素人が気軽に動画を投稿して大きくなれるのがいい

──もともと皆さんは踊り手さん出身で？

いとくとら　私はダンス経験があったんですけど、みんな普通に素人でダンスもまったくやったことがない子ばかりでした。DANCEROIDになってから本格的にダンスを始めた感じですね。

──ということは「踊ってみた」動画を投稿してたときは完全に自己流の方も多かったんですね。

ゆずき　そうですね。ほかの方の動画を観て、振りをコピーしてました。だから最初は誰かに教わっていたわけではないんですよ。

やっこ　私はいくらさんの「踊ってみた」動画を観て、ずっと憧れてました。だからまさか一緒のグループになれるなんて思ってもみなかったです。感動してます。

──いくらさんは踊り手さんの中でもかなりのカリスマですよね。

いとくとら　私はもうニコニコ動画歴が7、8年になります。でも今のニコニコ動画的にはもう世代交代しちゃってると思いますね。

──それぞれ動画を投稿してみようと思ったきっかけは？

やっこ　私はいくらさんの動画を観たのがきっかけなんですけど、動画の再生数が伸びたら一緒に踊れるかもって思って。そこからDANCEROIDのオーディションに受かって東京に来ました。最近は私の動画を観て「踊り手を始めました」って言ってもらえることもあって、なんかうれしいですね。

まぁむ　私はDANCEROIDに入るまではそんなにダンスをやってなくて。「踊ってみた」動画は好きで観てたんですけど、ちょっと興味があってDANCEROIDのオーディションを受けたら受かってしまって……。さて、どうするかなって感じでした（笑）。

──ダンスはおろか、まったくスポーツの経験もなく？

まぁむ　そうなんです。まったく何もやったことがなかったんですよ。運動神経もよくなかったですし……。

──それなのにオーディションを受けてみるとは、なかなかのチャレンジャーですね。

まぁむ　ちょうどオーディションの時期が夏休みだったので、ノリもありました（笑）。

ゆずき　私もまぁむと同じくDANCEROIDのオーディションがきっかけで踊り始めました。ただ私は「踊ってみた」動画をそんなに観てなくて、チラッと気になってたくらいです。アニメの振付をマネするくらいで、踊ることは楽しかったんですけどダンス経験もなかったので、受かるとは思わなかったんですけどね。なのでDANCEROIDになってからは大変でしたね。

まなこ　私は中学生のときからニコニコ動画が好きで観てたんですけど、自分で動画を投稿するまでのことはやってなくて。まぁむさんとキングさんが応募したDANCEROIDのオーディションのときに受けたかったんですけど、ちょうど箱根に旅行してて応募用の動画撮影ができなかったんですよ。まあ、そのときはまだ募集年齢に届かなかったので、どちらにしてもダメだったんですけどね。その後、年齢制限をクリアしてから応募して、DANCEROIDになりました。

──皆さん、小さい頃からダンスをやってたわけではなかったんですね。すごく洗練された動きをするから全員経験者かと思ってました。

やっこ　素人がスッと入って気軽に動画を投稿して、そこから大きくなれるのがニコニコ動画のいいところだと思います。

踊りで伝わらない部分を歌で伝えたい

──DANCEROIDはどんな活動をしていたんですか？

いとくとら　最終的には7人組だったんですけど、その頃はアイドルイベントに出演したり月に1回定期公演をさせていただいたりとライブ中心の活動でしたね。最初はニコニコ動画に作品を出すことがメインだったんですけど、徐々にお客さんの前で踊ることが多くなってきました。

──やっぱり生で踊るのは緊張しましたか？

いとくとら　多いときで週3本くらいのペースでイベントやライブがあったので、そこまで緊張はなかったです。みんなステージは好きだったし、今まではネットの中だけだったからお客さんに生で観てもらうことがうれしかったんですよ。だからたくさんライブできたことはいい経験になったんですけど、月に1回の定期公演にも力を入れたくて。当時はできるだけ完成度の高い作品を出したいって気持ちもあって、忙しいことがうれしい反面、戸惑いもありました。

──DANCEROIDは7月で活動を終えました。そしてDANCEROIDで活動していた5人が集まってQ'ulleとしての活動を始めたわけですけど、これはどういった経緯で決まったんでしょう？

いとくとら　DANCEROIDの解散は、先ほど話した戸惑いの部分だったり今後のグループとしての方向性とか、もっと大きな目標を持ちたいというみんなの気持ちを考えて決めたことで。ただDANCEROIDで培ってきたものを終わりにするのはもったいないという話もあって、再スタートしましょうということになりました。

──DANCEROIDとの一番の違いはダンスに加えて歌も歌わないといけないことだと思うんですけど、皆さん的にも歌うことはハードルが高かったんじゃないですか？

いとくとら　DANCEROIDのときは“歌わないアイドル”っていうキャッチコピーがあったので、ライブでは音源は流れるけどダンスだけやってる感じだったんですよ。今はライブでも歌わないといけないので、苦労しています。

──歌うことへの抵抗は？

いとくとら　個人的にはカラオケにも行きたくないくらい歌が苦手で。自信もないし好きにもなれなかったんですけど、今年で25歳になるので新しいことを始めてみたいという気持ちもありました。それに新しいことに挑戦したいけど一歩踏み出せない人たちに、もしかすると勇気を与えられるんじゃないかって思って。

──ちなみにメインボーカルはどなたですか？

まなこ　私が担当してます。もともと歌うことは大好きで、毎週のようにカラオケに行ってたくらいで。ダンスもたくさんの人を感動させる力はあると思うけど、歌も同じように感動を与えられると思うので、こういう機会をいただけてうれしかったです。

──やっこさんはラップ担当ですよね？

やっこ　「mic check one two」の歌詞が送られてきた日にラップパートがあることに気付いて「ここは私だ」ってなぜか思って（笑）。歌わされる気がするって思って密かに練習していったら案の定担当することになりました。女の子のラップってあんまりないと思ったので、カッコよさもかわいさも両方出せるようにしたいなと。なので今はYouTubeで「ラップ　女の子」とか「ラップ　うまい」とか検索してひたすら観て勉強してます。

ゆずき　そうやって勉強してきたラップを身振り手振りでやってくるんですよ（笑）。

まぁむ　みんなそこまで歌は上手ではないけど、歌うことは好きになってきてるよね。

いとくとら　踊りだけで伝わらない部分を歌で一緒に伝えていけたらいいなと思ってます。