「PRODUCE 101 JAPAN」特集 YUMEKIインタビュー|厳しいレッスンの裏側にある思いとは (2/2)

レッスン中、僕もめちゃくちゃ踊ってるんです

──練習生と接する中で特に意識していることはありますか?

僕はトレーナーの中でも最年少で、練習生と年齢が近いんですよね。昨年は韓国でダンスのサバイバル番組(「STREET MAN FIGHTER」)に出演するなど、現役のプレイヤーとしても活動しています。そういう経験もあるので、練習生にはステージ上での立ち方やパフォーマンスについて、プレイヤーの立場からアドバイスするようにしています。「こういうとき、僕はこうしてるよ」って。番組には映っていないんですけど、実はレッスン中、僕もめちゃくちゃ踊ってるんですよ。「こうやってやるんだよ」と実演しています。これは現役のパフォーマーだからこそできる指導なんじゃないかなと。

──世界の第一線で活躍しているダンサーの動きを見て学べるのは、贅沢な環境ですね。

でも、レッスンで踊るとき、実は僕も毎回緊張してるんです(笑)。練習生が本気で学ぼうとしているのが伝わってきますし。

──グループ評価に向けてのレッスンで、YUMEKIさんが練習生のダンスを見て「グループでパフォーマンスすることの重要さに僕も改めて気付けた」とおっしゃっていた回がありました。そういうふうにYUMEKIさんが練習生から逆に学びや発見を得ることはよくあるんですか?

めちゃくちゃありますね。毎回僕が学んでいます。グループでパフォーマンスする場合、個人がいくら上手だとしても、グループとして成り立っていなければ個人も輝けない。逆に実力が足りてなかったとしても、チームワークがあるとパフォーマンスとしてはよくなったりする。それが面白いところです。あとは今回、オーディションのテーマ曲「LEAP HIGH! ~明日へ、めいっぱい~」の振付を僕が担当させていただいて。僕が作った振付をベースに、練習生が自分の色を入れて踊っているんですけど、96人もいたらみんな違うんですよ。僕が振付を作ったときに想像していたものを裏返すようなやり方でパフォーマンスを見せてくれたとき、「うわー、すごいな!」とすごく驚きました。

左から青山テルマ、YUMEKI。

左から青山テルマ、YUMEKI。

ここからもっと厳しくしていこうかな

──YUMEKIさんがスター性を感じるのはどういった人ですか?

環境や状況に振り回されず、自分のことをちゃんとわかっている人ですね。アーティストは曲によってパフォーマンスのスタイルを変える必要がありますが、それもちゃんと受け入れたうえで、毎回自分の個性を出すことができる人。そして、与えられたものをこなすことも大事ですが、そのうえで、いつも自分の芯を大切にしている人。ブレない自分の芯というのは、アーティストとして絶対に必要だと思うんですよね。そういうところがパッと見えたときに「この子、ヤバくなるな」と感じます。たとえ未経験者だとしても。

──スキルに関係なく。

スキルはいくらでも上に持っていけます。僕、トレーニングにめっちゃ自信があるので。「スキル的な部分はこっちに任せて、みんなは自分の才能ややりたいこと、自分の気持ちをそのまま出して」と練習生には伝えています。

──YUMEKIさんから見て、今の時点で練習生の中にそういったスター性を感じる子はいますか?

何人かいます。でも、また次のステージ評価でどんどん変わってくるんじゃないですかね。新たな才能を見せてくれる子もいるでしょうし、今まで全然目立ってなかった子がいきなり次のステージで大活躍する可能性も全然あると思うので。実際に、今日のステージ(ポジション評価)もそうでした。まだあまり目立っていなかった子がステージで活躍してくれると、すごくうれしくなるんですよね。「やってくれたな!」という気持ちになりますし、トレーナーとしてすごくやりがいを感じます。

──ここから5つのオリジナル楽曲が課題曲となるコンセプト評価、そしてデビューメンバーを決定するファイナル審査と続いていきますが、今後が楽しみですね。

すごく楽しみです。「もうここまできたんだ」という寂しい気持ちもありますし……でも、僕はデビュー後のこともちゃんと考えてレッスンをしています。デビューがゴールじゃない。今後のことを考えると、ここからもっと厳しくしていこうかなと!

──さらにギアを入れていくと。

はい。常に前回のステージを超えるパフォーマンスを見せていかなければいけないので。実際、今日のステージは、前回と比べて本当に桁違いのパフォーマンスだと思ったんですよね。次のパフォーマンスも国民プロデューサーの皆さんに期待してほしいです。僕も期待しつつ、練習生と本気で向き合っていきます。

グループの組み合わせって、料理みたいなもの

──オーディションが後半に差しかかっていますが、国民プロデューサーの皆さんには今後どういったところに注目して番組を観てほしいですか?

これから選ばれし11人のグローバルアーティストグループが誕生します。皆さんには今“1pick”という概念があるのかもしれませんが、そこからちょっと視野を広げてみて、グループという観点で練習生を見ていただくのも面白いのかなって。グループの組み合わせって、料理みたいなものなんですよ。「このスパイスとこの調味料を混ぜたらおいしくなる」というように、「この子とこの子がくっついたときに化学反応が起こるな」と感じることがあると思うんです。

──YUMEKIさんの中でもそういった化学反応を感じる?

感じますよ。意外な組み合わせでも、ステージでグループのパフォーマンスを観たときにお互いのいいところが生かされていたり。そういうのを見ると、僕も「この子は絶対にデビューメンバーにいたほうがいい」「この2人の組み合わせは必要だ」とか思いますね。

──YUMEKIさんの頭の中にもデビューメンバーの構想があるんですね。

それは常に考えています。しかも、レッスンで練習生のパフォーマンスを見るたびに魅力的な姿がたくさん目に入ってくるので、イメージが毎回どんどん更新されていくんですよ。でもやっぱり必要なのは、国民プロデューサーの皆さんのお力。グローバルアーティストグループを作るために、国民プロデューサーの皆さんには、グループでのパフォーマンスにも注目してステージを観ていただけたら僕もうれしいですし、また新しい視点から「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」を楽しめるんじゃないかなと思います。

YUMEKI

YUMEKI

プロフィール

YUMEKI(ユメキ)

1999年生まれのダンサー。13歳でダンスを習い始め、高校卒業後、本格的にダンサーとしての活動をスタートさせた。2019年にアメリカで有名なダンスクルー・KINJAZの中国スタジオで、ダンスインストラクターを務める。2020年にダンスコンテンツ会社・1MILLION DANCE STUDIOと専属振付師として契約し、K-POPダンス業界で活躍している。その後、ITZY「WANNABE」をはじめ、BAEKHYUN(EXO)「Addicted」、SHINee「Heart Attack」、THE BOYZ「MAVERICK」など、数々のK-POPアーティストの楽曲の振付に参加。2022年にはMnetのダンスサバイバル番組「STREET MAN FIGHTER」に出演してダンサーとしての実力を発揮し、視聴者から大きな注目を浴びた。