「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」発 ME:I結成記念|11人の活躍を振り返る (2/2)

佐々木心菜

佐々木心菜(ささきここな)

生年月日:2006年1月30日
出身地:三重県

計り知れない可能性を秘めた原石

三重県出身の高校3年生、佐々木心菜は歌、ダンスともに未経験。しかし、ありのままの自分を見せる彼女の純真なパフォーマンスは、初回のレベル分けテストから「ピュアで新しい」「純粋なエネルギーが感じられた」とトレーナー陣から絶賛され、未経験ながらBクラスで名前を呼ばれた。しかし一方で「笑顔がない」と、トレーナーから“表情管理”に関する指摘が向けられる場面も。そしてこの課題はオーディション中、彼女にずっと付きまとうことになる。

ポジション評価でボーカル曲「First Love」を選択した佐々木は、ボイストレーナーの青山テルマに「心菜がちょっとワンパターンかな」と、やはり表情について言及される。「表情の作り方がわからない」と悩む彼女は鏡の前でトレーニング。リハーサルでもトレーナー陣に「無表情!」と注意を受けたが、本番ではどっぷりと曲に浸かった切ない表情で、澄みわたるような美しい歌声を紡いだ。次なるコンセプト評価ではセクシーなヒップホップナンバー「TOXIC」に挑戦。「私は三重県のド田舎で川とか田んぼとかしかない環境で育ってきて、このオーディションで初めて東京に来たので、セクシーとは無縁で……」と壁にぶつかり、楽曲リリースに向けたレコーディングでも色気のある表現に苦戦を強いられてしまう。トレーナー陣の熱血指導を受けながら、佐々木は周りの練習生の動きや表情を見て、表現力を徹底的に吸収。本番のステージでは重みのあるビートに乗せて艶やかなダンスを披露し、見事にコンセプトを消化してみせた。

すべての課題で大きな成長を見せ、佐々木は一度もデビュー圏内から外れることなく最終順位6位でデビューメンバーに。「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」で見つかった“原石”とも言える彼女の可能性は計り知れない。


飯田栞月

飯田栞月(いいだしづく)

生年月日:2004年12月4日
出身地:東京都

新しい自分に変わる勇気

飯田栞月の順位を振り返ってみると、31位、32位、37位、33位、20位、10位、7位と、オーディション終盤にかけての勢いがすさまじかった。彼女の「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」での軌跡をたどるときに、“脱クラシック”というワードは欠かせないだろう。飯田は宝塚音楽学校を受験した過去を持つ現役音大生。1分PR動画では宝塚風の口調で自己紹介を行い、声楽経験者ならではの“クラシック歌唱”も披露した。この経歴や歌唱表現は彼女の大きな個性であることは間違いない。しかしグループ評価の準備期間中、体調不良でボーカルレッスンに参加できなかったため「Body & Soul」にクラシック歌唱で挑むことになり、SNSで話題にはなったものの、グループ内で浮いてしまったことが飯田の中に後悔として残った。

飯田は脱クラシックを目標に掲げ、ポジション評価から思い切って金髪にチェンジ。「今までの自分を全否定する気持ちはまったくなくて、私らしく脱クラシックです!」と前向きに決意を述べた。長年培ってきた歌唱方法を変えることは容易ではないが、彼女は力を抜くために寝ながら歌うなど地道なトレーニングを重ね、ポジション評価では安室奈美恵「HERO」を癖の抜けた歌声で伸びやかに披露。パフォーマンス中のキラキラとした笑顔や明るいキャラクターも相まって、彼女の魅力に夢中になる国民プロデューサーが続出した。

オーディション終盤に追い上げを見せ、飯田は7位で見事にデビューメンバー入り。脱クラシックを遂げた彼女が、これからME:Iでどのような歌声を聴かせてくれるのか楽しみだ。


清水恵子

清水恵子(しみずけいこ)

生年月日:2005年11月27日
出身地:愛知県

みんなを笑顔にする、ME:Iの太陽

7人兄妹の大家族の中で育った清水恵子は、誰よりも明るく、「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」のムードメーカーだった。新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」を披露したクラス分けテストから、清水は一挙一動で個性的なキャラクターを発揮し、練習生の中でも異彩を放つ。一見するとそのユニークさに目がいきがちだが、彼女のすごさはオールラウンダーと言えるパフォーマンスのクオリティの高さ、特にラップスキルにある。

清水はポジション評価でラップ&ボーカルポジションのちゃんみな「美人」を選択。自身でつづったリリックを通して「おもろ枠? それで落ちる枠? ぺちゃくちゃ語ってれば? その美学 私はその時間でスキルを磨く がんばり続けた私は光る」と単なる“おもろ枠”で終わらない意思を示した。パワフルなライミングと自身の心をさらけ出したリリックは多くの国民プロデューサーの心を揺さぶり、清水は見事ラップポジション1位に輝く。その後のコンセプト評価でも、ヒップホップナンバー「小悪魔(Baddie)」で自身の魅力を最大限に発揮し、オーディション終盤からデビュー圏内をキープした。

デビューメンバーが決定した当日、会場でマスコミ向けに挨拶とフォトセッションが行われたが、そこでもはつらつとした口調で「うれしすぎて今日寝れるか心配です!」と話し、積極的に場を盛り上げる清水の姿が目立った。誰をも笑顔にする太陽のような明るいキャラクターと、巧みなパフォーマンススキルでグループを引っ張っていく、その姿がとても頼もしい。


石井蘭

石井蘭(いしいらん)

生年月日:2004年8月7日
出身地:埼玉県

どこにいても目を引く、華やかなダンス

抜きん出たダンススキルを持ち、練習生たちから常にお手本にされてきた石井蘭。オーディション序盤、惜しくもオーディションのテーマソング「LEAP HIGH! ~明⽇へ、めいっぱい~」のセンターは逃してしまったが、その後のステージ評価を見ると、センターポジションであろうが、端にいようが、彼女には関係ない。どのポジションにいても観る者の視線を集めてしまう、そんな練習生だった。

石井の胸にいつもあるのは、燃え盛るような熱い闘志。Perfume「TOKYO GIRL」を披露した番組序盤のグループバトルの時点で、彼女は「自分に何か足りないんだろうなと感じています」「自分の自信のないところを絶対に破って勝ちたい」とほかのグループ、そして自分自身に負けないという意思を剥き出しにしていた。グループバトルではキリングパートで自身の魅力を爆発させ、自チームも相手チームも含めて最多の123票を獲得。ダンスポジションのINI「Rocketeer」を選択したポジション評価では、石井の本領とも言えるパワフルなダンスをセンターポジションで繰り広げ、全練習生の中で最多の509票を集めた。コンセプト評価ではあえてセンターに立候補せず、「前回センターで踊ったので、センターじゃないところに立って魅せるのもやってみたい」とパフォーマンスに挑み、チームの練習を見学にしに来ていた山本すずから「端っこにいても目がいく。動きがすごく大きくて、『見て!』というアピールを人一倍やっている。見ていて吸い込まれるというか、本当に上手」とリスペクトされていた。また、番組のビハインドムービーには、ほかの練習生に気を配り、ダンスを教える石井の姿も多々見られる。

ME:Iがこれからどのようなコンセプトのグループになっていくのかはまだわからないが、そのダンスパフォーマンスの軸に石井蘭がいることは間違いない。オーディション中、石井はダンスがフォーカスされがちだったが、盤石のボーカルスキルを持ち、最終順位が決まるデビュー評価の「CHOPPY CHOPPY」ではラップも披露している。彼女がこれまで積み上げてきたスキルは、ME:Iのグループとしてのパフォーマンスのクオリティを確かなものにしてくれるはず。


海老原鼓

海老原鼓(えびはらつづみ)

生年月日:2007年1月22日
出身地:神奈川県

「日プガールズ」が生み出したスター

海老原鼓の歌唱力とスター性は、国民プロデューサーのみならずトレーナー陣にも衝撃を与えた。海老原は初回のクラス分けテストで、現役高校生からなるアオハルチームでITZY「WANNABE」を披露。ダンスを習ったことがないにもかかわらず、激しいパフォーマンスの中でも彼女の歌声は一切ブレることがない。あまりにも安定感のある歌声に、ボーカルトレーナーのホンギも「なになにー?」と前のめり。その実力は、仲宗根に「鼓ちゃん、もうデビューした感じ?」「スターです」と言わしめたほどだった。

ポジション評価で「HERO」を選んだ海老原は、メインボーカルでないにもかかわらず、その実力から大きなアドリブパートを編曲家から与えられた。チームメンバーへの申し訳なさと、1番を取りたいという気持ちの間で揺れ、海老原はレッスン中に泣き出してしまう。「鼓が『HERO』に来たのが意外だった」とテルマが選曲の理由を尋ねると、海老原の口からは「歌詞が“アオハル”だったから。アオハルに届けたいと思った」という言葉が飛び出した。レベル分け評価のチームメイトだったアオハルのメンバーは、海老原以外の5人全員が第1回順位発表式で脱落。「家族のような存在」だというアオハルチームの思いを背負った彼女は、「必ずデビューしてアオハルの“HERO”になりたい」と語り、最終話では見事にデビュー入りを果たした。

コンセプトバトルのステージ終了後、「鼓のボーカルの可能性ってどこまでいくんですかね」とつぶやくダンストレーナーのYUMEKIに、テルマが「とてつもないと思う」と返すやりとりがあった。「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」で見つかったスターは、どこまで進化を遂げていくのか。天井が見えない彼女の可能性に、期待が膨らむ。


加藤心

加藤心(かとうこころ)

生年月日:2000年11月1日
出身地:愛知県

10人の仲間たちと見る、新しい夢

加藤心には一度、韓国のグループでデビューした経験がある。再び大衆の前に姿を現した加藤は、クラス分け評価で笠原桃奈との2人組ユニットrebloomとしてYOASOBI「アイドル」を華やかに披露。そして、アイドルという夢を叶えるもあきらめざるを得なかった過去を振り返り、「もう一度だけ、歌とダンスをやりたいなという気持ちが芽生えて、このオーディションに挑戦させていただきました」とまっすぐに決意を述べた。

加藤はグループ評価、ポジション評価、コンセプト評価と全バトルでリーダーを務め、グループを勝利へと導いた。そしてオーディション参加者たちが優れた人柄を持つ練習生を選ぶ“人柄センター”にもランクイン。「落ち込んだときにいつも素敵な言葉をかけてくれるので心の支え」「たくさん話を聞いてくれる、頼れるお姉さん」という声が練習生から上がった。加藤自身も「吐き出すと少し楽になることってあるじゃないですか。だから少しでも話を聞いてあげられたらなと思って、(悩んでる練習生を)見つけたら『大丈夫?』って声をかけるようにしています」とその心がけを明かす。実際、グループ評価で櫻井美羽がチーム内で孤独を感じて悩んでいるのをいち早く察知し、彼女に寄り添ったのも加藤だった。

番組中、加藤はずっとデビュー圏内をキープしてきたが、デビューメンバー発表の場で、1位から10位までに彼女の名前が呼ばれることはなかった。残る10人のファイナリストが並ぶセンターステージで加藤は静かに11人目のメンバー発表の瞬間を待ち、「11位……加藤心」と名前が呼ばれると、信じられないといった様子で口元に手を当て、その目に涙をあふれさせた。

それから数日が経って公開された加藤の直筆の手紙には「今はもう驚きの余り実感が湧いていない部分もある」という言葉とともに「またもう一度歌って踊ることが出来ること とっても嬉しい気持ちで一杯です」という喜びの思いがつづられていた。見事にステージへと返り咲き、10人の仲間たちと新しい夢を叶えていく彼女の未来には希望が満ちあふれている。


オーディション終了後、現在はデビューの準備を進めているME:I。3月27、28日に東京・東京ガーデンシアター、3月30、31日に大阪・おおきにアリーナ舞洲で初のファンコンサート「2024 ME:I LAUNCHING SHOW ME:ICONIC」の開催を予定しており、4月17日にはデビューシングルをリリースする。再び私たちの目の前に現れるとき、きっと彼女たちはさらなる進化を遂げているだろう。ガールズグループシーンに新たな歴史を刻む11人の物語がいよいよ始まる。2024年はきっと、ME:Iの年になる。

プロフィール

ME:I(ミーアイ)

2023年10月から12月にかけて配信されたサバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」初のガールズ版「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」から誕生したガールズグループ。ME:Iというグループ名には「新しい日本の世代を代表する“未来のアイドル”」という意味が込められている。4月17日のデビューシングル発売に先立って、3月に東京・東京ガーデンシアターと大阪・おおきにアリーナ舞洲で初のファンコンサート「2024 ME:I LAUNCHING SHOW ME:ICONIC」を開催する。