音羽-otoha-とは何者なのか?はまじあき(「ぼっち・ざ・ろっく!」作者)、ヒトリエ、野間康介(agehasprings)の証言で紐解く

「音羽-otoha-メジャーデビュー、『ぼっち・ざ・ろっく!』曲提供でも知られるシンガーソングライター」。音楽ナタリーでこのニュースを報じた際、SNSには「まだデビューしてなかったの?」「ついに!」といったコメントがいくつも見受けられた。

その音羽-otoha-とは何者なのか? アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」にオープニング曲「青春コンプレックス」を含む4曲を提供したことでも知られ、ギターだけでなくピアノ、ベース、津軽三味線、フルート、ドラムなども演奏し、さらには映像制作や編集も手がけるシンガーソングライター。中性的な歌声と麗しいルックスの持ち主で、ファン層は子供から大人までと幅広い。文字で表現するとこんな感じだろう。では実物は関係者からどう見られているのか?「ぼっち・ざ・ろっく!」の作者で音楽好きとしても知られるマンガ家・はまじあき、音羽-otoha-が影響を受けたアーティストとして公言するヒトリエ、サウンドプロデューサーとして音羽-otoha-とともに楽曲を制作した経験のあるagehaspringsの野間康介の3組に、音羽-otoha-というアーティストについて、それぞれの視点から語ってもらった。

取材・文 / 柴那典

証言者1:はまじあき
はまじあき

「青春コンプレックス」に感じた、前に進もうとする力強さ

──音羽-otoha-さんのことを知ったきっかけを教えてください。

アニメ化の際に楽曲制作をしてくれるクリエイターさんとしてご紹介いただいたのがきっかけでした。当時調べたところ、とてもファンが多く人気な方だったので、萎縮したの覚えています。

──アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」で音羽-otoha-さんはオープニングテーマ「青春コンプレックス」の作曲に携わっていますが、この曲を聴いての第一印象は?

いい意味で、アニメの曲と感じませんでした。サビが特に印象的で、寂しげなメロなのですが前に進もうとする力強さを感じました。

──音羽-otoha-さんは劇中歌「ギターと孤独と蒼い惑星」も作曲しています。こちらについてはどんな感想を持っていますか?

「青春コンプレックス」とはまた違い、メロも構成もとてもキャッチーですが攻めてる曲だと感じました。この曲は作中で初めて結束バンドが披露する曲で、当時どんな曲がくるかで作品の今後が決まると考えてました。今となっては、アニメを一気に盛り上げてくれたこの曲を作り出してくださった音羽-otoha-さんには本当に感謝しています。

──アルバム「結束バンド」収録の「小さな海」「フラッシュバッカー」で音羽-otoha-さんは作詞作曲を手がけています。この2曲についてはいかがでしょう?

挿入歌ではなかったためアニメの内容に縛られず、しかし「結束バンドがどういったバンドなのか」がすごく的確に表現されていて、まさに実際のバンド、アーティストのアルバムに収録されている曲だと感じていました。とても好きで仮歌のデモ段階をいただいたときから作業中に何度も何度も聴いていました。

──音羽-otoha-さんが携わった「ぼっち・ざ・ろっく!」の4曲で特にお気に入りは?

さまざまな場で同様にお答えしていますが、やはり「フラッシュバッカー」が特にお気に入りです。アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の集大成という感じがして、何度聴いても放送当時の熱を思い出させてくれます。

お互い緊張であわあわ

──はまじさんが初めて音羽-otoha-さんにお会いしたときの印象は?

「ぼっち・ざ・ろっく!」のイベント後に初めてお会いしました。ものすごく丁寧で物腰柔らかい方で、ですが佇まいに魅力的なオーラがあり、たくさんの人を惹きつけるのも納得でした。

──以前に音羽-otoha-さんは「違う世界線で生きてきたぼっちちゃんみたいな感じで自分を捉えてます」とおっしゃっていましたが、作者として通じ合うようなところを感じたりしましたか?

作曲者が音羽さんに決まったときはこんなおしゃれでキラキラしてる方にぼっちちゃんの作詞を……!?と驚いたのですが、メッセージでやりとりしたときの丁寧な文章や、初対面でお互い緊張であわあわと同じ挙動をしてしまったときに、あそこまでぼっちちゃんに寄り添った曲が書けたのも納得だ……!と思いました。

──音羽-otoha-さんのオリジナル曲で特に好きなものと、その理由を教えてください。

「アズライト」です。別のインタビューで、明るい曲を書くのは苦手だけど、こういった曲を残すのは意味があると音羽-otoha-さんがおっしゃっていて、そんな気持ちで書いた曲だからこそ歌詞の中にあるちょっとした希望にすごく励まされるなあと思いました。自分がつまずいたときにこれからもこの曲に励ましてもらおうと思います。

音羽-otoha-

音羽-otoha-

──音羽-otoha-さんのアーティストとしての魅力はどんなところにあると思いますか?

作詞、作曲、演奏、ボーカルまでマルチに活躍できる圧倒的な才能がありながら、たまに人間くさくてかわいいところが垣間見え、そのギャップに親近感を感じたり多くの人が惹きつけられるのだと思います。

──この先の音羽-otoha-さんの活動について、どんなことを期待していますか?

「駆落」のMVが音羽さん描き下ろしと知り、絵の才能まであるなんて……私のアイデンティティが崩壊する……!と大変衝撃を受けたので、今後もっと音羽さんの歌とイラストが融合したアニメーションMVなど観れたらいいなと思います!

プロフィール

はまじあき

マンガ家。2013年に「ちゃおデラックス」に掲載された「スワン★コンプレックス」で商業作家としてデビュー。2017年から「まんがタイムきららMAX」で連載中の「ぼっち・ざ・ろっく!」は、2019年に「次にくるマンガ大賞」のコミックス部門8位に選出される。同作は2022年にはアニメ化もされ、テーマ曲や劇中歌を音羽-otoha-、谷口鮪(KANA-BOON)、中嶋イッキュウ(tricot)、草野華余子、ZAQらが手がけ音楽ファンの間で大きな反響を呼ぶ。2024年春と夏に劇場総集編が公開される予定。

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