ナタリー PowerPush - Rihwa

新作は孤独を歌ったロック& ミシェル・ブランチと夢のコラボ

憧れのミシェル・ブランチとコラボ

──2曲目の「GOOD LOVE」はミシェル・ブランチさんとのコラボですが、どういったきっかけで共演することになったんですか?

左からミシェル・ブランチ、Rihwa。

私がデビューするときにある新聞で記者の方が私のことを「和製シェリル・クロウ」って書いてくださったんです。その記事をミシェルが所属するワーナーのスタッフさんが読んでくださって。ミシェルもシェリル・クロウが好きだし、共通点も多いから何か一緒にできたら面白いですね、って話をしてくれたんです。

──それはすごいですね。

もしそれが実現したら本当にいいなって思って! でも、それからあまり話が進むことがなく。私はずっと気になっていたんですよね。なのでいつもスタッフさんに「あの話はどうなっていますか!?」って問い詰めていたんです(笑)。そしたら「じゃあ、こっちから正式にオファーしよう」という話になり、今回のコラボが実現したんです。

──熱意が勝ったんですね。

本当にそうですね(笑)。このことをきっかけに、やりたいことを口にするのって、すごく大切だなって思いました。

──Rihwaさんって情熱的ですよね。

そうですね。好きなものや興味を持ったものに対しては妥協したくないし、しっかりやっていきたいんです。ミシェルはずっと憧れの人で、いちファンとしてずっと聴いていたんですよ。カナダにいた頃に高校のボーカルクラスのテストで、ミシェルの曲を歌っていたくらいなんです。なので、絶対にコラボを実現させたかったんですよね。

私もミシェルみたいな女性になりたい

──制作のやり取りはデータで行われたんですか?

はい。お互いスタッフを通してやり取りをしていたので、曲が完成するまでは本当に本人なのか実感できないままで(笑)。でも私の声を聴いて、ミシェルが「私の作った『GOOD LOVE』を歌ってほしい」って言ってくれたんです。

左からミシェル・ブランチ、Rihwa。

──この曲はカントリー風のサウンドが印象的ですね。

音楽のルーツとしてカナダで過ごしていたときに聴いていたカントリーミュージックがあるので、いつか歌ってみたかったんですよね。それがミシェルとのコラボで実現できて本当にうれしいです。

──コラボとは言っても交互に歌ってるわけではなくて、2人がデュエットしてるんですよね。

はい! もう夢のような体験でした。しかも曲が完成したあとに、ロサンゼルスで会う機会があったんですよ。会う前はどんな人かもわからないし、どこまで私のことを知っているかもわからないので、最初はすごく緊張したんですよね。でも初対面のときに、両手を広げて歓迎してくれて! しかも話しているときも、ずっと私の目を見てくれて。

──英語で話したんですか?

はい。高校卒業してからブランクがあったので、すごくゆっくり話してたんですけど、笑顔でじっくり聞いてくれて。ミシェルって美人だし、女性としても母としてもすごく素敵で、会ってからますます好きになりました。

──ベタ惚れですね(笑)。

惚れました(笑)。私もこんな女性になりたいって心から思いましたね。

今回のシングルはRihwaの等身大

左からミシェル・ブランチ、Rihwa。

──歌のアドバイスはあったんですか?

いや、そういうのはなかったんです。レコーディングもすべて任せてくれて、いちアーティストとして信頼してくれていることを感じられて、すごくうれしかったんです。

──この曲にはどんなメッセージが込められているんですか?

私もミシェルに直接聞いたんですが、この歌は付き合っている人がほかの人を好きになってしまうという切ない歌なんです。でも、そこで諦めるのではなくて、はいつくばって、どんな姿になっても、しっかりと“愛”を手に入れなきゃいけないっていう。普通は恋人にほかの好きな人ができたら、あきらめるしかないのかなって思っちゃうけど、愛は簡単には手に入らないからこそ諦めないでというメッセージが込められているんです。それを聞いて、私自身もすごく納得して。思わずミシェルに「私もそう思う!」って伝えちゃいました(笑)。

──恋愛に対する考え方が似てるんですね。

そうですね。話もすごく盛り上がったし、好きな音楽も似てるし。もし同年代で近くに住んでいたら、絶対にいい友達になれたと思うんです。

──一緒に歌うことはできたんですか?

ライブをすることはできなかったんですが、写真撮影のときにハモったりしたんです。あれはもう夢のような時間でしたね。自分が尊敬する人や会いたい人に会えることってなかなかないと思うんですよ。だから、この夢を叶えてくれたスタッフさんに心から感謝したいですね。

──今回のシングルは3曲入りですが、カップリングの「It's you」ではパンクロックに挑戦してますね。

はい。この曲は2年くらい前に作った曲ですね。主人公の女の子は中学生、高校生くらいで、好きな子に振り向いてもらえるように背伸びをするんだけど、不器用でなかなかうまくいかないんです。その姿はまさに当時の私で。がんばってハイヒールを履いても、うまく歩けなくて引きずっていたり(笑)。女の子には共感してもらえる歌詞だと思います。

──今回のシングルは3曲ともタイプが違っていて、すごくバラエティ豊かですね。

タイプは違いますが、今の私から生まれた曲だったり歌詞だったりして、全部が等身大なんです。皆さんにも曲に自分を重ねて聴いてもらえたらうれしいです。

左からミシェル・ブランチ、Rihwa。
Rihwa(りふぁ)

札幌出身の女性シンガーソングライター。中学卒業後にカナダに留学し、滞在中に音楽に目覚める。帰国後より地元のライブハウスなどで活動を始め、インディーズでシングル3枚とアルバム1枚をリリースする。2012年は「JOIN ALIVE 2012」「SUMMER SONIC 2012」「a-nation 2012 stadium fes.」などの大型ライブイベントに出演、パワフルな歌声とチャーミングなキャラクターでファンを獲得する。同年7月にシングル「CHANGE」でTOY'S FACTORYからメジャーデビューし、10月に映画「劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-」の挿入歌として書き下ろした「約束」を2ndシングルとしてリリース。2013年2月に3rdシングルとなる「モンスターのかくれんぼ / GOOD LOVE with Michelle Branch」を発表した。