音楽ナタリー Power Push - PRIUS! IMPOSSIBLE GIRLS
新型プリウスの魅力をボカロ曲&擬人化キャラに凝縮
トヨタの新型プリウスの魅力を伝えるプロジェクト「PRIUS! IMPOSSIBLE GIRLS」が、トヨタの特設サイトやテレビCM、ラジオCMなどで展開されている。このプロジェクトでは、プリウスのエンジンやサスペンションなどの各パーツ、低重心といった特徴をイラストにより擬人化。花澤香菜、悠木碧ら人気声優がそれぞれのキャラクターの決めゼリフや各パーツの性能を読み上げ、プリウスのこだわりを伝えるのに一役買っている。またキャンペーンソングとしてボカロ曲「シジョウノコエ」が制作された。この楽曲は実際に新型プリウスを試乗したユーザーの感想をもとに歌詞が書かれており、これらの施策は新たな試みとして注目を集めている。
音楽ナタリーでは、ボカロ曲「シジョウノコエ」を制作したOSTER projectのインタビューやキャラクターの紹介を交えて新型プリウスの魅力をお伝えする。
構成・文 / 倉嶌孝彦
「PRIUS! IMPOSSIBLE GIRLS」プロジェクトとは
燃費性能40.8km/lという世界トップレベルの燃費効率を実現したほか、雪道での安定した走りを可能にした新開発の4輪駆動方式・E-Fourを搭載するなど、「もっといいクルマづくり」を徹底的に追及して製作された新型プリウス。「PRIUS! IMPOSSIBLE GIRLS」プロジェクトでは、40のパーツや特徴を2次元キャラとして擬人化。そのうち10体では人気声優が参加し、特設サイトにて各パーツの機能を紹介している。また同サイトではボカロ曲「シジョウノコエ」のミュージックビデオ、テレビCMなどを集めたギャラリーなどさまざまなコンテンツが用意されている。
ボカロ曲「シジョウノコエ」
- シジョウノコエ
- 新型プリウスの試乗会参加者の感想をもとにOSTER projectが制作した楽曲。楽曲の歌詞として「未来感があって素敵な乗り心地」「運転が上手くなったと錯覚なう」といったユーザーの感想そのままの“ナマ声”が使用されており、車の魅力をストレートに伝える楽曲に仕上げられている。ボーカルはVOCALOID・GUMIによるもの。
OSTER project(オスタープロジェクト)
2003年からインターネットを中心に活動している女性クリエイター、OSTERによるソロユニット。2007年の「初音ミク」発売直後にオリジナル曲「恋スルVOC@LOID」を動画サイトに投稿し、これをきっかけにボカロPとしてのキャリアをスタートさせる。2014年4月には、2010年代のボカロ曲を中心に収録したアルバム「Attractive Museum」をリリース。またaikoが発表したシングル「あたしの向こう」「夢見る隙間」「プラマイ」の3作品で編曲を担当した。
──新型プリウスのパーツを擬人化する「PRIUS! IMPOSSIBLE GIRLS」という企画の第一印象は?
普段車に乗っているだけではあまり着目する機会の少ない、自動車のパーツにスポットを当てるという発想が、とても斬新で面白い企画だと思いました。擬人化されたことによって、なじみのない自動車のパーツにも親近感が湧いてきました。
──今回提供されたボカロ曲「シジョウノコエ」は、実際に新型プリウスに乗ったユーザーの感想が楽曲の歌詞に使用されています。気を付けた点、苦労した点はどういうところですか?
感想を一字一句変えずに切り貼りして歌詞にするという作業が初めての経験だったので、譜割りを考えるのが大変でした。最終的にはチグハグの面白さを出せるようにしたのですが、導入部分は比較的普通の歌詞に聞こえるようにして、どんな曲なのだろう?と思わせるよう工夫しました。
──新型プリウスの魅力を楽曲で伝えるために、どんなサウンドにしようと考えましたか? また楽曲の聴きどころについても教えてください。
皆さまの試乗の感想から受けた、スタイリッシュで近代的なイメージをもとにサウンドの制作に臨みました。また、ボーカルトラックをあえて複数に分けて、左右にパンニングすることで、さまざまな試乗の感想が飛び交っていることを連想できるようなミックスにしました。
──今回のキャンペーンへの参加を通じて、オタクカルチャーと自動車の相性や親和性についてはどう感じましたか?
かねてから痛車など、自動車カルチャーとオタクカルチャーの親和性は高いイメージがありましたが、今回のキャンペーンであえてパーツを焦点に当てたのは、ディテールにこだわるというオタクカルチャーの持つ性質にマッチングした試みだと感じました。