CDを出せることを当たり前と思ってはいけない

──今回、メジャーデビューを果たすQ'ulleですが、去年は所属レーベルがなくなったりと試練の年だったと思います。振り返っての思いを聞かせてください。

まぁむ　やっぱり不安でしかなかったです。とにかく（昨年）春からのツアーを成功させるしかないってことで頭がいっぱいでした。でもそんな矢先、8月に私は骨折をしてしまい、途中からツアーに参加できずで。なんとか10月のツアーファイナルには復帰できたんですが、ステージに立てない期間は「どうすればいいんだろう？」って感じでした。

いとくとら（いくら）　みんなとにかく不安でした。でも、ここで終わらせるわけにはいかないっていう気持ちが強かったです。今まで以上にメンバーが一丸になったと思います。

まなこ　4人でのツアーになっちゃったけど、まぁむの気持ちも考えて、今、自分たちにできる最大限のことをお客さんに見せようと思ってました。

ゆずき　今やれることを全力でやっていけばなんとかなるんじゃないかって、そんな気持ちでやってました。

やっこ　10月のツアーファイナルで新しいレーベルが決まったという発表があったんですけど、その日までは毎日がつらくて、ライブ中も泣いてたんです。相当しんどかったです。

──では、エイベックスでのメジャーデビューが決まったときは、うれしさもひとしおだったんじゃないですか？

まぁむ　いやー、うれしかったです。でも突然だったのでびっくりでした（笑）。

いくら　去年のいろいろな経験を経て、一番思ったのは、ライブができたり、CDを出せることを当たり前だと思ってはいけないんだなってこと。今回メジャーデビューが決まってすごくうれしかったけど、それと同時に、このチャンスを手放しで喜ばずに「次こそラストチャンスだ」と思って何事も死ぬ気でやっていかなきゃと思いました。

ゆずき　今までバーってあふれてたものが、キュッとなった感じでした。

いくら　バーとかキュッとか、活字にしたら意味がわからなそう（笑）。

ゆずき　あー、すごく気持ちが引き締まった感じがしました（笑）。

後ろをふり返らずに突き進んでいくしかない

──ニューシングル「DON'T STOP」は、困難をぶち破って進んでいこうという思いが詰まった、パワフルで勢いのあるロックチューンですね。

まぁむ　私たちにリンクするところがありますね。「DON'T STOP」っていうだけあって、私たちも、後ろをふり返らずに突き進んでいくしかないし。ファンの方も一緒になって進んでいけたらって思いながらいつも歌ってます。

いくら　デモを最初に聴いたときの印象は、英語が増えたなって。この曲を聴いて、これからは今まで以上にワールドワイドに活動していかなきゃって気持ちにもなりました。もっともっと広い視野を持って、より大きなステージに向かっていけたらと思ってます。

まなこ　私は歌うとき、ムカつくときはムカつくって思いをぶつけながら歌ってるし、うれしいときはうれしい感情を乗せて歌ってるんです。この曲は、自分の今の感情をダイレクトにぶつけられるから、歌ってて気持ちがいいです。お客さんも乗ってくれてるし、自分たちもこの曲に助けられたところはすごくあります。

ゆずき　去年から今年にかけていろんなことがあったんですけど、そこでQ'ulleに関わるすべての人の温かさを改めて感じたんです。ファンの方、スタッフさん、メンバーもそう。「DON'T STOP」は勢いがある曲だけど、2番の私のソロパートの「君が一番知ってるの」ってところはちょっと勢いを落として歌ってるんです。熱さもある中で、Q'ulleの芯にある温かさをそこで表現できてるかなって思います。

やっこ　ミュージックビデオをYouTubeとかニコニコ動画にアップさせてもらったら、それを観た友だちやファンの方から「今までで一番好きな曲」と言ってもらえて、それがすごくうれしかったです。Q'ulleのことを知らない人にもこの曲を届けたいし、曲に私たちの気持ちをもっと乗せて伝えたい。そうすれば、もっともっと素敵な空間が広がっていくのかなって思ってます。