DELIGHT~
  2. Pump it up
  3. GLAMOROUS RIDDIM
  4. 夏だぜジョニー
  5. 愛のキセキ with 果山サキ
  6. Whisper feat. ISEKI
  7. SHAKE IT
  8. Go! Go!
  9. Tim Don!-Don!(DELIGHT MIX)
  10. pa mai ti-da feat. Kina & Kalani
  11. DRIVE feat. N.O.B.U!!!
  12. My Love
  13. GLAMOROUS RIDDIM -REPRISE-

※「pa mai ti-da feat. Kina & Kalani」の最初の「a」は長音記号付きが正式表記となります。

フリー・ミニLIVE & CD購入者特典会
2015年9月19日(土)東京都 タワーレコード渋谷店9F TOWER RECORDS SKYGARDEN
START 15:30
RYO from ORANGE RANGE "DELIGHT" RELEASE PARTY
2015年9月19日(土)東京都 UNIT / SALOON
START 23:00
前売:3500円 / 当日:4000円
<出演者>
DELIGHT FLOOR
LIVE:RYO from ORANGE RANGE / ISEKI / N.O.B.U!!! / 果山サキ / Kina & Kalani / 大志 from 1 FINGER / Do The Right Inc
DJ:大蔵 from ケツメイシ / DJ KEIN / DJ NIRAI
LIVE PAINT:Kento Yukizaki
SALOON(brix FLOOR)
DJ:naotohiroyama / MOA(CARIZMA) / Lichard(from OKINAWA) / ui_nyan / SIEGZEON / Yu Matsumoto
RYO from ORANGE RANGE
(リョウフロムオレンジレンジ)

RYO from ORANGE RANGE

ORANGE RANGEの低音域ボーカル担当。2014年8月に初のソロ曲「Tim Don!-Don! feat. DJ KEIN」を配信リリースし、「RYO from ORANGE RANGE」名義での活動をスタートさせた。2015年6月には私立恵比寿中学のシングル「夏だぜジョニー」の作詞・作曲・編曲をシライシ紗トリと共同で担当。2015年9月には1stソロアルバム「DELIGHT」をリリースする。