“現代に生きるリアルなメンズアイドル”を世の中に知ってもらうことを目的とした「リアルアイドルプロジェクト」。このプロジェクトに参加するメンズアイドルグループ計38組、総勢250名が歌唱する楽曲「トキメキUNITED」がCDリリースされた。
「トキメキUNITED」は、4月13、14日に東京・東京ガーデンシアターで開催されるリアルアイドルプロジェクトのイベント「リアルアイドルフェスティバル」のテーマソングとして制作された楽曲。玉屋2060%(Wienners)が作詞、作曲、編曲を手がけ、槙田紗子が振付を担当した。38組によるコラボバージョンのほか、各グループ単独バージョンの音源も制作され、共通盤と“各グループ盤”という形態でCDが販売されている。
この特集には、リアルアイドルプロジェクトを代表して6人組グループ・双極スペクトラムが登場。プロジェクトや「トキメキUNITED」について話を聞きつつ、群雄割拠のメンズ地下アイドルシーンにおける自分たちの強みを語ってもらった。
取材・文 / 小松香里撮影 / 藤木裕之
リアルアイドルプロジェクト
“現代に生きるリアルなメンズアイドル”を世の中に知ってもらうことを目的としたプロジェクト。参加グループはアナタシア、Animal☆Collection、ANGECROiX、イリーガルポップ、illumi/nate、iN:Code、ǝnigma、EVER.CONFIDENT、ALL IN、X-BORDER、SAD originals.、SHARE ROCK HOMES、SKYXROS、SIGNAL MONSTER、Scapegoat、▷ せーぶぽいんと、ZEOLiTE、7riot、双極スペクトラム、*ChocoLate Bomb!!、TOBY HOMES、ドリーミーバブルズ、ナナクロニクル、パンダドラゴン、ピーターパンシンドローム、B2T the Fleshers!!、FAKE IDOL、BLACK SNOW、ベアードアード、petite bomb!、Poltergeist、MeseMoa.、Melty×Mellow、夢喰NEON、#らぶしっく、Repalette、ReLIT、OnceMoreの計38組、総勢250名。
一番地上波向きのメンズ地下アイドル
──まず、それぞれのグループ内の役割を教えてください。
禊 役割は主にMC、トーク、あと大喜利を少々やってます。
無敵てる ライブでの煽りと、“いるだけでかわいい”担当です。あと、リーダーとしてみんなをまとめています。
さくま(さくま) 精神的支柱。野球で言うとショートです。
禊 そこは4番でいいよ!(笑)
田嶋はる みんなが言いづらいことを関西弁でズバズバ切り込む、やしきたかじんみたいな役です。デジタルタトゥーを生み出しています。
赤色時雨 ビジュアル担当です。女子高生を眺めるのが好きです。
ゆう ゆうです。役割はないので以上です。
──双極スペクトラムをはじめ、たくさんのメンズアイドルグループが参加するリアルアイドルプロジェクトのコンセプトを聞いたとき、率直にどう思いましたか?
禊 今のメンズ地下アイドルグループで誰が一番地上波向きかというと、僕たち双極スペクトラムだと思っています。だから、このプロジェクトを担えるのは僕たちしかいないと思いました。ビジュアルにはもちろん自信がありますし、体を張ったバラエティ力もあるので、お茶の間にも訴求できます。このプロジェクトをきっかけにたくさんの声がかかると思うので、今それを待っている状態です。
田嶋 オファー待ちです!
てる 僕らはほかのメンズアイドルグループがあまりやらないような24時間ライブをはじめとするヘビーな企画をたくさんやっています。僕は2月9日が誕生日なんですが、みんなでごはんを食べに行くはずが、せっかくだから大型企画をやろうという話になり、気付いたら雪の降る岩手県でヒッチハイクさせられてました。そういう経験を経てこのプロジェクトに参加することになり、やっと光が見えた気持ちです。「おでこにヒアルロン酸を入れたんだ」って田嶋さんに伝えたら、いきなりおでこを殴られたこともありました。
禊 ちょっとこの子おかしいんですよ!(笑)
さくま リアルアイドルプロジェクトはコロッセオみたいなイメージで、アイドルとしての自分が試されている感じがします。僕1人では何もできませんが、この6人のメンバーがいればどこまでも行けそうな気がして日々がんばってます。誰1人いらないメンバーがいない。
禊 いらないのはお前だよ!
田嶋 せっかく呼んでいただいたので、ほかのグループと双極は違うというところを見せていきたいですね。僕たちのファン以外の人たちにも知ってもらえるよい機会だと思うので、積極的にアプローチをしていきたいです。
ゆう 僕はリアルアイドルプロジェクトというプロジェクト名を聞いたときに、「リアル」って言葉に違和感を覚えました。リアルじゃないアイドルなんていないんじゃないかなって。
禊 いいよ! お前のアイドル論は。
ゆう (笑)。リアルだからこそアイドルだと思っています。僕はいつもリアルなので、僕にぴったりなプロジェクトだなって。
時雨 今まで出ることのなかった媒体や関わったことのない人たちと関わらせていただくことで自分たちを知ってもらえる機会が増えると思うので、もっとモテたいなと思いました。
禊 誰か1人はまともなこと言おうよ!(笑)
全グループの中で一番のラップスキル
──リアルアイドルプロジェクトとしてのオリジナル曲「トキメキUNITED」がCDリリースされます。最初に楽曲を聴いたとき、どう感じましたか?
さくま 自分はこのグループに入ってから2年経つんですが、双極には「トキメキUNITED」のようにめちゃくちゃキラキラした王道ソングはあまりなくて、「声出せ!」みたいな勢いのある曲が多いので、いつもとは違う曲を歌えるのがうれしかったですね。この曲をきっかけに双極スペクトラムの幅が広がるんじゃないかなって。明るくアイドルっぽく歌うアプローチにみんな慣れていないので、レコーディングは苦戦しました。でも、結果的には双極スペクトラムっぽいテンション感が出せたと思っています。
──作詞および作編曲は玉屋2060%(Wienners)さん、振付は槙田紗子さんが手がけました。
てる 振りが簡単そうに見えて難しいんです。体の見せ方や体幹といったアイドルの基礎が大事になってくるダンスなので、基礎ができてる人はしっかり踊れるし、できてない人は厳しい。対比が見えやすいからこそ、全グループで踊るのに適している曲だなと思いました。
ゆう 僕はめちゃくちゃ滑舌が悪いんです。だから最初の「集まれ天使 プリンス プリンセス」という歌詞をまったく歌えず苦戦しました。
禊 今、苦戦って言いましたけど、努力してなかったですよ。2回ぐらい歌って「無理!」って終わらせてたんで。
ゆう あの速度は無理だよ。
田嶋 ゆうくんは影だしね。
ゆう そう、俺はグループの影だから別に目立たなくてもいい。最近知り合いからTikTokで「トキメキUNITED」ばかり流れてくると言われることが多いので、そういうふうに盛り上がっているプロジェクトの中に自分がいることがうれしいです。
──この曲ではプロジェクトに参加する全38組のグループ、総勢250名のメンバーが歌唱していますが、参加グループそれぞれのバージョンを収録した“各グループ盤”のCDもリリースされます。
時雨 やっぱりたくさんのグループさんが同じ曲を歌うので、個性をできるだけ歌で出せるようにがんばりました。
──ちなみにご自身の個性というと?
時雨 “エロキモイ”です。
田嶋 その通り。
──ほかの皆さんは自分らしさを出せた手応えはありますか?
さくま ラップパートではおそらく全グループの中で一番のラップスキルを発揮できたと思っています。
禊 業界内でも双極のラップはいいって評価が高まっているので。
さくま たぶん、みんなきれいにラップしようと思ったんじゃないかな。その中で僕たちは自分たちらしさを大事にした結果、すごく高いレベルにいけたと思っています。
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メンズ地下アイドル界隈の印象をよくしていきたい