Kenの目標「泣かずに最後まで歌う」

──今回の出演者やセッションに関しても聞かせてください。まずはKenさんが参加する「Sakura Session～君がくれたもの～」について。

Ken　このセッションでは僕が歌うことになってから、自分が歌いたい曲をSakuraに提案しました。そのうちの1曲を家で練習していたんですけど、何回歌っても最後までたどり着けなくて。

──そんなに難しい曲なんですか？

Ken　涙が出てきて、歌えなくなっちゃうんです。歌詞が響いて響いて、最後まで歌えなくて。そういう曲をやろうと思っています。だから、「当日泣かずに最後まで歌う」練習を今から1カ月くらいかけてやらなくちゃいけないんですよ。けど、15回歌って15回とも泣きましたからね（笑）。

SORA　俺はその話を聞いて、改めて運転中にその曲を聴いてみたら……。

Ken　泣けたやろ？

SORA　ハザードを付けて、一旦路肩に止めました（笑）。涙腺にくるものがありましたね。

Ken　でしょ？

SORA　あれは素晴らしいですよ。今も話していて、ちょっとウルウルするぐらいですから。

Ken　前に「PARTY ZOO」をやったときは「大阪で生まれた女」を歌ったんですけど、そのときもミヤくんの涙腺にきてましたね。リハーサルのときも「全員集まれ！」とメンバーを招集して、「この歌詞を刷り込んでから演奏しよう！」と言ってましたから。

SORA　そのリハの様子も観ていたから、「PARTY ZOO」ってそういうものなんだなっていう刷り込みがあるんですよ。ちょうど各セッションのリハーサル日を調整中ですが、今から合わせるのがすごく楽しみです。

Ken　リハも最後まで歌えないかもしれないし、本番も途中から「みんな歌って！」って言うかもしれない。

夜中の1時くらいに電話をかけてくる共演者たち

──Kenさんは「Kenにまつわるエトセトラ」にも参加します。これはどのような内容になるんですか？

Ken　これは僕が作曲したものとか演奏したものとか、そういう僕にまつわる楽曲をほかの出演者の皆さんにセッションしていただければ、というところから始まっていて。千秋（DEZERT）が何かやりたいって言ってたよね？

SORA　千秋も「こんなこと、できるのかな？」と言っているし、最近はいろんな方が「SORAくん、こんなことしたいです」と駅の伝言板みたいに連絡してきているところです。

Ken　千秋は「浸食 -lose control-」（L'Arc-en-Ciel）をやりたいって言ってたんだよね？ でも、当日やらなかったら、何らかの理由であきらめたということで（笑）。こないだは[ kei ]くんからも連絡がきて、アンビエントをやりたいと言ってきてた。そうやっていろんな声を聞きつつ、絶賛選曲中です。

SORA　[ kei ]さんからはほかにも「この曲でギターが弾きたい」って連絡がありましたし。以前の「PARTY ZOO」に出演していた人たちはスイッチが入ったときの熱量がすごくて、夜中の1時くらいに突然電話をかけてきて「どうしてもSORAに伝えたくて」って。本当にうれしいです。

Ken　すごいね（笑）。個人的には「SlipKnot三郷」が気になっていて。

SORA　これは以前、KenさんとSlipKnotについて会話することがあったんですね。で、ミヤさんもSlipKnotが大好きだから、「最近、KenさんとSlipKnotの話をよくするんですよ。SlipKnotの曲をカバーするところを観たいと言っていて」と言ったら「じゃあやるか」ということになって。

Ken　こういうときのミヤくんのフットワークの軽さはすごいよね。「観たい」と言ったら本当にやってくれるんですよ。Limp Bizkitも観たいなーって言った。

SORA　なので、Limp Bizkitも深夜イベントのほうでやるみたいです。

Ken　楽しみです！

SORA　「SlipKnot三郷」に関しては衣装の指定があったので、現在俺が衣装を発注しているところです。あと、パーカッションも絶賛製作中です。

──そして2022年の「V系って知ってる？」に続いて、「LUNA SEA Respect Session」の第2弾も行われます。

SORA　このセッションに参加するDIR EN GREYのShinyaさんは、昔「PARTY ZOO」の地方公演に行ったことがあったらしくて。

Ken　確か仙台に来てくれたのかな。

SORA　そのとき、バスで一緒に帰ったんですよね？

Ken　そうそう、観光バスでみんなで移動していて。当時はそんなに接点がなかったから、「誰か出演者のゲストかな？」と思っていたんだよね。テンション感もわからなかったから、楽屋でも軽く挨拶をする程度で。で、帰りのバスにも乗っていて、今回そのあたりの流れが聞けるかもです！

──（笑）。

SORA　今回は俺がShinyaさんから「YouTubeで『コアラのマーチ』を食べるから、SORA来てくれませんか？」と呼ばれたので、撮影に行ったんですね。そこで世間話をしていたときに「SUMMER PARTY ZOO」の話をしたら、「出たい！」と食い付いてきてくれて。「何したいですか？」と聞いたら「ゲームしたい」とひと言（笑）。

Ken　で、SORAから「Shinyaさんが出たいと言ってくれました」と連絡が来たんだけど、「ゲーム？」って言われて……僕の中ではバスとゲームしかヒントがないわけです。そこからSORAに「ゲーム以外だったらどんなことをしたいか、聞いてもらえるかな？」と伝えて、決まったのがこのセッションだったというわけです。で、ゲームはどうするの？

SORA　やる方向で考えてます。Zeppでやるかもしれないし、深夜の部にするかもしれない。

Ken　とにかくゲーム大会がやりたいんだよね？

SORA　そこは後輩として、とにかく先輩がしたいと思ってくれたことは極力実現させたいと思っています。

Ken　僕はこの機会にShinyaさんと距離を縮めたいと思います！

目指すは全員参加型の祭り

──深夜の部を含め、まだこれ以外にも仕込んでいることがあるわけですね。いろいろお話を聞いていると、単純に音楽イベントというよりは……。

SORA　夏祭りですね。それでイベント名も「SUMMER PARTY ZOO」にしたので。

Ken　「M.A.D」の部分は各バンドが持っているものでバーンと見せてくれるでしょうし、セッション系は「こんなことやりたいね、やってみよう！」という気持ちが出ていくブロックになるのかな。

SORA　ファンの方からもSNSを通じて「こういうのはどうですか？」と意見が飛んでくるんで、町内会の祭りみたいですよね（笑）。もちろん全部叶えてあげることはできないけど、面白そうな発信はなるべく見逃さないようにしていて、それをイベントに取り入れようと思うこともあります。僕の中ではファン参加型イベントの気持ちでいるので、この期間はSNSをけっこう見張っているんですよ。逆に、僕のほうからファンのみんなに問いかけたりもしていますし。

──そういう意味でも、「フェス」という言葉よりも「祭り」のほうがぴったりですね。

SORA　そう、フェスではないですね。祭りって俺みたいにウェーイって奴もいれば、学校で静かに本を読んでいるような子もいたりするじゃないですか。「SUMMER PARTY ZOO」は誰もが気楽に足を運べる場にしたいし、誰も置いていかないような全員参加型にしたいんです。そういう意味でも、来た人みんなが笑顔で帰ることが目標ですね。