ナタリー PowerPush - PAGE

A&Rクボタマサヒコから17歳アーティストへの課題

「MY NAME IS xxxx」を超えて初めて見える景色がある

──クボタさんから見て、今のPAGEくんはアーティストとしてどう映っていますか?

左から、PAGE、クボタマサヒコ

クボタ いろんな立場としての見方はあるんですけど……。「MY NAME IS xxxx」を出すのはいい意味でも悪い意味でも、いろんなプレッシャーがあると思うんですよね。ミュージシャン目線でいうと、それを超えたときに見える景色が必ずあるので。それは出さないとわからないんですよ。

──なるほど。

クボタ 僕がビークルをやっていたときに「HIT IN THE USA」っていう曲を出してるんですけど。あれってアニメ「BECK」のオープニングテーマになったんですよね。でも僕ら的にはその前に提出した曲にNGが出て、半ばヤケクソで作ったものなんです。ちょっと嫌味のつもりで提出した曲だったのにOK出ちゃって。だから最初はライブやるのがすごく恥ずかしくてバカみたいな曲だなと思いながらやってたんです。でも「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に初めて出たとき、「HIT IN THE USA」が始まった瞬間に四方から人がものすごい勢いで集まりだして。それまではけっこうスペースもあったのに(笑)。そこから自分たちで「この曲は人を喜ばせられる曲なんだ」っていう意識をするようになった。だからさっき話してたPAGEのモードもすごくよくわかるなと。

──曲のあり方という意味で。

クボタ そう。これを出して、これが本当にみんなの胸に届いたときに見える景色を見てほしいなって思う。そこには、いいことも悪いこともあると思いますけど。

PAGE ……僕も「HIT IN THE USA」大好きです(笑)。

クボタ はははははは(笑)。音楽は自分の意識なんて関係ないっていうか。書いた以上は聴き手のものだから。自我は出した時点で切り離して考えたほうが、気が楽だよ。

──そういうことって普段も話したりするんですか?

クボタ こういうのは初めて話したよね。今、隣でインタビューを聞いていて「自分と一緒だ」と思って。僕らは「HIT IN THE USA」出したときはいい大人でしたけど(笑)。むしろ、当時のビークルのほうが今のPAGEより全然子供だったと思います。PAGEは大人だよ(笑)。

──PAGEくんは、クボタさんのようにミュージシャン視点を持っている人が自分のA&Rになってくれたからこそ心を許せるところもあるでしょう?

左から、PAGE、クボタマサヒコ

PAGE だからとかじゃないですけど……普通にそういう趣味とか音楽の話とかも合うし、楽しいんですよね。

クボタ 制作をどうするかとか、そういう真面目な話はあまりしてないけどね(笑)。でも、趣味の話をしている中でアイデアが生まれたりしたらいいよね。

──ライブでもサポートの大人たちに身を任せられる感じというか、居心地いいのかなと思って。楽しいでしょう?

PAGE 独特の楽しさはありますね(笑)。

──もちろんリスペクトはあると思うんだけど、過剰に気を遣ってる感じも見受けられますもんね。

PAGE あんまり気は遣ってないですね。自由に、普通にやれてます。

クボタ 過剰に音楽で話し合ったりするわけでもなく。自然にやってる感じはするよね。

課題は「武道館ライブ」「紅白出場」「ももクロと対バン」

──クボタさんは今後PAGEくんをどのようにバックアップしていきたいと考えてますか?

クボタ 僕は今も自分でレーベルをやっていて、DJをやっていて、kuhというバンドをやっているから、それぞれの場所で会える人たちにPAGEの魅力を普通に話せるし、みんなPAGEを気にしてくれる。自然といろいろつながるんですよね。そこからまた広がっていったらと思います。たぶん僕がただのA&Rだったら、限られた場所でしか人に会えなかったと思うんですけど、いろんな界隈で会うことが多いので。僕自身もDJをやるときにPAGEのトラックを流したりとか。そういうのが自然でいいなと思いますね。

──現場レベルで広がるものを大事にすると。

クボタ そういうメリットはすごくあるなと思います。今、音楽業界はこういう状況なので。どこに所属しているかというよりは、何ができて、誰と話せるかだけだと思うので。それをつなげる翻訳家みたいな立場でいいかなと思うんですよね。それが僕の仕事かなって。昔からミュージシャンなのかディレクターなのか、さっぱりわかんないですけど(笑)。それが自分の個性かなとも思うし。

──PAGEくんはクボタさんにどんなことを期待してますか?

PAGE 存在自体が柔らかいというか。一緒に仕事をしていて、柔軟性があるし、頼りになるので。今までクボタさんがいない状況で滞っていたものを、うまく循環させてくれるんじゃないかっていう気はしています。

──クボタさんは、これからPAGEくんにどういう存在になってほしいですか。

クボタ PAGEも僕も世間ではかなりマイノリティだと思うんですよ。だから、この「MY NAME IS xxxx」で一度王道のところを駆け上がってほしい。土壌作りじゃないですけど、まずみんなに知ってもらうことが重要だと思います。面白いセンスをPAGEはいっぱい持ってるから、世間的な認知度を獲得してから、好きなように曲を作ってほしいですね。あとは、ビークルは武道館ライブと、紅白出場と、ももクロとの対バンを果たせなかったので、ぜひその3つを実現してほしいです(笑)。PAGEならできると思うし。

──PAGEくんどう? 今の話を聞いて。

PAGE ちょっとハードル高いですね(笑)。

クボタ きゃりーぱみゅぱみゅちゃんと対バンとかさ。

PAGE きゃりーちゃんと対バン……ふふふ(笑)。

クボタ お、スイッチ入った(笑)。

左から、PAGE、クボタマサヒコ
ニューシングル「MY NAME IS xxxx」/ 2013年5月8日発売 / Ki/oon Music / KSCL-2238
収録曲
  1. MY NAME IS xxxx
  2. MY NAME IS xxxx asamiya Remix
  3. MY NAME IS xxxx Yoshinuma Remix
  4. MY NAME IS xxxx Ghost Cheek Remix
  5. MY NAME IS xxxx ist Remix
PAGE(ぺいじ)

1995年生まれ、愛媛県松山市出身のラッパー / シンガーソングライター。小学6年生のときに観たケツメイシのライブDVDに感銘を受け、音楽に目覚める。2008年からリリックを書き始め、2011年1月にマイクとインターフェイスを購入し宅録を開始。直後からニコニコ動画に「ニコラップ」と呼ばれるジャンルのラップを投稿し始める。同時期に10代限定のコンテスト「閃光ライオット2011」に応募し、予選を勝ち上がる。同年9月に東京・日比谷野外大音楽堂で開催された決勝戦で見事グランプリを獲得(当時の名義はPAIGE)。「閃光ライオット」での一連のステージを現在のディレクターに見初められ、2012年7月にキューンミュージックよりシングル「You topia」でメジャーデビューする。2013年2月に2ndシングル「エクスペクト」を発表。同年5月に「閃光ライオット2011」で披露した「MY NAME IS xxxx」をシングルリリースした。