ナタリー PowerPush - PE'Z

リーダー交代を経てさらに前進 合法ダウンロードアルバム第3弾完成

バンドにとってピンチの状況だった

──そもそもPE'Zは去年から今年にかけて約1年半で3枚アルバムを出しているわけですよね。その合間にはライブも行い、非常にハイペースな活動を繰り広げてますが、ここまで勢いのある活動を展開した理由はなんですか?

ヒイズミマサユ機(Key)

ヒイズミ これはバンドが変わらなきゃいけないと思っていたところが大きいですね。やっぱり「新しいPE'Z」を目指した結果、どんどん作っちゃったっていう。

──バンドが変わらなきゃいけないという意識はどういうところから生まれたんでしょうか?

ヒイズミ メンバーの個性は基本的にバラバラですから。前に進むためには、やっぱりいろいろ形を変えたり、どんどん刺激し合っていかないといけないんですよ。そうしないと現状維持になってしまう。進化してこそバンドをやってる意味があると思うんで。

 バンドにいることが甘えになっちゃいけないと思いますからね。一人ひとりでも飛び出していけるくらいのスキルや力があってこそ、それが5人でひとつのバンドになったときに面白いものが生まれるんじゃないかっていう。

──夏にはOhyamaさんから航さんへのリーダー交代ということもありましたよね。バンドのメンバーチェンジとか脱退、解散とか再結成とかそういう話はよくあるんですけど、リーダー交代というニュースはあんまり目にしたことがなくて(笑)。

 あはは!(笑)

──これはどういう決断だったんでしょう?

 他のバンドがどうかはわからないですけど、PE'Zというバンドにはリーダーがしっかりいるんですね。で、これまでOhyamaくんがぐっと引っ張ってきたわけですよ。ひたすらPE'Zのために前に突き進んできたわけなんですけど、彼に迷いが出てきて。そういうときに近くにいるメンバーが助けるっていうのは当たり前のことで。だから言ってみればバンドにとってはピンチの状況だったんですよね。それで、僕がリーダーをやるという決断に至ったわけなんですけど。でも結果から言うと、このアルバムができあがって、PE'ZがPE'Zを越えることができたなっていう実感はすごくあります。俺がリーダーとしては頼りないから、みんなががんばんなきゃって思ったんじゃないかな(笑)。

PE'Zを守るためにがんばろう

──Ohyamaさんは自分のブログでもリーダーの役目を降りるということにあたっての気持ちを赤裸々に書かれていたわけですが、それは間近で見ていたメンバーにとってはどういうものだったんでしょう?

航(Dr)

 多分リーダーっていうことに対してすごく自分でもプライドがあったと思うし、常に前に前にって、深くPE'Zのことを考えてたと思うんです。その中でもやっぱり迷いが生まれてしまったんだと思う。そういうことを俺に打ち明けてくれたっていうことなんですね。だから俺としてはもうPE'Zを守るためにがんばろうっていう感じでした。

──実際にライブをやり、アルバムを制作していく中で、それ以前のバンドとの違いはどういうところで感じるようになりました?

 もう余計な気を遣ってる場合じゃないっていう感じだったんで、とりあえず風通しよく、みんなと協力してやっていくぞっていう始まりでした。ライブをやるにしても俺が真ん中に入って全ての意見を集約して、なおかつ全員が楽しく音楽をエンジョイできるようにする。それだけでした。

──それぞれのプレイヤーが演奏を伸び伸びとできることっていうのが、ひとつのキーポイントだったと。

 それはデカいですね。

航さんは強面だけど明るくて開放的

──これはヒイズミさんに訊こうと思いますが、リーダーとしての航さんっていうのはどんな感じなんでしょう?

ヒイズミ やっぱり旧リーダーも現リーダーも強面ですけども(笑)。なんというか、航さんは非常に明るいというか、開放的ですね。

──なるほど。

左から航(Dr)、ヒイズミマサユ機(Key)。

ヒイズミ 航さんって昔から打ち上げとかでも、おしぼりとか箸をみんなの前に配ったり、「部屋は寒くないのか?」って訊いたり、そういう役回りだったんですよ。

 あははは(笑)。

ヒイズミ やっぱり強面ですから、そういうことをする人じゃないと第一印象では思ってたんですけど(笑)。

アガる、楽しくなれるという感覚が大事

──アルバムの中身についても訊いていければと思いますが、まず作っていくにあたってこれまでと変わった点はありました?

ヒイズミ 前作の「OH! YEAH! PARTY!!」からの流れもくみつつ、まず僕は曲を書きまくりました。みんなそうでしたね。

──ヒイズミさんは他の活動もいろいろやられているわけですが、PE'Zに曲を書くとなるとどういう曲が生まれてくるんでしょう?

ヒイズミ 僕は2パターンありますね。PE'Zにこういう曲をやってほしいなっていう、第三者的な視点からステージを想像して書くのがひとつ。あと全くそれを意識しないで実験的に書いて、やってみるというのがひとつ。

──「PE'Zにはこういう曲をやってほしい」という第三者的な視点で求められている曲って、どういうイメージですか?

 他のバンドにないような一体感と、それにプラスして、やっぱりアガる、楽しくなれるという感覚。そこを念頭に置いてますね。

フリーダウンロードアルバム「JumpUP!」 / 2012年12月1日~2013年1月31日期間限定配信 / 0円
フリーダウンロードアルバム「JumpUP!」
フリーダウンロードはこちら!
収録曲
  1. 5running
  2. JumpUP!
  3. Spacy Tours
  4. DJ ポントレックス
  5. ナイスコンビネーション
  6. ティンカーベル
  7. GOAL! GOAL! GOAL!
  8. マラゲの娘
  9. パワパワパワー
  10. Rocket XXX
  11. 電子工学
  12. Let's KOH!
  13. 泣きべそチーター
  14. Enjoy ザ Fight
「JumpUP!」完全版 / 2013年3月6日発売 / [CD2枚+DVD] / 完全限定生産3000セット / 6000円 / apart.RECORDS / APPR-6004~6006
DISC1 収録内容
  • JumpUP! スタジオ盤
DISC2 収録内容
  • EN-MUSUBI 2012.12.30 shimokitazawa GARDENライブ盤
DVD 収録内容
  • 「JumpUP!」全曲生演奏が使われたMV集

※全国ツアー「EN-MUSUBI 2012」全会場およびPE'Zオフィシャルファンクラブにて先行予約を実施。

「EN-MUSUBI 2012」

2012年12月21日(金)福岡公演~
12月30日(日)東京公演 全8公演

「EN-MUSUBI 2012」会場先行予約特典
  • 名前をブックレットに印刷。
    ※1枚につき、購入者の名前のみ(10文字まで)。
  • 会場先行予約価格(商品+発送手数料)6000円
PE'Z (ぺず)

2000年に結成された5人組ジャズバンド。ライブハウスやクラブに加え、渋谷などでストリートライブを定期的に開催する。2001年に初のミニアルバム「pe'z」をインディーズレーベルからリリース。翌2002年にはメジャーデビューも果たし、同時にイベントや野外フェスへの出演を通して知名度を獲得する。海外でのライブも積極的に行い、世界をまたにかけロック魂あふれるジャズサウンドを響かせている。結成10周年を迎えた2009年には、彼らの楽曲を他のアーティストがカバーする初のトリビュートアルバム「NOT JAZZ!! BUT PE'Z!!! ~10TH ANNIVERSARY TRIBUTE TO PE'Z~」が発表された。2011年9月にアルバム「向日葵-Himawari」を全曲無料配信する“合法ダウンロード”企画を実施し、大きな話題を集める。2012年2月に無料配信アルバム第2弾「OH! YEAH! PARTY!!」を、同年12月に第3弾となる「JumpUP!」を発表した。