ナタリー PowerPush - rieco

幸せが世界をつなぐ! 希望をふりまく「ONE」

数々の実力派アーティストを輩出した「音楽塾ヴォイス」で音楽理論を学び、今年7月にメジャーデビューを果たしたシンガーソングライター・rieco。彼女の2ndシングル「ONE」は、TBS系「王様のブランチ」の10~11月度エンディングテーマとしてもオンエア中の、希望に満ちた明るいミディアムナンバーだ。

ナタリー2度目の登場となる今回は、今作の制作秘話や「ONE」の歌詞から派生した「幸せ」に関する彼女の価値観を告白。riecoというアーティストのアイデンティティがより深く知れるであろうテキストをじっくり楽しんでほしい。

取材・文 / 川倉由起子 撮影 / 福岡諒祠

メジャーデビューは自分の喜びだけじゃない

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──7月にシングル「Shining」でデビューして、何か周りの変化はありましたか?

特に印象的だったのは、親戚のおばさんが自分以上にデビューを喜んでくれたことですね。もう割とおばあちゃんくらいの歳なんですが、「(riecoを)応援したいから健康に気を付けて長生きする。またひとつ生きる希望が見つかったけん、ありがとうね」って言ってくれて。このデビューは自分の喜びだけじゃないんだなって。

──誰かの希望になれるってすごいことですよね。

はい、とてもうれしかったです。

──一般リスナーからの反応はいかがでした?

私が行ったことのない地域の人たちからもTwitterに「今日TSUTAYAで借りて聴きました」って反応があったり、「今度こっちにもライブしに来てください」っていう声をいただいたときに、やっぱりメジャーってすごいなって(笑)。インディーズの頃とは、広まり方が違うなって思いました。

──それって、どのくらい違うものなんですか?

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例えばラジオで流していただいて、それを聴いた人の反応がすぐに返ってくるっていうことは今まであまりなかったので。広まり方もそうだし、聴いてくれる人たちの数が全然違うんだなっていうのも感じました。

──うれしい半面、そこに対するプレッシャーみたいなものは?

うーん……正直あまりないです(笑)。楽しみながら、でも真剣に、どうやったらもっと人の耳に届きやすい曲になるかっていうのは新曲を作るたびに考えてますけどね。

──メジャーで出すからこそ曲作りで意識し始めた部分は?

こうやってより多くの人に聴いてもらえる環境になったことで、やっぱり街なかでパッと聴いたときに「あ、なんかいいな」って思ってもらえるようなものを……というのは以前より真剣に考えるようになりました。インディーズは好きな音楽を好きなように作ってた感じなんですけど、そういう部分の変化はあったかもしれないですね。

世界中の誰もが幸せになるために生きてる

──前回のインタビューで、riecoさんは地元・福岡の海などに行って楽曲を作ることが多いと話されていました。ニューシングル「ONE」も、そういった経緯でできた作品ですか?

そうですね、これもまさに。海に向かうバスを降りた瞬間、サビの「目と目を合わせれば 手と手を重ねれば」っていう歌詞とメロディが同時に浮かんで「あ、これは曲として形にしたい!」って思ったんです。その2つが一緒に降りてきたのは久々だったし、これは今自分が伝えたいメッセージなんだなって。

──じゃあ、まずサビができてから全体を作っていったと。

はい。歌詞はここ数カ月で感じた思いがバーッと出てきたんですが、やっぱり世界中の誰もが幸せになるために生きてて、結局はそのひとつの願いでつながってるんだなっていうことを描いていて。

──なるほど。

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この夢を叶えたい、この学校に行きたい、この人と付き合いたい……みんなそれぞれ願望はあると思うんですが、やっぱり幸せは奪い合うものじゃなくて分け合うこともできるんじゃないかっていうのも強く感じて。例えば微笑みを交わし合うとか、そういうことでもひとつになれるんじゃない?っていうメッセージも込めました。

──個人的に今回の世界観は普段のriecoさんそのままというか、ご自身が持つハッピーなオーラがすごく出た作品だと思いました。

ありがとうございます! こういう気持ちはずっと根本にはあるんですけど、実は曲として書いたのは初めてで。2ndシングルで何を伝えたいかって考えたときに、自分の中にある心理も交えて歌いたいと思って作ったんです。

──ボーカルは、冒頭からとても力強く伸びやかですね。

はい。でも最初からキーが高くて、ちょっと大変(笑)。「Shining」とは違って、声を少し張って弾けるような感じで歌いましたね。レコーディングは、あまりその歌い方を続けると喉が潰れてしまうので、短期決戦で挑みました。

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rieco (りえこ)

福岡県出身のシンガーソングライター。4歳からドリマトーンを弾き始め、中学生の頃から作詞作曲を開始する。「音楽塾ヴォイス」にて作曲理論を学びつつ、2010年に地元・福岡の新人発掘プロジェクト「FUKUOKA Music Factory」でグランプリを受賞。2011年3月にインディーズでミニアルバム「Freeway」を発表し、2012年7月に日本コロムビアよりシングル「Shining」でメジャーデビューを果たす。11月には4曲入りの2ndシングル「ONE」をリリース。表題曲は人気番組「王様のブランチ」の10~11月度エンディングテーマに起用されている。