「PRODUCE 101 JAPAN」特集 YUMEKIインタビュー|厳しいレッスンの裏側にある思いとは

JO1、INIという11人組ボーイズグループを輩出してきた「PRODUCE 101 JAPAN」。現在Leminoでは、シーズン3にあたるガールズグループオーディション「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」が毎週木曜夜に配信されている。これまで番組では、1つの課題曲を2チームずつ披露して競い合う“グループ評価”、ダンス、ボーカル、ラップ&ボーカルの3ジャンルに分かれてパフォーマンスを行う“ポジション評価”などが展開されてきた。

音楽ナタリーでは、11月上旬に行われたポジション評価終了直後の会場で、番組のダンストレーナーを務めているYUMEKIにインタビューを行った。韓国を中心にダンサー、コレオグラファー、ダンスインストラクターとして活動しているYUMEKIは、今回「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」にトレーナーとして初出演。レッスン中の険しい表情や、「今すぐ帰っていいよ」「ダンスの発表会のレベルでもない」といった痛烈な言葉、そして随所で垣間見せる優しさはSNSで大きな話題を呼んでいる。その厳しさも含めて国民プロデューサーから愛されている彼の、レッスンの裏側にある思いとは? YUMEKIから飛び出す言葉は、練習生への愛情に満ちあふれていた。

取材・文 / 中川麻梨花撮影 / 曽我美芽

「PRODUCE 101 JAPAN」の魅力と言えば、国民プロデューサーの存在

──YUMEKIさんは今回のトレーナー陣の中で唯一「PRODUCE 101」シリーズ初出演です。オファーが来たときは率直にどう感じましたか?

「PRODUCE 101」シリーズには、今日本で一番有名なオーディション番組という印象がありました。仲宗根梨乃さんだったり、僕の知り合いもトレーナーとして出演されていたので、僕も一緒に参加してみたいなと自然と思っていましたね。それに練習生の夢をサポートするトレーナーとしてこの番組に出ることは、自分にとっても新しい経験になりそうだなって。なので、すぐに参加を決めました。

──YUMEKIさんから見て、「PRODUCE 101 JAPAN」の特徴はどういったところにありますか?

このオーディションには未経験者の子もたくさん参加していて。プロになっていく過程、人としての成長を見られるところがこの番組のいいところだなと思います。レッスンやステージを見ていて、「人って努力すればこんなに短期間で変わるんだな」と感じますね。それはスキル的な部分もそうですけど、ステージに立つ者としての心構えや振る舞い、姿勢とか、あらゆる面で。「1週間前に見たあの子とは別人だ」と感じるくらい変わるので、いつもすごく驚きます。

──そういった成長を近くで見れるところに、トレーナーとしてのやりがいを感じられているんですね。

そうですね。練習のときには実力が足りていなかった子でも、実際にステージでお客さんの前に立ったときにすごく光って見えたり、意外と本番に強い子がいたりして、そこも面白いです。あと、このオーディションの魅力と言えば、やっぱり国民プロデューサーさんの存在。

──応援の熱量がすごいですよね。

この番組は、国民プロデューサーの皆さんがいるからこそ成り立っています。それくらい大きな存在ですね。国民プロデューサーの方々は練習生だけではなく、僕たちトレーナーの言動にも反応してくださるんですよ。温かい目で見てくれているんだなと感じますね。

YUMEKI

YUMEKI

本気でぶつかってるからこそ出る言葉

──先ほど第2回現場評価が終わりました。ここまで練習生と一緒に過ごしてきて、YUMEKIさんの心境はいかがですか?

時間が経つにつれて、我が子を見ているような情が湧いてきます。「はじめまして」という状態から何カ月か一緒にレッスンをやってきて、今は「この子はこれが得意で、これが苦手だ」とか、練習生1人ひとりのことがちゃんとわかってきました。練習生がつらいとき、うれしいときは共感するし、彼女たちの感情に自分の心がすごく揺さぶられるようになりました。

──YUMEKIさんから見ていて、「この子、今つらい思いをしているんだろうな」というのはやっぱりわかるものですか?

レッスンに入って、1回踊らせたらすぐにわかりますね。僕はその瞬間に「どうしたの?」って聞きます。一瞬でツッコみますよ。練習生は真剣にレッスンに取り組んでるので、そのぐらい自分も厳しく教えています。

──確かにYUMEKIさんの練習生への厳しい言葉はSNSでも話題となっていますが、厳しくも愛のある指導ですよね。その愛情も含めて、国民プロデューサーの方々から注目されていると思います。

本当にありがたいことです。

──YUMEKIさんは2019年からダンスインストラクターとして活動されています。これまでも今回のような厳しさのあるスタイルでレッスンを行ってきたんでしょうか? それとも「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」では特に厳しく指導していこうと意識している?

僕は普段韓国で活動しているんですけど、正直に言うとすでにスキルのあるプロのアーティストの方々を相手にお仕事をさせていただいていまして。

左から青山テルマ、YUMEKI。

左から青山テルマ、YUMEKI。

──なかなか未経験の方々にダンスを教える機会はないですよね。

だから、最初はどういうふうに目線を合わせようかなと思ったんです。初心者に合わせて、寄り添ってあげるのがいいのか……でも、番組が作ろうとしているグループも、練習生が目指しているのも「プロのグローバルアーティスト」なので、僕がいつも一緒にお仕事をさせていただいているアーティストさんたちと同じレベルでレッスンをしようと決めました。そのレベルで評価しないと、活躍できるグローバルアーティストを発掘できないと思ったので、最初から「プロのアーティストと同じレベルで見るぞ」という気持ちで番組に参加したんです。なので、特に最初のほうのレッスンは厳しいように見えると思います。

──海外で多くのトップアーティストとお仕事をされてきたYUMEKIさんが、その基準でレッスンをしてくれるのは、きっと練習生にとっては幸せなことなんじゃないでしょうか。「初心者だから仕方ないか……」というスタイルでは決してない。

でも、練習生に厳しいことを言うと、やっぱり自分も胸が痛くなったりするんです。

──レッスン初回の時点で「今すぐ帰っていいよ」という言葉が飛び出していました。

僕の名言です(笑)。でも、そういう言葉も練習生に対して本気でぶつかってるから出るんです。本気じゃなかったら、そういう言葉は絶対に出ない。「同じくらい僕に本気でぶつかってきてくれ」という気持ちなんですよね。

──YUMEKIさんのレッスンは厳しいですが、「びっくりするくらいよくなった」といったポジティブな感想も率直に伝えていますよね。

よくなったと思ったら、すぐに言いますね。いいものはいいので。そこを正確に伝えることはすごく大切にしています。