ナタリー PowerPush - PAGE
A&Rクボタマサヒコから17歳アーティストへの課題
武器があるのは強い
──この曲の中心には両親への感謝の気持ちがあって。当時のPAGEくんにとってそれが一番表現すべきことだった?
PAGE 普段は感謝を伝えようとかあんまり思わないんですけど。ただ当時の自分は「ちゃんと背中見てたぜ、あなたたちが俺にしてくれたことをちゃんと見てたぜ」って言いたかったんですよね。
──「閃光ライオット」で披露した感触はどうだったんですか?
PAGE けっこう盛り上がってくれましたね。「いい」って言ってくれる人もいっぱいいたし。ただ僕は3次審査でライブをすることが最大の目的だったんですよね。
──ファイナルまでいけるとは思ってなかったそうですね。
PAGE そうですね。だからファイナルにいくことが決まっても「やった、もう1回ライブできる」としか思ってなかったんですけど。でも、気持ちよかったですね。あのときはリア充でした(笑)。
──改めてこの曲をシングルとしてリリースするってなったときにPAGEくんはどう思ったんですか?
PAGE 初めは「絶対に出しません」って言ってたんですけど。2ndシングルの「エクスペクト」はアニメ「銀魂」のタイアップ曲で歌モノをやって。その結果、「閃光ライオット」や1stシングル「You topia」以外でアニメから入ってきてくれたリスナーもいっぱいいて。で……「閃光ライオット」でグランプリを獲ってからの1年半でいろいろ考え方も変わりまして。上京もしたし、デビューから半年経って、プロとしての自覚みたいなものもちょっとは出てきて。好き嫌いじゃなくて、この曲をどう捉えるか、どう使うかは自分次第だなと思ったんです。あと武器があるっていうのは強いなと思った。この曲で僕のことを好きになってくれたリスナーもいるし、この曲を待ってる人もいるし、この曲を出そうよって言ってくれるスタッフもいる。その期待に応えるのもプロなのかなと思って。「じゃあ、ここで出しましょう」って考え方になったんです。
──なるほど。あとは、これを超える曲をこれからいかに作っていくかですよね。
PAGE ですね。これを出すことによって、また誤解が生まれるんですけど。そういう誤解っていうのは、これから音楽を続けていく中で解けていったらいいなと思ってます。歌っていることは紛れもなくあのときの事実だから。これを出したからといって、僕が今思ってることや書いてることが嘘になることはないと思うので。
「お前、スタッフ顔だからいいよ」でA&R就任
──ここからはクボタさんを迎えて話を聞いていきたいんですけど。まず、クボタさんが今回キューンミュージックのA&RとしてPAGEくんを担当することになった経緯を教えていただけますか。
クボタマサヒコ 今PAGEのディレクターをやってる方はRYUKYUDISKOがきっかけでビークル時代からお付き合いがあったんですね。普段もクラブでよく会う先輩だったりして。実は、ビークルのメンバーはなんらかの形でみんなPAGEに関わっていて。僕が最初に関わったのは「閃光ライオット感謝祭」のライブのサポートで、スタジオに入ったのが最初ですね。そうやって最初はサポートミュージシャンとして関わっていくうちに、ディレクターさんが「どうせなら一緒にやりません? 俺が上に話しておきますよ」と言ってくれて。それで社長と面談したら「お前、スタッフ顔だからいいよ。OK!」って(笑)。
──キューンならではのノリというか(笑)。PAGEくんはもともとビークルのリスナーでもあったと思うんですけど。
PAGE 好きでしたね。だから最初は「ああ……あの人なんだ」っていう感じでしたね。
クボタ でもお面を被ってたから実感はないよね、きっと(笑)。
──2人は普段どんな話をしているんですか?
クボタ 意外と音楽の趣味が合うんですよ。PAGEの2ndシングルリリースパーティのときに、PAGEが自分で選曲したCDを流してたんですけど。それが全部僕のツボに入って。CDをあげたり、紹介したり。教えてもらうことも多いですね。
PAGE かわいい曲、好きですよね。
クボタ そう。女性ボーカルが2人とも好きなんですよね。
- ニューシングル「MY NAME IS xxxx」/ 2013年5月8日発売 / Ki/oon Music / KSCL-2238
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収録曲
- MY NAME IS xxxx
- MY NAME IS xxxx asamiya Remix
- MY NAME IS xxxx Yoshinuma Remix
- MY NAME IS xxxx Ghost Cheek Remix
- MY NAME IS xxxx ist Remix
PAGE(ぺいじ)
1995年生まれ、愛媛県松山市出身のラッパー / シンガーソングライター。小学6年生のときに観たケツメイシのライブDVDに感銘を受け、音楽に目覚める。2008年からリリックを書き始め、2011年1月にマイクとインターフェイスを購入し宅録を開始。直後からニコニコ動画に「ニコラップ」と呼ばれるジャンルのラップを投稿し始める。同時期に10代限定のコンテスト「閃光ライオット2011」に応募し、予選を勝ち上がる。同年9月に東京・日比谷野外大音楽堂で開催された決勝戦で見事グランプリを獲得(当時の名義はPAIGE)。「閃光ライオット」での一連のステージを現在のディレクターに見初められ、2012年7月にキューンミュージックよりシングル「You topia」でメジャーデビューする。2013年2月に2ndシングル「エクスペクト」を発表。同年5月に「閃光ライオット2011」で披露した「MY NAME IS xxxx」をシングルリリースした。