ナタリー PowerPush - Quick Japan100号記念企画「歴代表紙を飾ったアノ人と語るQuick Japan」
宮藤官九郎・坂本慎太郎対談
2人の11年後は……?
──でも、お2人とも体型変わらないですよね。
坂本 いや、ちょっと太りましたけどね。
宮藤 僕もちょっと太りましたよ。ただ、若い頃と太り方が違うんですね。全体にハリがなくなって、顔はむしろやつれてたりするんだけど、見えないところに肉が付いている……。
坂本 普通に横っ腹とかに付きますよね。
宮藤 ええ。老いですね、老い。でも、「そんなこと、俺は気にしてない」という風にしないとって思ってますけど。身体鍛えたりとかします?
坂本 去年、ずっとレコーディングやってたんですよ。それで太っちゃって。みんなに馬鹿にされて……。
宮藤 馬鹿にされたんですか(笑)。
坂本 ちょっと歩いたりして。あと近所の小学校のプールに行ってた時期もありましたけど。
宮藤 一般に開放してるプール?
坂本 そうそう。まあ最近、歳は感じますね。
宮藤 例えば、どこの現場に行っても自分より年上の人が減った。今まで全部自分より上の人たちとやってきたような気がするのに……気が付くと、ヘタしたらオレが一番上じゃね?みたいなことは多くなりましたね。
──確かに11年って最年少が最年長になるぐらいの勢いありますよね。
宮藤 イベントのバックステージとかで年上を見かけなくなりました。「あ、いた!」って思ったら佐野元春さんとか。
坂本 (笑)あと11年経ったら、50……。
宮藤 そうですね、50歳過ぎちゃう。
坂本 55歳とかになったら、なんか、死んでるかもって思う。
宮藤 そうっすね(笑)。生きてる約束はできないですよね。11年後に仕事頼みたいんだけどって言われるとちょっと……。
厄年をめっちゃ気にしてました
──対談以降の「Quick Japan」にもお2人はたびたび登場されてますよね。例えば坂本さんはライブレポートの「ゆらゆら帝国・イン・ニューヨーク」(81号)、宮藤さんは「クドカンの妄想中学ただいま放課後」の連載(45~48号)などで。
宮藤 はいはい。でも100号ってことは、連載の頃ってまだ半分もいってないんですね。
坂本 なんか創刊された頃をすごく覚えてますよ。0号とかありましたよね。
宮藤 僕も持ってますね。
──創刊準備号を普通に買われたんですか?
坂本 買ってましたね。あとすごい初期に、(当時編集長の)赤田祐一さんに取材してもらいました。まだ全然、音楽雑誌とか出てない頃に。
宮藤 僕は、松尾スズキさんのほうが早く載ったから、「松尾さんが載ってる雑誌」というイメージが最初はすごいありましたけどね。
坂本 あと最近は、40代になったら鬱になるみたいな。
──吉田豪さんの「不惑のサブカルロード」(84~94号)ですね。「サブカルは40過ぎると鬱になる」という持論を証明するために、吉田さんが鬱経験のあるサブカル偉人を迎えてインタビューするという。
坂本 あれを毎回立ち読みしてました。すごく気になって。
宮藤 え、坂本さんも鬱になったんですか?
坂本 いや、僕は大丈夫だったんですけど。ちょうど厄年とかで、なんか体調悪かったんですよ。もしかしたらこれが鬱の始まりかもしれないとか思って(笑)。だからすごく真剣に読んで、根性で食い止めたんですけど。
宮藤 坂本さんが厄年を気にしてるのは意外ですね。僕もめっちゃ気にしてて。去年本厄だったんで。
坂本 僕もめっちゃ気にしてました。ネットでいろいろ調べたり。それで後厄が、年明けたら終わると思ってたんですよ。それで正月になって、やっと終わった、これでもう抜けた……と思ってたんですけど、全然調子悪くて。「おかしいな」と思って調べたら、区切りが節分までだとわかって。
──あ、旧暦ですもんね。
宮藤 そっか。
坂本 だから節分の日の夜中まではもうホントに具合悪くて、何もやる気しなくて。ずっとDSのテトリスやってましたね。マラソンモードって、死ぬまでずっとやるみたいなテトリスなんですけど。
宮藤 へえー。
坂本 それをだるい間ずっとやってたら、0時越えたときにちょうど最後までいって。そしたら画面に「CONGRATULATIONS!」って出て。
宮藤 フハハハハハハ(笑)。
坂本 今まで見たことない画面になって、花吹雪みたいなのがバーンって降ってきて、エンドロールが流れて。「おおおー」と思って時計見たら0時越えてたんで、「さっそく厄が抜けた!」みたいな感じになって。びっくりしました。それから調子いいですよ(笑)。
──宮藤さんはまだ厄真っ最中ですが。
宮藤 そうですね。
坂本 なんかありました?
宮藤 いやあ、今んとこないですね。背中が痛いとか腰が痛いとかはありますけど。そういえば、正月にインフルエンザにかかりました。
坂本 ともあれ、神社で厄除けの札を3年間もらうの絶対忘れないようにしなきゃ。
宮藤 そうですね。11年後も「Quick Japan」でお世話になれるように、とりあえず健康でいましょう(笑)。
2012年大人計画本公演
ウェルカム・ニッポン
- 2012年3月16日(金)~4月15日(日)
東京都 下北沢 本多劇場 - 2012年4月18日(水)~4月22日(日)
大阪府 シアター・ドラマシティ - 作・演出 / 松尾スズキ
- 出演 / 阿部サダヲ、宮藤官九郎、池津祥子、伊勢志摩、顔田顔彦、宍戸美和公、宮崎吐夢、猫背椿、皆川猿時、村杉蝉之介、田村たがめ、荒川良々、近藤公園、平岩紙、アナンダ・ジェイコブズ、松尾スズキ、青山祥子、井上尚、菅井菜穂、矢本悠馬
- ※当日券あり
収録曲
- 幽霊の気分で (Album Version) / In A Phantom Mood
- 君はそう決めた / You Just Decided
- 思い出が消えてゆく / My Memories Fade
- 仮面をはずさないで / Mask On Mask
- ずぼんとぼう / A Stick And Slacks
- かすかな希望 / A Gleam Of Hope
- 傷とともに踊る / Dancing With Pain
- 何かが違う (Album Version) / Something's Different
- 幻とのつきあい方 / How To Live With A Phantom
- 小さいけど一人前 / Small But Enough