THE PRIMALSインタビュー|光の戦士との再会を果たした約4年ぶりワンマンを振り返る

スクウェア・エニックスの人気オンラインRPG「ファイナルファンタジーXIV(以下、FF14)」の公式バンド・THE PRIMALSが、9月14日にライブBlu-ray「THE PRIMALS Live in Japan - Beyond the Shadow」をリリースした。

本作は2022年6月に千葉・幕張メッセ 幕張イベントホールで2日間にわたり行われた、THE PRIMALSにとって4年ぶりの単独公演の模様を収録した映像作品。THE PRIMALSの集大成的なパフォーマンスに加え、「ファイナルファンタジー」シリーズの音楽の生みの親である植松伸夫のスペシャルステージも追体験できる充実の内容だ。

音楽ナタリーでは本作のリリースを記念して、THE PRIMALSメンバーにインタビュー。入念に練り上げられたセットリストやメンバーをも驚かせたド派手な演出といったライブのこと、さらにバンドとしての野望も明かしてもらった。

取材・文 / 倉嶌孝彦撮影 / 山崎玲士

いつも通りのライブに戻れた2日間

──THE PRIMALSにとってひさしぶりのワンマンライブ「THE PRIMALS Live in Japan - Beyond the Shadow」を終えて、皆さんの率直な感想を聞かせてください。

祖堅正慶(G, Vo) ひさびさの有観客ライブでもあったので、光の戦士たち(「FF14」プレイヤーの愛称)に生で音を届けることができて感無量でした。

マイケル・クリストファー・コージ・フォックス(Vo) 在宅勤務がしばらく続いていたから、皆さんの前に立つ機会としてはかなりひさしぶりで、すごく楽しい2日間でした。ようやく活力がチャージできたかな。ライブが終わってからの1、2週間はすごくいい感じに作業が進むんですよ。でもそろそろチャージも切れてきちゃったからもう1回ライブをやらないと……。

祖堅 チャージが切れるの、早くないか(笑)。

たちばなテツヤ(Dr) THE PRIMALSとしてお客さんが入るライブは約4年ぶりだったし、僕としてもあれだけの人が入ってのライブは本当にひさしぶりだったので若干緊張はしていました。演奏内容も濃いというか、タフな内容だったので、僕らは気合いを入れないといけなかったし。がんばった分、会場の皆さんには楽しんでもらえたようなのでホッとしているのが今の心境ですね。すごくいいライブだったと思います。

THE PRIMALS「THE PRIMALS Live in Japan - Beyond the Shadow」の様子。(撮影:西槇太一、MASANORI FUJIKAWA)

THE PRIMALS「THE PRIMALS Live in Japan - Beyond the Shadow」の様子。(撮影:西槇太一、MASANORI FUJIKAWA)

イワイエイキチ(B) 2DAYSだったのでステージに2時間も立っていられるかが心配だったよね(笑)。あ、座る曲も1曲だけありましたね。僕はその曲でアコギも弾いたし、盛りだくさんな2日間でした。

GUNN(G) 僕はやっぱり、無事終えられてホッとしているのが一番かな。情勢的にも不安な時期だったし。ライブを通じて皆さんと同じ時間を共有できたことが何よりうれしくて、声が出せないとか制限はあったかもしれないけど、僕らも皆さんもすさまじい熱量で向き合えたので、いつも通りのライブに戻れた感覚もありました。

──前回の取材のときに体力面の心配を話していましたよね(参照:猛者が集結するTHE PRIMALSのREC現場に潜入、イメージを覆す新作の裏側に迫る)。

たちばな 普通のライブだったらそこまで厳しくなかったんですが、今回のセットリストはかなり激しいセットリストだったのでだいぶキツかったですね(笑)。

祖堅 ライブの中盤で植松(伸夫)さんをサプライズゲストとして呼んで演奏してもらうコーナーを用意したんですが、あの時間に僕らがはけて小休止できなかったら危うかったかもしれない。

GUNN うん。一度ステージを降りることで緊張感がなくなっちゃうんじゃないかなって、少し心配していたんだけど、いいテンションを保ちながらステージに戻れたので、あの構成はすごくよかったよね。

THE PRIMALS

THE PRIMALS

THE PRIMALSの集大成的なライブ

──THE PRIMALSはゲーム「FF14」のイベントである「ファンフェスティバル」でもライブをしていますが、やはり「ファンフェス」とワンマンでは構成が根本から異なる印象がありました。

祖堅 「ファンフェス」だとワンマンに比べて半分くらいの持ち時間しかないので、駆け抜けて終わるようなライブになっちゃうんですよね。今回はTHE PRIMALSのワンマンとして自由にセットリストが組めるライブだったので、緩急を付けたものにしようというのを考えていて。言い換えれば、どこに山場を持ってこようか、みたいな。「ファンフェス」でのガーッと盛り上げて去っていくイメージとは違う、駆け抜けるだけじゃない、歩いたり止まったりするような、THE PRIMALSのいろんな一面を見れるライブになるよう意識してセトリを組んでみました。

THE PRIMALS「THE PRIMALS Live in Japan - Beyond the Shadow」の様子。(撮影:西槇太一、MASANORI FUJIKAWA)

THE PRIMALS「THE PRIMALS Live in Japan - Beyond the Shadow」の様子。(撮影:西槇太一、MASANORI FUJIKAWA)

GUNN 半年くらい前からリモートでセトリをどう組むか、けっこう話し合っていました。まず肝になるのは、海外のボーカリストに歌唱をお願いしていた曲。ライブに参加できるのかどうかという確認から入って。

たちばな 情勢的に難しいんじゃない?ということを踏まえて、来日してくれる場合のセットリストと、来日できない場合のセットリストの2パターンを考えて。

祖堅 それに加えて「FF14」の映像をどうライブに絡ませるかというのもかなり考えました。「To the Edge」や「Close in the Distance」を歌ってくれたジェイソン(・チャールズ・ミラー)が来れない場合、ゲームプレイヤーの皆さんからいろんな映像を送ってもらって、それを流しながらTHE PRIMALSが演奏すれば、お客さんに喜んでもらえるんじゃないか、みたいなことを考えて。あと映像だけじゃなくて、会場の規模が大きいからこそ、火柱を上げてみたり、特効を焚いてみたり。「ファンフェス」でもいろんな演出を試させてもらってきたので、今回のワンマンは今までやってきたことの集大成的なライブになった手応えがありますね。

──アコースティックコーナーを用意したのも挑戦的だったと思います。

祖堅 バリバリのロックバンドとしてやってきたわけですから、かなり意外だったと思います。挑戦的でもありました。技術的なことを言うと、あれだけ大きな会場で電気をバリバリ使って演奏しているところから、急にアコースティック編成で演奏するのってめちゃくちゃ大変なんですよ。1曲のためにそこまでやる意味があるのか、みたいな話し合いはありましたが、せっかくミニアルバム「THE PRIMALS - Beyond the Shadow」でアコースティックの演奏にも手を出したので、ここで見せなきゃいけないなと思って。

イワイ かなりのチャレンジでしたよ。だってベースじゃなくて、アコギ弾かされてるんだもん(笑)。

たちばな 楽器は違えど、“THE PRIMALSのノリ”はちゃんと出てたんだよね。面白い試みだったから、次にもつながるといいなあ。